結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30141(T2002−30141/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2314482号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和63年5月25日登録出願、第1類「液剤、注射液、内服液」を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録されたものであるところ、その後、該登録に係る権利は、商標権の指定商品について、書換登録の申請があった結果、第5類「液剤,注射液,内服液」とする書換登録が同14年3月6日になされたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証(枝番を含む。)を提出した。
請求人が調査したところ、本件商標は、被請求人(商標権者)によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品について使用されている形跡を見出せない。
また、商標登録原簿(甲第1号証)をみても、本件商標権についての使用権者がいるものとは認められず、その他使用権者による使用事実も見出せない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
(1)パンフレットについて
該パンフレットは、「エスエスピー」「SSP液」「SELF SMEAR PIPET」の各文字が上下三段に書されている。
しかしながら、該パンフレットには、その印刷日、印刷枚数、印刷所等が全く不明であるばかりか、その印刷を裏付ける発注書及び納入書等は何ら提出されていない。
したがって、該パンフレットに記載されている商品が審判請求の登録前3年以内に現実に製造され販売されていることの証左にならない。
(2)資料マル1について
資料マル1は、東邦薬品株式会社宛の「SSP液」商品の納品に対する「請求書控え」であるが、かかる「請求書」は、その内容を裏付ける商品の「注文」及び「納品」、「検収」等の書類との対応、対照によってその事実関係が客観的に把握されるものである。
そもそも、代金の請求及び請求書の発行は、その前提として当該商品の「注文」及び「納品」、「検収」等の各手続き及びこれに相応する各書面作成の一環としてなされるものであるから、これらの手続き、書面との整合性を確認することなく、請求書のみで取引の事実関係が確認され、立証されるものでないことは、社会一般の常識である。
しかして、それらの書面における内容の整合性を見出せない場合には、該商品に関する取引行為自体が客観的に存在しないため証拠力を具有しないものと解される。
したがって、本件審判事件においても、前記商品に対する取引事実の有無の認定において、資料マル1の請求書中に、請求年月日(1999年12月17日)及び数量(15梱)等の記載がたとえ、あったとしても、これを裏づける「注文書」、「納品書」における記載内容の一致をあわせて確認できなければ、該請求書のみならず、これを根拠として提出されている「証明書」もまた、同様にその裏付けを欠き、証拠能力を具有しない書証にすぎないものである。
(3)資料マル2ついて
資料マル2は、「SSP液」の荷姿及び内容物とされている。
これについては、商品の「荷姿」という以上は、梱包された商品の外形が看取されるものであると理解されるところ(甲第6号証の1)、上段の写真には、テーブル上に本件商標「SSP液」の文字が側面に印刷された段ボール箱とおぼしき包装容器と「SSP液」のラベルが貼付された不透明容器数本がおかれているにとどまり、該段ボール箱に収納された状態をあらわしたものではなく、いわば、サンプル程度に残存する商品をあたかも、箱いっぱいに収納するがごとく並べたにすぎないものである。また、下段の写真もサンプル品を数本並べただけのものであるから、これらの写真により現実の取引関係が具体的に想起されるものとはいい難いので、これらを「荷姿」及びその「内容物」と称するには至らない。
(4)証明書について
この証明書は、予め資料マル1ないし資料マル3に連動すべく作成された定型文に提携先である小山昇氏が署名捺印したものである。
この書証における証明事項は、資料マル1ないし資料マル3に連動している。
しかしながら、証明事項は、予め作成された定型文に質問事項が記載されたものであって、これに記入捺印がなされたにすぎず、このような証明方法は証拠力に乏しいものと解されるところ、第三者の権利に重大な影響を及ぼす証言がなされており、その内容については充分な検討がなされるべきものである(甲第4号証の1ないし甲第4号証の4、甲第5号証の1、甲第7号証の1及び甲第7号証の2)。
すなわち、証明者は、1999年12月17日にどのような立場において商品の納入に立合われたのか、ちなみに、資料マル1(請求書控の上段)の「担当者」の欄には「小山氏」の人名も捺印もおされていないなどから、同氏が該文書の記載事項をいつ知ったのか不明である。
(5)本件商標は、請求人の調査によれば、既にその使用を停止していることは明らかなものである(甲第8号証の1ないし甲第9号証の1)。
したがって、被請求人は、1999年12月17日に商品「SSP液」が販売したという事実がなかったものと認識せざるを得ない。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、パンフレツト及び証明書(資料マル1ないし資料マル3)を提出した。
被請求人の提出した、パンフレットは、その左上部に、本件商標と社会通念上同一のものと認め得る「SSP液」の文字と「エスエスピー」の文字よりなる商標が表示され、その右上部に「医薬品製造承認番号(43AM)第1061号」と「医薬品製造業許可番号(愛)第298号」の文字とが上下二段に併記されている。そして、該パンフレットに記載された「成分及び分量」、「用法及び容量」、「本器の使用法」、「使用方法の実際」及び「効能又は効果」をみると、被請求人の使用する商品は、指定商品「液剤」に属する「子宮がん診断用の液剤」と認められるものである。
さらに、証明書(東邦薬品株式会社:仕入業務部仕入チーム課長 小山 昇氏の証明)及びその請求書控(資料マル1)によれば、被請求人は、前記した「子宮がん診断用の液剤」を東邦薬品株式会社に1999年12月17日付けで販売した事実が認められる。
また、資料マル2の写真は、「SSP液」の文字をダンボール箱に表示し、梱包される状態とその内容物を証明したものと理解されるものであり、これらの写真により、資料マル1の商品の取引関係が具体的に存在していたとしてみても差し支えないものである。
上記の事実よりすれば、被請求人(商標権者)は、本件商標を審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標を本件商標の指定商品中、「子宮がん診断用の液剤」について、使用していたものというべきである。
請求人は、被請求人の提出した証拠について、パンフレットには、その印刷日、印刷枚数、印刷所等が不明であること、請求書のみでは、その取引の事実関係を客観的に特定し難いこと、資料マル2の写真は、現実の取引関係が具体的に想起されるものとはいい難いこと、証明書は、予め作成された定型文に質問事項が記載されたものであって、このような証明方法は証拠力に乏しいこと、等述べているが、商標の使用の事実の判断については、必ずしも、請求書に関連する注文書、納品書等の取引書類等の提出がないとしても、各証拠を総合して検討することはいうまでもなく、前記のとおり、判断するものである。また、本件商標は、現在使用されていないことを述べているが、仮に、そうであったとしても、本件商標が現在使用されていないことをもって、前記の事実を覆すことはできない。
さらに、請求人は、証人尋問申出書を提出しているが、被請求人の提出したパンフレット、証明書、資料マル1及び資料マル2によって、前記したとおり、本件審判事件の判断は十分に成し得るものであるから、証人尋問をする必要はないものとする。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、請求に係る商品について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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