結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30625(T2001−30625/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第743574号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第11類「電話口消毒器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和39年10月20日に登録出願、同42年5月31日に設定登録され、その後、昭和52年7月4日、同62年6月18日及び平成9年4月25日の3回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。そして、本件商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」についての登録は、平成13年11月8日付けの審決により取り消され、同13年2月5日に確定の登録がなされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1.請求の理由
請求人は、被請求人が本件商標をその指定商品中の「電話口消毒器具、その他本類に属する商品(「電子応用機械器具及びその部品」を除く)」について使用しているか否かは不知であるが、被請求人が上記商品についての使用事実を証明しないときは、本件商標は、商標法第50条第1項により、その取消しを免れない。
2.答弁に対する弁駁
(1)乙第2号証(被請求人の業務に係る商品「電話消毒器」の総合カタログ、以下「カタログ」という。)は、その原本を精査したところ、表面の黄ばみや痛みが激しく、ここ3年以内に印刷され、現時点において、使用されているものとは信じ難い。
また、上記カタログの最終ページに掲載された被請求人の取扱いに係る各商品の容器には、ラベルが付されており、該ラベルには、製造元である被請求人の住所や電話番号等が記載されているところ、「7」及び「8」の符号が付された商品に記載された電話番号は、「03(614)2111(代)」とあり、市外局番に続く番号が3桁であることが読みとれる。
ところで、東京都内の市外局番を03とする地域の市内局番は、平成3年1月1日より、一斉に4桁に切り替えられている(甲第1号証)。つまり、カタログに記載された商品は、平成2年12月31日以前の表示のままであることが明らかである。
乙第3号証では、カタログが平成11年9月28日に納品されたものであると証されているが、広告宣伝のために作成する「カタログ」として平成11年9月に印刷された印刷物に掲載された商品が10年以上も前に製造された商品であることは考え難い。カタログの内容が平成2年12月31日以前の古い内容のものであること、使用証拠として提出されたカタログ原本自体が、黄ばみの激しいものであることから、カタログが本件審判請求の登録前3年以内に使用されているものとは認め難い。
また、乙第3号証に添付した有限会社小林印刷(以下「小林印刷」という。)の請求書中の小林印刷の郵便番号表示は、平成10年2月2日以降に郵便番号が7桁に変更されたにもかかわらず(甲第2号証)、3桁のものとして記載されている。さらに、その電話番号をみると、市川市は平成8年に市内局番が変更されたにもかかわらず(甲第3号証)、古い番号表示のままとなっている。
以上により、乙各号証は、いずれも平成10年以降に発行された書類とは信じ難く、審判請求の登録前3年以内の使用を証明する資料としては、疑念の残る書類である。
(2)仮に、カタログが被請求人主張のとおりの発行に係るものであるとしても、「商品又は役務に関する広告、取引書類に商標を付する」のみでは、商標法上の「使用」(商標法第2条第3項第7号;平成14年法律第24号による改正前の商標法。この規定については、以下同じ。)に該当しない。広告、取引書類等を展示、あるいは頒布しなければ「使用」とは認められないのである。
乙第1号証ないし乙第4号証は、「取引書類に本件商標を付」していることを証明するにすぎず、本件商標が付されたカタログが展示、あるいは頒布された事実については一切証明されていない。
(3)むすび
以上により、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者である被請求人によって、その指定商品である「電話口消毒機器、その他本類に属する商品(「電子応用機械器具及びその部品」を除く)」について、使用されたものとは認められない。したがって、本件商標は、商標法50条の規定により、「電話口消毒器具、その他本類に属する商品(「電子応用機械器具及びその部品」を除く)」についての登録を取り消されるべきものである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出した。
1.本件商標は、その商標権者(被請求人)及び通常使用権者によって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品に含まれる商品に使用されているものである。以下、乙第2号証ないし乙第4号証によって、これを立証する。
2.(1)カタログ(乙第2号証)の表紙には、「電話消毒器」の文字と、本件商標と同一のものというべき「デンツー」の文字が表示されている。
ところで、カタログに表示されている「電話消毒器」の表記は、本件商標の指定商品のうちの「電話口消毒器具」とその表記を異にするが、「電話消毒器」なる商品は、通話の際の唾液の飛散等により、ともすれば不衛生な状態になりがちな電話器(受話機)の送話口に取り付けて、この部分の消毒の機能を果たす器具であって、その形状、用法は、カタログに示すとおりのものである。
したがって、「電話消毒器」と「電話口消毒器具」はその表記こそ異なれ、実質的には同一の商品か同一の概念に含まれる商品とみるのが相当である。
そうすると、「電話消毒器」は、請求に係る指定商品のうち「電話口消毒器具」と同一か同一と認むべき商品というべきである。また、カタログの裏表紙には、電話消毒器の製造元が被請求人であることを示す「電通セントラル株式会社」の文字と、当該商品の総代理店を示す「財団法人電気通信共済会」の文字が表示されている。(なお、財団法人電気通信共済会は、平成13年7月1日その組織変更を行い、これを契機に、それ以後は、それまで同会が行ってきたカタログ、電話消毒器の頒布は、テルウエル東日本株式会社が行っている(乙第4号証))。
(2)上記カタログは、本件審判の請求の登録の日(平成13年7月11日)前3年以内である平成11年9月28日に、小林印刷から被請求人へ22,000枚が納品された(乙第3号証)。
(3)以上のように、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者及び通常使用権者というべき財団法人電気通信共済会(平成13年7月1日からは「テルウエル東日本株式会社」)によって請求に係る指定商品に含まれている「電話口消毒器具」について使用(商標法第2条第3項第7号でいう使用)されていた。
3.審尋に対する回答
(1)カタログの裏表紙中に掲載された商品に貼付されたラベルに記載の被請求人の電話番号が3桁であることについての回答
本件商標は、「電話□消毒器具」を指定商品とするものである一方、カタログの写真7、写真8の商品は「万能汚れ落とし剤」であって、主に巡回サービスマンが使用する業務用の製品で、消費者に販売する商品でないため、これに貼付するラベルについては電話番号などの仔細なデータについて更新した商品の写真に変更することなく、これらの剤の部分(頁)については元の版下を使用していた。
(2)乙第3号証に添付の請求書及び納品書に記載された電話番号が2桁であり、また、郵便番号が3桁であることについての回答
乙第3号証に添付の請求書の電話番号及び郵便番号が、変更以前のものである点については、前者は実質的に変更がなく、ただ記載形式の変更でしかないこと、また郵便番号は、3桁であっても配達可能であるとともに、この程度のことで新たに印刷するのは零細な業者にとっては、負担が大きくなるため、変更以前の電話番号、及び郵便番号のままで使用したまである。つまり、請求書は、その発行年月日(例えば平成11年9月)の当時においても、変更以前の電話番号、及び郵便番号の請求書を依然として使用していたことは明らかである。
4.むすび
以上のとおり、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品について使用されていたことは明らかであるから、本件商標の登録は、取り消されるべきものではない。
1.乙第2号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)カタログ(乙第2号証)は、その表紙に「総合カタログ」、「デンツー」、「電話消毒器」などの文字の記載があり、その内容は、各種電話消毒器が写真とともに紹介されている。また、同カタログの裏表紙には、「クリーンエース・シリーズ」として、つや出し剤、汚れ落とし剤などが掲載され、そのうちの液状の商品には、容器にラベルが貼付され、該ラベルには、被請求人の名称などが記載されているところ、「7」ないし「9」の番号が付された商品のラベルには、被請求人の名称のほか、住所、電話番号等が記載されている。そして、それらの電話番号は、市内局番の部分が「(634)」と3桁の数字で表示されている。
(2)乙第3号証は、市川市市川に所在の小林印刷の代表取締役である小林雄樹が被請求人の代表者に対してした証明書であるところ、その内容は、平成11年9月10日に被請求人より発注されたカタログ(乙第2号証)22,000枚を、同11年9月28日に被請求人の本社に納入したというものである。
また、同証明書には、小林印刷が被請求人に宛てた平成11年9月分の請求書2通(うち1通は、請求書の内訳)及び納品書が添付されているところ、請求書(内訳)及び納品書の「品名及び仕様」、「数量」の各欄には、「総合パンフ」、「22,000枚」の記載がある。さらに、請求書(2通)及び納品書の「有限会社小林印刷」の表示の下には、「〒272 市川市市川4−12−14/TEL(若しくは「電話」) 0473−72−2351」の記載がある。
(3)乙第4号証は、「テルウェル東日本株式会社」が、本件商標の使用権者であるとする「財団法人電気通信共済会」の業務を引き継ぎ、平成13年7月1日よりカタログ及び「電話消毒器」の頒布を取り扱っていることを証明したものである。
2.甲第1号証ないし甲第3号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)東京03地域の市内局番が1991年(平成3年)1月1日より、3桁から4桁に切り替わったこと。
(2)郵便番号が平成10年2月より、5桁から7桁に変更されたこと。
(3)千葉県市川市0473地域の市内局番が平成9年1月1日より、2桁から3桁に切り替わったこと。
3.(1)前記1.及び2.で認定した事実を総合すると、被請求人は、平成11年9月10日に小林印刷に対し、カタログ(乙第2号証)22,000枚の印刷を発注し、小林印刷は、同11年9月28日に上記カタログを被請求人の本社に納入したことが一応認められる。
しかしながら、カタログの裏表紙に掲載された汚れ落とし剤等の商品に貼付されたラベルに記載された被請求人の電話番号は、前記認定のとおり、市内局番の部分が3桁で表示されており、東京03地域の市内局番が3桁から4桁に変更されたのは、平成3年1月1日であるところからすると、平成11年9月10日に印刷の依頼を受けたカタログに、わざわざ平成3年以前の古い電話番号が記載された商品を掲載すること自体、奇異の念を抱かざるを得ない。
さらに、乙第3号証に添付の請求書(2通)及び納品書に表示されている小林印刷の郵便番号及び電話番号は、前記認定のとおりであるところ、郵便番号が3桁から7桁に変更されたのが平成10年2月であり(甲第2号証)、市川市の市内局番が2桁から3桁に変更されたのは、同9年1月1日である(甲第3号証)ところからすると、電話番号だけをとってみても、電話番号が変更された日からおよそ2年9ヶ月も経過した時点の請求書等を使用していたことになり、この点からしても、上記取引書類は、通常の商取引からみると極めて不自然といわなければならない。
そうすると、被請求人が、本件請求に係る指定商品に含まれている「電話口消毒器具」について、商標法第2条第3項第7号でいう使用に該当するとの主張の基礎資料となるカタログの作成年月日において、平成11年9月であるとの事実は、疑わしいものといわざるを得ない。
4.前記3.に関して、審判長は、被請求人に対し、平成15年3月25日付けの審尋書をもって釈明を求め、合わせて使用に係る「電話口消毒器具」について、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標が使用されたことが認められる取引書類の提出を求めたところ、被請求人は、前記第3 3.のとおり述べるのみであって、「電話口消毒器具」が本件審判の請求の登録前3年以内に具体的に取引があったと認めるに足りる証拠は何ら提出していないものである。
5.以上によれば、本件商標の使用を証明する証拠として提出された乙第2号証及び乙第3号証は、前記したとおり、これのみをもってしては、本件商標が、被請求人及びその使用権者により本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について使用されていたものと推認することは極めて困難であるといわざるを得ないし、また、乙第4号証に記載された事実を証明する証拠は見当たらない。そして、被請求人は、他に本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより、請求に係る指定商品のいずれかについて使用されたという事実を客観的に認められる証拠を提出していない以上、上記使用の事実は、被請求人が証明したということはできない。
また、被請求人は、指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中「電話口消毒器具,その他本類に属する商品(電子応用機械器具及びその部品を除く)」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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