結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30646(T2002−30646/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2465801号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成元年3月31日に登録出願、第24類「運動具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成4年10月30日に設定登録されたものであるが、その後、平成14年10月16日付による指定商品の書換登録があった結果、指定商品及び商品の区分については、第9類「ウエイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」及び第28類「運動用具,釣り具」とされているものである。
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、商標登録第2465801号の指定商品中『第24類 全指定商品』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は、取消されるべきである。
(1)乙第1号証について
乙第1号証のカタログ自体には、発行年月日等の記載はなく、納品書にも品名として「ウインドブレーカーカタログ」とあり、カタログの表題「ATHLETE COLLECTION」と一致していない。また、納品書に記載のある日付けは、平成10年7月27日であるから、本件審判の請求登録前3年以内に使用されているということを明らかにしたとはいえない。
さらに、カタログの表紙に表示されている商標は、本件商標と社会通念上同一とは認められない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証の商品写真では、本件商標の使用の日付は明らかではなく、また、下げ札の納品は、平成10年7月17日及び平成10年7月22日であるから、本件審判の請求登録前3年以内に被請求人がかかる下げ札を使用しているということを明らかにすることができない。また、乙第2号証の5及び6の売上伝票の写しには、2000/12/16、2002/01/22の日付けが記載されているが、本件商標は記載されていない。被請求人は、売上伝票を介してカタログにおける本件商標の使用を証明しようとしているが、前記したようにかかるカタログは、本件審判の請求登録前3年以内に使用されていたかどうか明確ではないうえ、品番は商品との関係で特定されていると考えられ、商標の使用の態様との関係において特定されているものではないので、かかるカタログと売上伝票の品番とが一致しているからといって、カタログに記載の商品における商標が売上伝票に記載の日付の日に同一の態様で商品に使用されていたとは限らない。
(3)乙第3号証について
乙第3号証の商品の写真は、商品の販売等の年月日が明らかにされておらず、本件商標の本件審判の請求登録前3年以内の使用を証明するものではない。また、乙第3号証の1の売上伝票は、写真の商品には品番の記載もなく、売上伝票の1999/12/06の記載に拘らず、かかる売上伝票にある「スノーボードブーツ」が写真にある商品を示すものであるか明確ではない。さらに、包装箱及び商品に付されている商標は、前記カタログの場合と同様、本件商標の使用とは認められない。
(4)乙第4号証について
乙第4号証の「大阪スポーツ用品卸商組合の発行に係る2000年記念組合史」は、商品との具体的な関係が明らかにされておらず、本件商標の使用と認められない。
(5)乙第5号証について
乙第5号証は、乙第1号証の商品カタログと同様の理由により、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標を使用していたことを証明するものとは認められない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、被請求人自らにより、取消請求に係る指定商品に含まれる「ウインドパーカー、ロングボアコート、スノーボード用の靴」ついて、本件審判の登録前3年以内に日本国内において使用されていたものであり、かつ、現在も継続して使用されているものである。
使用を立証するものとして、「ウインドパーカー、ロングボアコート」に使用している「カタログ」を乙第1号証として、当該カタログの納品書の写しを乙第1号証の1として、「ウィンドパーカー、ロングボアコート」に使用している「商品の写真」を乙第2号証として、商品に使用されている「下げ札」を乙第2号証の1として、下げ札の納品書の写しを乙第2号証の2及び3として、「襟マーク」を乙第2号証の4として、当該写真の商品が販売されたことを証する被請求人の売上伝票の写しを乙第2号証の5及び6として、「スノーボード用の靴」に使用している「商品の写真」を乙第3号証として、当該写真の商品が販売されたことを証する被請求人の売上伝票の写しを乙第3号証の1として、「大阪スポーツ用品卸商業組合の発行に係る2000年記念 組合史」の抄写を乙第4号証として、乙第1号証の商品カタログの作成前に作成された「商品カタログ」を乙第5号証として提出する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきものではない。
被請求人が提出した乙各号証をみるに、乙第1号証は、発行元の表示と認められる「PRODUCED by SEIKI ENTERPRISE」の表示がなされた商品カタログであり、表紙の上段部分に「ATHLETE COLLECTION(その下に、やゝ小さく「WIND BREKER & TRAINING WEAR」の文字が書されている。)」の表題が付けられており、中央には、本件商標の図形部分が配され、右下には本件商標の欧文字部分が表示されている。そして、その2頁には、「PIS...400ウィンドパーカー ¥12000」及び「PIS...500ロングボアコート ¥18000」の商品が掲載されており、ウィンドパーカーやロングボアコートの襟部分、胸部分等に本件商標の図形部分と欧文字部分からなる商標が付されていることを認めることができる。また、乙第1号証の1は、株式会社研美社名義の請求書と納品書であり、平成10年7月27日に世紀運動用品(株)宛てに「ウィンドブレーカーカタログ」2000部を納めた旨の表示がなされている。
乙第2号証は、「商品の写真」であり、ウィンドパーカー及びロングボアコートの襟部分、胸部分、腕部分及び下げ札に本件商標の図形部分と欧文字部分からなる商標が表示されていることを認めることができる。
そして、乙第2号証の1は、下げ札の実物であり、乙第2号証の2及び3は、株式会社研美社名義の請求書と納品書であり、平成10年7月17日と同22日に世紀運動用品(株)宛てに「Pistexさげ札」を各7000枚と8000枚を納めた旨の表示がなされており、また、乙第2号証の5及び6は、被請求人名義の売上伝票の写しであり、乙第2号証の5には、発行年月日として2000年12月16日の日付があり、徳島県の株式会社マナベスポーツに「PIS−500 ¥18000のロングボアコート」を7着売り上げた旨の表示があり、乙第2号証の6には、2002年1月22日の日付があり、和歌山県のアダチスポーツに「PIS−400 ¥12000のウインドパーカー」を15着売り上げた旨の表示がなされている。
この点について、請求人は、乙第1号証のカタログ自体には発行年月日等の記載がないこと、カタログの納品書の品名とカタログの表題とが一致していないこと、納品書の日付も本件審判の請求登録前3年以内のものではないこと、カタログの表紙に表示されている商標は本件商標と社会通念上同一のものとはいえないことから、本件商標の使用を証明するものではない旨の反論をしている。
しかしながら、乙第1号証のカタログ自体には発行年月日の記載はないが、乙第1号証の1の納品書によれば、同カタログは、株式会社研美社により、平成10年7月27日に被請求人に納品されたものとみるのが自然である。確かに、納品書の品名におけるカタログの名称とカタログの表題とは一致してはいないが、同カタログの最初の頁で紹介されているのはウィンドブレーカーであり、カタログの表題中にも「WIND BREKER」の語があることから、馴染みやすい「WIND BREKER」の語をとらえて、当事者間において「ウィンドブレーカーカタログ」と略称して取引していたとしても、あながち否定し難いところであるから、乙第1号証のカタログと乙第1号証の1の納品書との関係は上記のように解するのが相当である。
そして、乙第1号証のカタログ以前に発行されたカタログであるとして提出された乙第5号証のカタログに徴すれば、乙第1号証のカタログに掲載されているウィンドブレーカーやトレーニングウエアーと同様のデザインのPIS−400ウインドパーカーやPIS−500ロングボアコートが掲載されていることを認めることができる。そうとすれば、この種のウィンドブレーカーやトレーニングウエアーは、必ずしも流行の変化の激しい商品とはいえず、従ってまた、この種のカタログも必ずしも頻繁に更新されるものとはいえないから、乙第1号証のカタログは、本件審判の請求登録前3年を更に1年程遡った日時に発行されているものではあるが、同カタログを本件審判の請求登録前3年以内の期間内においても継続して使用していた旨の被請求人の主張に不自然さは認められない。
また、カタログの表紙には、前記認定のとおり、中央に本件商標の図形部分が配され、右下に本件商標の欧文字部分が表示されているものであるから、本件商標の構成と同一の構成からなるものとはいえないとしても、商標の使用は、商標を付する対象に応じて、適宜に変更を加えて使用されるのがむしろ通常であり、本件の場合も、図形部分と欧文字部分の位置を離して表すことにより、商標の印象に格別の差異を感じさせるものとはいえず、また、欧文字からは「ピステックス」以外の称呼を生ずるものとも認められないから、片仮名文字部分を併記していなくても、社会通念上同一と認識し得る商標と認めて差し支えないものというべきである。
さらに、請求人は、乙第2号証の商品写真では本件商標の使用の日付は明らかではないこと、下げ札の納品書の日付も本件審判の請求登録前3年以内のものではないこと、乙第2号証の5及び6の売上伝票には本件商標は記載されておらず、また、売上伝票とカタログの品番とが一致しているからといって、カタログに記載の商品における商標が売上伝票に記載の日付の日に同一の態様で商品に使用されていたとは限らないことを挙げて、本件商標の使用を証明するものではない旨の反論をしている。
しかしながら、乙第2号証の商品写真は、使用の日時を証明するものというよりは、現実に、商標がウィンドパーカーやロングボアコートにどのように表示されていたかを示すために提出されたものと理解されるところであり、上記したところと同様の理由により、本件商標と社会通念上同一と認識し得る商標がウィンドパーカーやロングボアコートの襟部分、胸部分、腕部分及び下げ札に表示されている状態を把握することができる。そして、該写真に写っている下げ札と同一のものと認められる下げ札が乙第2号証の1として提出されており、その納品書が乙第2号証の2及び3として提出されているところ、前記のカタログの項で述べたところと同様の理由から、該下げ札についても、本件審判の請求登録前3年以内の期間内において継続して使用していた旨の被請求人の主張に不自然さは認められない。
また、被請求人が発行したものと認められる乙第2号証の5及び6の売上伝票には、前記認定のとおり、発行年月日、売り上げ先、商品の品番等が明示されているところ、売上伝票に記載されている商品番号とカタログに表示されている商品番号とが一致している場合においては、通常、カタログに記載されている品番の商品と同一の商品が販売されたものとみるのが商取引上の当然の前提というべきものである。
そうとすれば、被請求人は、乙第1号証のカタログに掲載されている商品の品番に相応する「PIS−500 ¥18000のロングボアコート」を2000年12月16日に株式会社マナベスポーツに、また、「PIS−400 ¥12000のウインドパーカー」を2002年1月22日にアダチスポーツに、それぞれ販売したものというべきであり、これに反する事実があったことの立証もない本件においては、請求人のこの点についての主張は採用できない。
してみれば、以上の乙各号証により、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されている乙第1号証のカタログを取引の場において使用していたものと推認され、かつ、該カタログに掲載されており、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されている「PIS−500ロングボアコート」及び「PIS−400ウインドパーカー」を販売したものとみるのが相当である。
そして、該ロングボアコート及びウインドパーカーは、本件商標の指定商品中の運動用特殊衣服に含まれる商品と認められるものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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