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Trademark Appeal Case

不使用取消と商品区分

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31551(T2000−31551/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2403093号商標の「電気通信機械器具,電子応用機械器具,及びこれらに類似する商品」についての登録を、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2403093号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和63年1月7日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証(枝番を含む。)を提出した。

1 本件商標は、その指定商品中「電気通信機械器具、電子応用機械器具、及びこれらに類似する商品」について、本件審判の請求の登録前継続して3年以上、日本国内において、被請求人(商標権者)は本件商標を使用していた事実がない。かつ、本件商標に関して専用使用権者が存在しないことも明白である。更に、通常使用権者も存在しないものと思われる。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る商品についての登録は、取り消されるべきものである。

2 使用商品について

被請求人が本件商標を使用していると主張する商品「電子制御機構付きの大型ヘアードライヤー(壁面据付式)」(以下「使用商品」という。)は、旧第11類の「電子応用機械器具」の範疇に属する商品ではなく、旧第9類に属する商品「業務用ヘアードライヤー」であるから、乙第1号証ないし乙第3号証を以って示す証拠は、いずれも本件商標を取消請求に係る商品について使用している証明にはならない。

先ず、社団法人発明協会発行(昭和61年3月28日発行 改訂第6版)の「類似商品審査基準」によると、「電子応用機械器具」に属する商品として「電子制御機構付きの大型ヘアードライヤー(壁面据付式)」又はこれに近い商品は例示されていない。

また、社団法人発明協会発行(昭和55年4月7日発行 改訂版)「商品区分解説」によれば、「電子応用機械器具」は「電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素になっているものだけが含まれる」とされている。

被請求人提出に係る乙第1号証の英文総合カタログ及び乙第2号証のプライスリストによると、本件商標が、大型ヘアードライヤー(壁面据付式)に使用されている事実は確認し得るものの、このドライヤーが「温度調節機能制御部分に電子式コントロール機構を組み入れたヘアードライヤー」であることはカタログの記載からは確認することは出来ない。

仮に、この商品が、「温度調節機能制御部分に電子式コントロール機構を組み入れた、壁面設置式のヘアードライヤー」であり、電子制御機構によって温度等の制御が図られ、安全性に格段の配慮がなされているものであるとしても、これによって、使用商品が「電子応用機械器具」の範疇に属する商品であるとするのは誤りである。この商品の主たる用途・目的は温風を吹き出すことによって頭髪を乾燥させるという部分にあり、こうした乾燥機能を本質的な要素とするものであるから、電子的に温度調節等の制御が行なわれるとしても、それは使用商品の付随的な機能に過ぎないものであって本質的な要素とは言えない。

使用商品は、例えば、スポーツクラブやホテルの客室等に設置される「業務用のヘアードライヤー」と理解されるものであるから(甲第3号証)、旧第9類の「その他の機械器具で他の類に属しないもの」の範疇に属する商品である。

今日、電子制御機能又はコンピュータ制御機能を備え、それによって駆動する商品は、いずれも電子的な制御機能を備えた商品であるが「電子応用機械器具」の概念に包含される商品とはされていない(甲第4号証の1ないし甲第4号証の6)。

同様に、使用商品も「電子応用機械器具」に属する商品ではなく、旧第9類の「業務用ヘアードライヤー」とみるのが妥当である。

したがって、被請求人の提出した商品カタログ及びプライスリストは、本件審判請求の取消請求に係る商品についての使用を立証する証拠とはなり得ないものである。

3 日本国内における使用について

被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第3号証は、本件商標が日本で実際に使用されている事実を示す証拠にはならない。

乙第1号証の総合カタログは、被請求人の配布する英文カタログの抜粋コピーであるから、本件商標の日本での使用事実を客観的に証するものとは言えない。

また、乙第2号証は被請求人の製品の単なる輸出用の価格表に過ぎないから、本件商品が実際に日本に輸入された事実を示す証拠にはなり得ないものである。

さらに、乙第3号証の1及び乙第3号証の2は、被請求人であるワールドドライヤーコーポレーションからエタニ産業株式会社(Etani Sangyo Co.,Ltd.以下「エタニ産業」という。)の米国法人と推察されるエタニインターナショナル(甲第3号証)に宛てたインボイスであって、本件商品が、東京都目黒区柿の木坂1−5−1に所在するエタニ産業に販売された事実を証明することは出来ない。

インボイスに「JAPAN」の記載はあるが、この記載のみをもってしては、本件商品が日本に輸入された事実を客観的に裏付ける証拠としては不十分である。

4 以上のとおり、被請求人が提出した証拠をもってしては、本件商標が取消請求に係る商品について本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で使用されているとは認められない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出した。

1 被請求人は、我が国での販売代理店であり、通常使用権者であるエタニ産業(東京都目黒区柿の木坂1−5−1)を通じて、本件商標を付した「電子制御機構付きの大型ヘアードライヤー(壁面据付式)」を販売している。この商品は「電子応用機械器具」の範疇に包含されるので、請求人の主張には理由がない。

2 被請求人は、本件商標を使用した「温度調節機能制御部分に電子式コントロール機構を組み入れた、壁面設置式のヘアードライヤー」をエ夕二産業を通じて我が国に宣伝・販売している。被請求人が作成し現在配布している英文カタログ(部分・写)を乙第1号証(WORLD DRYER 英文総合カタログ:2000年度版)として、また被請求人の輸出用のプライスリストを提出する。

このカタログ第8頁には、大型ヘアードライアー(壁据付方式)の写真及び仕様が示されている。この写真中に本件商標と全く同一の商標が使用される状況が明示されている。尚、このヘアードライアーは壁据付方式で、手元で風量・温度等をコントロールする方式でない分、電子制御機構によって温度等の制御が図られ、安全性に格段の配慮がなされているものである。

乙第2号証は、被請求人の作成する「Export Price List」である。

更に、エタニ産業に関係するインボイス(写)を乙第3号証の1及び乙第3号証の2として提出する。これらは2000年10月31日及び2001年1月26日の日付に係るもので、それぞれB8−974Jという型式の「Airstyleヘアードライヤー」をエタニ産業に販売した事実を証するものである。乙第2号証のプライスリストにも示されるように、「Airstyle」には「Bシリーズ」と表わされるモデルのものが有り、特に「B8−974J」は日本の電圧・電流下で使用できるように配慮されたモデルの商品である。

3 以上のとおり、本件商標は、被請求人の我が国の代理店(通常使用権者)であるエタニ産業によって、過去3年の間、特に2000年・2001年に使用されていた事実が明らかである。本件商標と実際に使用されていた商標は、同一の商標と認められるべきものである。次に、当該商標が実際に使用された商品「温度調節機能制御部分に電子式コントロール機構を組み入れた、壁面設置式のヘアードライヤー」は、機械としての機能・性格から判断すると、「電子応用機械器具」の概念に包含されるものである。

4 よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当せず、その登録を取り消されるべきでない。

第4 当審の判断

被請求人の提出に係る、英文総合カタログ(乙第1号証)及びプライスリスト(乙第2号証)に徴すれば、被請求人は、本件商標を「電子制御機構付きの大型ヘアードライヤー(壁面据付式)」(以下「使用商品」という。)に使用していることは認め得るものである。

そこで、被請求人の使用商品について見ると、使用商品は、「温度調節機能制御部分に電子式コントロール機構を組み入れたヘアードライヤー」と認められるものであり、電子制御機構によって温度等の制御が図られ、安全性に格段の配慮がなされているものであるとしても、この商品の主たる用途・目的は温風を吹き出すことによって頭髪を乾燥させるヘアードライヤーであり、頭髪を乾燥させるという乾燥機能を本質的な要素とするものであるから、電子的に温度調節等の制御が行なわれるとしても、その機能は該商品の付随的な機能に過ぎないものであって本質的な要素とはいえないものである。

してみれば、使用商品は、その機能、用途等よりすれば、電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素になっているものだけが含まれる、「電子応用機械器具」に属する商品とは認められないものである。

そして、使用商品は、その機能、用途等よりすれば、旧第9類の「商業またはサービス業用機械器具」に属する「業務用ヘアードライヤー」若しくは旧第11類「民生用電気機械器具」に属する商品と見るのが妥当であり、明らかに「電気通信機械器具」に属する商品ではないものである。

そうとすれば、使用商標は、被請求人であるワールド ドライヤー コーポレーションからエタニ産業(Etani Sangyo Co.,Ltd.)の米国法人エタニインターナショナルに宛てたインボイス(甲第3号証)よって、日本国内においての使用が認められるか否かを判断するまでもなく、被請求人(商標権者)は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品「電気通信機械器具、電子応用機械器具、及びこれらに類似する商品」について、使用していたものということはできない。

したがって、本件商標はその指定商品中「電気通信機械器具、電子応用機械器具、及びこれらに類似する商品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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