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Trademark Appeal Case

商標の分離抽出の可否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35552(T2000−35552/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4231114号商標(以下「本件商標」という。)は、平成9年9月26日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成11年1月14日に設定登録されたものである。

2.請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する商標は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第25類「履物」を指定商品として、平成8年4月16日に登録出願され、平成9年9月26日に設定登録された登録第4060799号商標(以下「引用商標」という。)である。

3.請求人の主張

本件商標は、その指定商品中「履物」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

本件商標は、指定商品中「履物」について、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効にすべきものである。

(1)本件商標と引用商標を、比較すれば、引用商標は、上段に「?」が表示され、下段に「Question mark」なる文字と「*」記号が付加されている。

したがって、引用商標からは「クエスチョンマーク」の称呼を生じ、かつ、「クエスチョンマーク」「疑問」なる観念を生ずることは明らかである。

他方、本件商標は、図案化が僅かに施された「クエスチョンマーク」であり、外観はずばり「クエスチョンマーク」として認識され、「クエスチョンマーク」なる称呼・観念を生ずる。

そして、本件商標の指定商品中「履物」については、引用商標の指定商品と全く同一である。

以上のとおり、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念を共通にする、類似の商標であり、その指定商品中「履物」は、引用商標と同一である。

よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであり、同法第46条第1項により、その指定商品中「履物」についての登録は無効とされるべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

被請求人は、乙第2号証として、「異議の申立てについての決定」を提出している。この乙第2号証の別紙に於て、引用商標(2)〜引用商標(7)が、列挙されている。しかし、この引用商標(2)〜引用商標(7)は、全て、「GUESSプラス?」又は「逆三角形+?」である点である。即ち、本件無効審判事件の本件商標の「クエスチョンマーク」のみの標章は、全く挙げられていない。

この乙第2号証は、その文章から、次の2点が明らかに結論できる。

(イ)引用商標(2)〜引用商標(7)は、その構成中の「?」の部分のみが、分離抽出されて認識されることはない。

(ロ)引用商標(2)〜引用商標(7)が、仮に、需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、その構成中の「?」の部分のみが分離抽出されて広く認識されているのではない。

上述の如く、乙第2号証では、引用商標(2)〜引用商標(7)から、その構成中の「?」の部分を、分離抽出すべきでないと、判断されているにもかかわらず、被請求人は、答弁書に於て、支離滅裂な論理展開によって、逆の結論を、導き出さんとしている。

本件商標に関し、前述の乙第2号証では、「GUESS」や「逆三角形」から分離抽出して、認識すべきでないと、明白に判断されているにかかわらず、被請求人は、「逆三角形の枠の図形自体は識別力がないものと考えられる」と独善的に判断を下し、「?」の部分のみを分離抽出して、引用商標と類否判断しようとしている。

したがって、本件無効審判事件に於て、本件商標と引用商標とが、類似するとの判断は、乙第2号証とは、全く矛盾するものではない。

ここに、本件商標は商標法第46条の規定により、登録を無効とする、との、請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。

4.被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は、成り立たない、審判費用は、請求人の負担とする、との審決を求める。と要旨次のように答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

(1)被請求人は、請求人の登録商標第4340888号の第25類の指定商品に対して本件商標他に基づく異議申立て(異議2000−90258号)を行っている。それより先に、被請求人は引用商標に対しても、引用商標に先行する被請求人の商標に基づき、異議申立てを行っている(平成10年異議第90274号、乙第1号証)。該異議申立てに対する審決では以下のように判断された(乙第2号証)。

『引用登録商標(被請求人商標)は、その構成中の「?」部分のみが分離抽出されて認識されることがないものとみるのが相当であるから、本件商標と引用登録商標とは、その外観、称呼および観念のいずれからしても類似しない商標というべきである。

また、引用登録商標(被請求人商標)が申立人(請求人)の業務にかかる商品「被服、靴、バック」等の商標として需要者の間において広く認識されていたものであるとしても、本件商標(本件引用商標)と引用登録商標(被請求人商標)とは、上述のとおり、互いに紛れることのない別異の商標であり、本件商標から引用登録商標を想起するものとはいい難く、他に両者が取引上混同を生ずるとすべき格別の事情も見出し得ない。』

(2)本件商標は、引用商標より後に出願されたものであるので、前記異議申立てにおいては申立ての根拠にはなり得なかったものである。しかしながら、本件商標のクエスチョンマークの図形は、前記異議申立ての引用商標1、及び4ないし6と同一である。前記異議申立てでも述べているように、被請求人のクエスチョンマークから成る商標は、著名商標である「推測する」等の観念を生ずる「GUESS」又は「GUESS?」と観念を同じくするものであり、被請求人のブランド名を想起させるものである。

被請求人は、クエスチョンマークをコンセプトとする商標を「GUESS」の文字商標とともに引用商標の出願以前から使用してきているものであり、引用商標こそ被請求人商標により取り消されるべきものであった。

よって、請求人が引用商標を根拠に本件商標の無効を主張するのは、権利の濫用ともいうべきものである。

また、前記審決においては、引用商標が被請求人商標と類似しないと判断されたのであるから、本件審判において本件商標が引用商標と類似すると判断することは審理に矛盾を生ずるものである。

以上述べたとおり、本件商標を引用商標と類似すると判断することは妥当ではなく、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものではない。

5.当審の判断

本件商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、その構成は、我が国においても一般に親しまれ使用されているクエスチョンマーク(疑問符)を変形図案化したものであると想起させることは否定し得ないが、通常疑問符として使用されるクエスチョンマークは下半部分を黒丸で描くのに対し、本件商標の構成は、この部分を比較的大きな黒塗りの三角形に置き換えて構成された特殊な態様よりなるものであり、全体としてみるときは特異な図形との印象を与えるものである。

してみれば、本件商標は、創作的な特異な図形として認識されるといえるものであるから、これより「クエスチョンマーク」(疑問符)の称呼、観念を生ずるものではないと判断するのが相当である。

そうとすると、引用商標は、別掲に示すとおりクエスチョンマーク(疑問符)と「Question mark」の欧文字よりなるから、「クエスチョンマーク」(疑問符)の称呼、観念を生ずるものと認められるが、本件商標とは、称呼及び観念において類似する商標とは認められない。

また、本件商標と引用商標の構成は、前記のとおりであるから、外観上、十分に区別できる差異を有するものと認められる。

してみれば、本件商標は、引用商標とは外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、指定商品中「履物」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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