結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30615(T2002−30615/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3370788号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年1月10日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、同10年11月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)請求の趣旨
請求人は、「本件商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(2)請求の理由
本件商標は、過去3年間、使用された事実が認められず、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録は取り消されるべきものである。
(3)答弁に対する弁駁
乙第1号証のメニュー右上に本件商標と同一商標が記載されているが、全体のデザインの構成からみると、極めて不自然であり、ブロック状の背景図柄の上に後から本件商標を載せて製作した可能性がある。いずれにせよ、乙第1号証のメニューは、その製作日、使用日が全く分からず、本件商標の使用とはいえない。
乙第2号証及び同第3号証の看板については、黄色い看板のほぼ中央に、流麗なローマ字で「KOBE Nodle」の文字が記載され、右端に本件商標が描かれているが、釣り合いを欠き、本件商標部分を後で加えた可能性がある。
また、被請求人は、同看板の製作を証明するものとして、乙第4号証の見積書と乙第5号証の請求書を提出しているが、両者は市販の書類を使用したにすぎず、アート企画のスタンプが押されているが、代表者や担当者の印鑑がなく証拠としての成立性の乏しいものである。しかも、乙第4号証の見積書と、乙第5号証の請求書には何らかの看板の製作と取付の記載があるが、どのような看板を製作・取付したか全くわからない。
したがって、乙第2号証及び同第3号証の看板も何時製作され、何時頃から使用されたかが不明瞭で、適法な使用証明とはいえない。
よって、本件商標は不使用により取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出した。
被請求人は、主に、ラーメンや餃子等の中華料理を提供する店舗を「神戸ら一めん第一旭」なる屋号で経営し、フランチャイズ展開しており、本件審判請求の予告登録前3年以内に、本件商標をその指定役務「飲食物の提供」について使用している。
乙第1号証は、「神戸ら一めん第一旭」なる屋号の店舗において、飲食物の提供という役務のために共通して使用されているメニューである。上記店舗では「神戸っ子丼」なる名前の飲食物が提供されており、「神戸っ子丼」の提供という役務に供するために、本件商標がメニューの右側上部に付されている。
乙第2号証は、屋号「神戸ら一めん第一旭」を使用する上記店舗(三宮本店、神戸市中央区旭通5ー15ー2所在)の写真である。店舗の正面入口の向かって右手上方に黄色地の看板が掛けられていて、この看板の向かって右側に本件商標が付されている。本件商標が付された部分の拡大写真を乙第3号証として提出する。
乙第4号証は、アート企画から被請求人に対して発行された看板の製作及び取付工事に係る平成13年9月付見積書である。三宮本店に対する平型看板の製作及び取付工事に係る費用を総額183,750円と、同看板の受渡期日を平成13年9月21日と、それぞれ見積もったものである。
乙第5号証は、アート企画から被請求人に対して発行された看板の製作及び取付工事に係る平成13年9月末日付請求書である。
この乙第4号証の看板と乙第5号証の看板は、取付場所(三宮本店)、製作及び取付工事に係る費用、形状(平型)において共通しており、乙第4号証に付された上記受渡期日と乙第5号証の請求書発行日も互いに近接している。それ故、乙第4号証の看板と乙第5号証の看板が同一のものであることは明らかであり、平成13年9月21日から同年同月末日までの間に、製作及び店舗への取付が行われたといえる。そして、乙第4号証及び乙第5号証の看板が取り付けられた店舗(三宮本店)は、被請求人がフランチャイズ展開している「神戸ら一めん第一旭」なる屋号の店舗の1つである。
したがって、乙第4号証及び乙第5号証の(平型)看板と乙第2号証及び乙第3号証の店舗に掛けられている本件商標が付された看板が同一のものであることは明らかである。
以上より、本件商標は、その指定役務について、本件審判請求の予告登録の日前3年以内に、商標権者により使用されていたものであるから、本件商標の登録は取り消されるべきものではない。
被請求人が提出した乙各号証をみるに、乙第1号証は、「神戸ら一めん第一旭」なる屋号名のもとに各種飲食物が記載されているメニューであり、その右側上部に本件商標が表示されている。乙第2号証は、店舗の写真であり、店舗の正面入口の向かって右手上方に掛けられている黄色地の平型看板の右端部分に本件商標が表示されている。乙第4号証は、アート企画から被請求人に対して発行された平型看板の製作及び取付工事に係る平成13年9月付の見積書であり、三宮本店に対する平型看板の製作及び取付工事に係る費用と同看板の受渡期日が見積もられており、看板の受渡期日は平成13年9月21日と表示されている。乙第5号証は、アート企画から被請求人に対して発行された看板の製作及び取付工事に係る平成13年9月末日付の請求書である。
これらの証拠について、請求人は、乙第1号証のメニューは全体のデザインの構成からみると、極めて不自然であり、後から本件商標を載せて製作した可能性があるうえ、その製作日、使用日が全く分からず、本件商標の使用とはいえない旨主張している。
しかしながら、該メニューには、上段に大きく、被請求人の屋号と認められる「神戸ら一めん/第一旭」の店名が表示され、下欄に各種飲食物が表示されているところ、「神戸っ子丼」及び「お持帰神戸っ子丼」以外の飲食物の表示は、全て該店舗において提供されている飲食物の普通名称と認められるものであるのに対して、「神戸っ子丼」の表示のみが飲食物の普通名称ではなく、別異な位置付けにあるものということができる。そうとすれば、「神戸っ子丼」は、被請求人店舗における一つの目玉商品ともいうべき特色のある商品とみることができるものであるから、「神戸っ子丼」に注目させるべく、「神戸っ子丼」の文字を顕著に表してなる本件商標をメニューの右肩に表示していることに不自然さは認められない。そして、このことは、店舗の看板に本件商標を表示していることについても同様に解されるものである。
また、乙第1号証のメニューには、メニューの製作日等の日付がないことは請求人の主張のとおりである。しかしながら、メニューに掲げられている飲食物のうち、例えば、冷麺には夏期のみと括弧書きされているように、該メニューは夏冬関係なく用いられていることが推測されるところであり、他の飲食物に照らしてみても、この種のメニューを頻繁に更新しなければならない格別の理由も見当たらないから、該メニューの製作日は定かではないとしても、該メニューを本件審判の請求登録前3年以内の期間内においても継続して使用していた旨の被請求人の主張は是認し得るものというべきである。
次に、請求人は、乙第2号証の店舗に掛けられている看板について、本件商標の表示は全体との釣り合いを欠き、後から加えた可能性があること、同看板の製作を証明するものとして提出された乙第4号証、乙第5号証も証拠としての成立性の乏しいものであり、どのような看板を製作・取付したのか不明であるから、結局、乙第2号証の看板の作製時期、使用時期も不明瞭で、適法な使用証明とはいえない旨主張している。
しかしながら、乙第2号証の店舗の写真によれば、平型看板の右端に表示されている本件商標の構成中の文字部分である「神戸っ子丼」及び「第一旭」の文字は、ゴシック体風に表されており、他の文字との関係をみれば、「KOBE Noodle」の文字のみが手書き風のローマ字で表されている外は、左側に一部見えている店名表示及び右側に見えている縦型の看板の表示も、いずれもゴシック体風に表示されているものであるから、本件商標中の文字の表示が他の文字との関係において格別釣り合いを欠いているものとはいえない。
また、アート企画が発行した乙第4号証の見積書及び乙第5号証の請求書については、確かに、厳格な書式に則った取引書類に比べれば、一部に簡略的ところが見られるにしても、積極的に疑念を抱かせる程の不自然なところは見当たらない。そして、この種の取引書類に、製作される看板の具体的な内容まで記載されるということは、通常、期待し難いところであるから、これら一連の取引書類、乙第2号証の店舗に掛けられている平型看板の写真及び被請求人の主張を総合してみれば、上記の平型看板は、看板取付の受渡期日とされている平成13年9月21日頃に、アート企画により、被請求人の三宮本店に取り付けられたものと推認するのが相当であり、これに反する証拠は提出されていない。
してみれば、以上の乙各号証により、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標が表示されている看板のある被請求人の三宮本店の店舗内において、本件商標が表示されている乙第1号証のメニューを使用して、飲食物の提供を行っていたものとみるのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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