結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−31498(T2000−31498/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2131593号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和61年9月1日に登録出願、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第23類「眼鏡、その他本類に属する商品」を指定商品とし、平成1年4月28日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「眼鏡」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、請求書及び弁駁書にそれぞれ添付した甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「眼鏡」についての登録を取消されるべきである。
該第4葉、第5葉及び第8葉の写真によれば、眼鏡及び置き時計の側にタッグを置いてあり、該タッグに本件商標が付されているのが窺えるが、この種商品のタッグ(プライスタッグ)としては、商品の大きさに比して、異常な大きさであるばかりでなく、該タッグが商品に固着されておらず、ただ、撮影のために傍らに置いてあるというにすぎず、また、該タッグは、その付けられた糸が、凧糸のような太くて丈夫そうな糸であることより、婦人服の大きめな商品である、コートやオーバーコート等に付着するためのタッグであるように思われる。
してみれば、大阪市の婦人服かわい店の店頭に、「FACE A FACE」のコーナーがあるのを奇貨として、その一隅に商品眼鏡と時計とを置き、そこに、本件商標を付したタッグを添えて写真を撮影したものと容易に推認し得るものであって、恰も不使用による商標の取消審判を受けることを想定して、本件審判事件の被請求人の代理人が撮影者となって、証拠方法が準備されていたものとも思われる。
また、商品取引の一般においては、必ず、生産者(メーカー)、取引者(卸売業者、問屋、小売業者)及び需要者(顧客)等の間における、見積書、納品書、請求書又は領収書等の取引書類が存在するものであり、一般には、これらの書類によって、商品の取引に関する商標の使用時期等が特定されるものである。
さらに、請求人が調査したところによれば、乙各号証の写真の確定日付平成12年3月3日以後に、被請求人は、平成12年6月14日付けの「第42回定時株主総会招集ご通知」(甲第1号証)を発送していたが、その記事中の取り扱い品目中には「眼鏡」の記載がないのみならず、平成12年7月発行の「EYE:Vol.13」(甲第2号証)においても取り扱い品目として「眼鏡」の記載がされていない。
かかる状況のもとで、不使用の登録商標を管理維持する目的で、被請求人の依頼を受けた作成者がその撮影した写真に宣誓して確定日付の認証を受けたとしても、写真の本来的な性質から商標の不使用による取消審判において、商標の使用を立証する証書とはなり得ないものである。
以上の事実から類推すれば、提出された乙1号証は、被請求人が本件商標を「眼鏡」に使用していなかったという事実を公証人の面前で宣誓してその写真に確定日付の認証を得たものに過ぎない、との反対解釈が成立する。
してみれば、被請求人の提出に係る、乙第1号証(写真9葉)のみをもってしては、本件商標をその指定商品中の商品「眼鏡」について、実際に使用をしているものとは認め難い。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが商品「眼鏡」について、使用していないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証(写真による証拠物件の存在証明書)及び乙第2号証を提出した。
(1)乙第1号証は、大阪市北区曽根崎2−5−5 ホワイテイ.ウメダ.ファンシーロビー BI婦人服かわい店の店頭で平成12年3月2日に撮影した写真について、平成12年3月3日付け公証人川口清高役場の確定日付けのある「写真による証拠物件の存在証明書」である。
婦人服かわい店では、ファッション関連商品のコレクションとして、本件商標「FACE A FACE」のコーナーを設け、本件審判の被請求人(商標権者)の販売に係る婦人用洋服、かばん、靴、眼鏡、時計等を陳列し販売していた。同コーナーには、陳列商品の統一商標としてコーナーの上部に「FACE A FACE」と商標を表示するのみならず、そこに陳列されている眼鏡についても、本件商標を表示した札を添えて展示し、販売していた。
(2)本件商標は、「FACE A FACE」(「A」の文字には、アクサン記号が付されている。)の欧文字を上段に、「ファス ア ファス」の片仮名文字を小さく下段に記してなるものである。
本件商標中の「ファス ア ファス」の片仮名文字は、上段の欧文字の発音を振仮名として表示したものであるから、本件商標の主要部は「FACE A FACE」の欧文字にあり、取引者・需要者は、本件商標を「FACE A FACE」の欧文字をもって認識する。乙第1号証で示されている写真には、「FACE A FACE」の欧文字のみが表示されているが、この表示に係る商標は、本件商標と実質上同一性があるから、本件商標を使用するものである。
(3)本件商標の使用時期については、「写真による証拠物件の存在証明書」(乙第1号証)が、平成12年3月2日に撮影した写真について、平成12年3月3日の確定日付けの公証人川口清高役場の捺印がされているところから、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていたことは明らかである。
本件商標についても、その例外ではなく、商標「FACE A FACE」と大きく上部に表示したコーナーを設け、婦人服を中心としたトータルファッション商品をコレクションとして展示し、販売しているものであり、そこに眼鏡が含まれているのは、極めて普通の状態である。すなわち、眼鏡が、商標「FACE A FACE」を大きく上部に表示したトータルファッション商品の中に置かれて展示されているということは、その眼鏡が「FACE A FACE」を自他商品の識別標識として取引の場に置かれていたことに他ならないから、この事実をもって、本件商標が眼鏡について使用されていたとするに充分である。
眼鏡の側のタッグについては、トータルファッションの商品の一環としてそのコーナーに展示されている眼鏡の傍らに、トータルファッションの商標を表示したタッグが置かれているのであって、このことは、上方に表示された商標「FACE A FACE」に加えて、眼鏡とタッグに表示されている商標の関連をより一層明確にすることはあっても、タッグが大きいことをもって眼鏡についての商標の使用を否定することにはなり得ない。
商標を使用した場合に、その使用状態、殊にファッション商品にあっては、その流通過程中、店頭における商品への使用状態を写真によって具体的に把握することは、商標管理の一環として極めて重要である。被請求人は、本件商標についてこれを行っているに過ぎず、殊更に、不使用による商標の取消審判を受けることを想定して行ったものではない。
また、商品によって取引状況が異なるところから、商品についての商標の使用を証明するためには、流通過程における商品の状況に対応して的確に把握できる方法がとられて然るべきである。ファッション関連商品では、一般的には生産財商品と異なり、小売り店の店頭に陳列され、需要者が直接目で見て、自己の趣味感と合致していることを確かめて購入するもので、伝票等の書類は小売り店に至る過程で発行されるものである。したがって、眼鏡を含むファッション関連商品についての商標の出所表示・品質保証の機能を如実に発揮する場は、小売店の店頭に商品が展示されているときである。本件については、眼鏡が小売店の店頭に陳列されている状況が写真によって示されているから、見積書等の書類は必要ない。
被請求人の提出に係る、写真による証拠物件の存在証明書(乙第1号証)及び被請求人の主張によれば、被請求人(商標権者)は、大阪市北区曽根崎2−5−5 ホワイテイ.ウメダ.ファンシーロビー BI婦人服かわい店の店頭で、ファッション関連商品のコレクションとして、コーナーを設け、婦人服、かばん、靴、眼鏡、時計等を陳列し販売し、そのコーナーの上部に「FACE A FACE」(「A」の文字には、アクサン‐テギュが付されている。以下同じ。)の文字を表示していることが認められる。また、そこに陳列されている眼鏡については、「FACE A FACE」の文字を表示したタッグを添えて展示し、販売している事実も認められる。そして、トータルファッションのブランド商品は、これらを集めて展示、販売し、そのコーナーに展示されている商品の傍らに、商標、価格、商品記号等を表示したタッグを置いて展示、販売することは、商取引の実際において普通一般的に行われているものであり、標章の使用行為というのが相当である。
しかして、被請求人は、「眼鏡」の傍らに「FACE A FACE」の文字を表示したタッグを添えて展示、販売していることが認められる。
そうして、「眼鏡」の傍らに添えられたタッグに表示された「FACE A FACE」の文字は、本件商標と社会通念上同一のものと認め得るものである。
さらに、乙第1号証に添付の写真は、平成12年3月2日に撮影した写真について、平成12年3月3日付け公証人川口清高役場の確定日付けのある「写真による証拠物件の存在証明書」であるが、これが被請求人により不使用による商標の取消審判を受けることを想定して作成されたものと断定する根拠は見あたらないから、その使用事実は認めざるを得ないものである。
また、被請求人より取引書類(見積書、納品書、請求書及び領収書)の提出がないこと、被請求人の定時株主総会招集ご通知の主要販売品目の項及び事業報告書(EYE:Vol.13)には、取り扱い商品として「眼鏡」が記載されていないこと(弁駁書に添付された甲第1号証及び甲第2号証)をもって、本件商標の使用の事実を否定することはできない。
そうとすれば、被請求人(商標権者)は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品「眼鏡」について、使用していたものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、請求に係る商品について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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