Trademark Appeal Case
「クラスター水」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−13825(T2001−13825/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「CLUSTER WATER」の欧文字と「クラスターウォーター」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成11年7月19日に登録出願された商標法第10条第1項に基づく平成11年商標登録願第64896号の分割出願として、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),肥料,写真材料(いずれも液状のものに限る。)」を指定商品とし、同13年2月8日に登録出願されたものである。
2.原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『CLUSTER WATER』『クラスターウォーター』の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、吸収や浸透が良いとされる『クラスターを小さくした水』の意味合いを表すものとして理解されている『クラスター水』を表すものと容易に認識するものであり、化学品、およびその他、液状肥料、化粧品等の原材料として使用されているから、これを指定商品に使用しても『クラスター化された水を含有する商品、または、クラスター化された水を原材料にした商品』であることを認識するにとどまり、商品の品質・原材料を表したものとして把握されるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
本願商標は、「CLUSTER WATER」の欧文字と「クラスターウォーター」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、前半の「CLUSTER」の欧文字部分は、「物の集団」を意味する英語であり、後半の「WATER」の欧文字部分は「水」を意味する日常親しまれた英語であるから、全体として「集団の(クラスター)水」の意味合いを認識するものというのが相当である。
ところで、水の分子集団(クラスター)が小さくなるほど活性力が高まり、植物の細胞が水や肥料を吸収しやすくする作用があるといわれており、そのことは例えば以下のような株式会社ジー・サーチの提供に係るG−Search新聞情報データベース及びインターネットによるホームページの情報等により是認できるところである。
(1)アクアウエストは南九州の火山灰(シラス)を原料に高温処理したセラミックス「ひむかイオン焼石(しょうせき)」を発売した。この石を水に10日間つけておくと、水の分子のクラスターが小さくなり、イオン水になる。このイオン水を農作物などに与えると肥料の吸収力を高め、発育が良くなるという。(アクアウエスト、火山灰原料のセラミックスを発売 平成11年8月31日 日刊工業新聞 27頁)
(2)減農薬のための資材やシステム・・・水の活性化・・・オキシデータ・・・ドイツ生まれのシステムで、水槽に溜めた水に酸素をマイナスイオン状態で溶かし込み、土壌の酸欠を防ぐと共に作物に吸われやすいクラスターの小さい水を作ります。イオンパワー(電解イオン装置)・・・クラスターを小さくし、肥料の吸収力を高めて根や葉に活力を与える他、病原菌に対して抗菌作用が期待できます。
(http://www.page.sannet.ne.jp/itigo35/hiryou.html)
(3)磁化水でトマトを育てる!・・・トマトの90%程度は水で出来ているということからも、水にこだわりました!水のクラスターを変化させて植物体への吸収を良くすることが出来る(らしい)と考えられています。
(http://www2u.biglobe.ne.jp/~spzz/fb/htmls/15tomato.html)
(4)クラスターとは、水分子の塊。水は単分子では存在せず、水素結合によって複数の分子が集合して、一単位を形成しているという理論だ。これまで見てきた農法でも、このクラスターを分解してさらに小さなクラスターや単分子とし、水の活性機能を高めるという説明が中心を占める。水分子の塊が小さければ、植物の細胞が水や養分を吸収しやすくなる、というわけだ。
(http://mira.internet.ne.jp/jikusen/denshisui.html)
上記のよう肥料にクラスター水が用いられている実情からすれば、本願商標を、その指定商品中、「水、液状の肥料」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が「水の分子集団(クラスター)が通常の水とくらべて小さい水、水の分子集団が通常の水とくらべて小さい水を原材料にした液状の肥料」であると認識し、商品の品質、原材料を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。
そうすると、本願商標は、前記商品の品質、原材料を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
また、本願商標を前記商品以外の「水、肥料」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、請求人の、甲第54号証における登録例は、その判断時点が相違するものであり、その他の甲第55号証ないし同第84号証における登録例は、いずれも本件と事案を異にするものであるから、前記認定を左右するものではない。
よって、結論のとおり審決する。
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