Trademark Appeal Case
「マイクロファクトリー」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−10767(T2001−10767/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「MICRO−FACTORY」(「O」と「F」の文字間にハイフン「−」が挿入されている。)の欧文字と「マイクロファクトリー」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、第4類及び第7類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成12年4月17日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、平成13年4月9日付手続補正書により第4類の指定商品を削除し、第7類「金属加工機械器具」とする補正がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『極小の工場』程の意味合いを認識させる英語及び外来語『MICRO―FACTORY』及び『マイクロファクトリー』の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるところ、近時、微少部品の加工、組立等の生産工程を『マイクロファクトリー』と称している実状よりすれば、これをその指定商品中『金属加工機械器具』に使用するときは、該商品が前記工程によって生産されたものであることを理解させるものであって、単に商品の品質、生産場所を表示するにすぎない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、下段の「マイクロファクロリー」の片仮名文字は、上段の「MICRO−FACTORY」の欧文字の読みを表したものであり、その構成前半の「MICRO」「マイクロ」の文字は、「(微)小な」を意味する英語及び外来語であって、他の語に付して、「microfilm(マイクロフィルム)」は、「縮小複写フィルム」と、「microcomputer」は「超小型電算機、マイコン」の如く一般に用いられ、同後半の「FACTORY」「ファクトリー」の各文字は、「工場」を意味する語として広く親しまれた語と認められるから、該構成全体として、「微小な工場」といった意味合いを容易に理解させるものである。
そして、「MICRO−FACTORY」の文字と「マイクロファクトリー」の文字(語)が社会一般において前記意味合いの語として普通に使用されている状況は、以下の新聞記事からも窺い知ることができる。
(1)2002年11月26日付日本経済新聞3頁には、「DTF、加工装置開発が本格化−超小型で省エネ・省資源(経済ウォッチ)」の見出しの下、「机の上にのる大きさの超小型の加工・組み立て装置の開発とそれを使った生産を目指すDFT(デスクトップ・ファクトリー)の研究が本格化してきた。・・・産業技術研究所は90年代から手のひらに載るサイズの工作機械を試作、マイクロファクトリ(持ち運びのできる工場)の研究を進めてきた。・・・」との記載がある。
(2)2001年6月1日付日経産業新聞9頁には、「オリンパス、微細管、簡単に溶接−装着型ディスプレー利用」の見出しの下、「・・・新システムは微細な部品を効率的に作り出す『マイクロファクトリー』と呼ぶ。原子力発電所の配管点検などへの実用化が期待されているマイクロマシン(微小機械)を作製する技術になると注目と集めている。・・・」との記載がある。
(3)2001年10月31日付日刊工業新聞16頁には、「NEDO、卓上型工作機械の開発など研究開発に着手−民間から具体策公募」の見出しの下、「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO、東京都・・・)は、製造業の国際競争力を強化するため、卓上型の工作機械開発や金型製作の高度化に向けた研究開発に乗り出す。・・・超小型生産工場(マイクロファクトリー)を実現する卓上型工作機械の開発は、省エネのメリットが大きく見込めるほか、加工コストの低減、・・・」との記載がある。
(4)2000年10月1日付日本経済新聞28頁には、「小さな巧み(3)研究者が出前実演、会議室で微細加工」の見出しの下、「『それでは行って来ます』。通産省工業技術院(現、経済産業省機械技術院)機械技術研究所の担当者がスーツケース大の荷物を手に出かけていく。中に入っているのは同研究所が開発した世界最小の工場『マイクロファクトリー』。・・・必要な場所に工場を持ち運び、現場で望み通りの微小部品を作ることが可能。・・・」との記載がある。
(5)2000年6月21日付日刊工業新聞7頁には、「機械研、マイクロ旋盤のNC制御に成功」の見出しの下、工業技術院(現、経済産業省機械技術院)機械技術研究所は、世界最小のマイクロ旋盤に数値制御(NC)を導入、正確な加工精度と加工面粗さの改善に成功したと発表した。・・・機械研は、手のひらサイズのマイクロ工作機械群を搭載した『マイクロファクトリー』の開発を進めており、今回は複雑形状の加工に必要なNC制御を実現した。・・・」との記載がある。
以上の事実を総合勘案すれば、金属加工の分野において、「MICRO−FACTORY」「マイクロファクトリー」の文字は、「超小型生産工場」を意味し、「卓上型工作機械」を認識させるものとして一般に使用されているものと認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、それが上記商品を表するものと理解するに止まり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないとみるのが相当であって、前記以外の商品に使用するときには商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとした原査定の認定、判断は妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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