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Trademark Appeal Case

語順転倒商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35367(T2001−35367/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3304164号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3304164号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり「SNOW ISLAND」の欧文字と「スノーアイランド」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、耳覆い、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、運動用特殊衣服、運動用特殊靴「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成6年11月25日に登録出願、同9年5月9日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

1 請求人は、「本件商標の登録は、無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証(枝番を含む。)を提出した。

2 請求人は、同人が「スノーボード、カジュアルウェア、スポーツウェア及びアクセサリ」などに使用する「ISLAND SNOW」の欧文字からなる商標(以下「引用A商標」という。)及び「アイランドスノー」の片仮名文字からなる商標(以下「引用B商標」という。)を引用している(甲第2号証の1)。また、請求人が引用する登録第4372415号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第25類「米国産の被服・運動用特殊衣服」を指定商品として、平成7年5月25日に登録出願、同12年3月31日に設定登録されたものであり、同じく、登録第4012080号商標(以下「引用D商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第28類「米国産の運動用具」を指定商品として、平成7年5月25日に登録出願、同9年6月13日に設定登録されたものである。

3 本件商標は、商標法第4条第1項第10号、第15号、第19号及び第7号に該当するものである。

(1)商標法第4条第1項第10号及び同15号について

ア 商標の類否

本件商標は、欧文字の「SNOW ISLAND」と片仮名の「スノーアイランド」を二段書きして成る商標である。

一方、引用各商標は、欧文字の「ISLAND SNOW」又は片仮名の「アイランドスノー」から成る商標である。引用C商標及び引用D商標は、わが国では、甲第2号証の2及び3の態様で登録されている。

本件商標と引用各商標を比較すると、本件商標は、その構成に係る文字が「SNOW」(スノー)と「ISLAND」(アイランド)の語から成るものと容易に看取されるものであり、該語の位置が転倒して表されているにすぎないものである。しかして、両者は、時と所を異にしてなされることの多い商取引の実際においては「SNOW」と「ISLAND」のいずれの語が前又は後に配置されていたかが暖味なものとなり、外観及び称呼上、彼此相紛れるおそれがある。かつ両商標を構成する文字は非常に平易な英語であるので、一般需要者は両商標から「雪の島」のごとき共通の意味合いを容易に看取するものである。従って、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念において類似する商標である。

甲第3号証に挙げる、過去の決定、審決例「ダイエットプロ/DIETPRO」=「PRODlET」、「MINIDIGI」=「デジミニ」、「エースチョコ」=「チョコエース」、「ダイヤトリコ」=「TRICODIA」においても、全体の称呼が比較的長い商標であって、商標を構成する二語の位置が転倒して表されている点で相違するにすぎない二商標は、互いに類似すると判断されている。

いずれの事例も、時と所を異にして取引することの多い商取引の実際においては、構成する二語のいずれが語頭に配置されていたかが曖昧となるので、彼此相紛れるおそれがあると判断されているものである。本件の場合も、称呼し易く、記憶に残り易い二語により構成されている点において、上記と事例を同じくするものである。

また、以下に述べるように、本件商標の指定商品は引用各商標に係る商品と同一又は類似のものを含むものである。

イ 引用各商標に係る商品及び請求人店舗

請求人は引用各商標に係る商品を販売する最初の店舗を、1981年3月にハワイのワイキキで開店し、1989年から、日本人観光客を対象にガイドブック、スノーボードやサーフィン関係の雑誌を通じて活発に広告宣伝活動を行なってきたものである。ハワイを訪れる日本人観光客の数の多さを考えれば、請求人が日本人向けの宣伝に力を入れるのはもっともなことであり、実際、年間売り上げ量の80、90パーセントが日本人観光客に対するものである。請求人は、ハワイで最大級のショッピングセンターであるアラモアナ.ショッピングセンターでは10年間、ロイヤル・ハワイアン・ショッピング・センターでは16年間、販売を続けている。

請求人店舗「ISLAND SNOW」はハワイで唯一、アメリカ西海岸でも最大規模のスノーボードショップであり、オリジナルブランド及び有名サーフブランドのウエアを扱っている。請求人はハワイにおいて本件商標の出願前から引用各商標を使用しており、引用各商標は、本件商標の出願時にはハワイのみならず、わが国においても既に周知著名な商標となっていたものである。

ウ 引用各商標の周知性

ハワイは日本人にとって最も身近な、かつ人気の観光地であり、特に若者に人気の店はわが国の旅行雑誌、ファッション雑誌等に、国内の店と同様に紹介されている。請求人が引用各商標に係る商品を販売する店舗も、甲第4号証に示すとおり、日本で発行されている雑誌、日本人向けのガイドブック等に広く紹介されているものである。

甲第4号証の3は、日本貿易振興会が対日輸出に関心を持つ企業の商品を紹介したものであり、請求人の代表者、James J.Kodama氏が連絡先として掲載されているものである。

同号証の申込書裏面の説明によれば、同誌に掲載されたことにより請求人店舗の知名度が高まったことは明らかである。すなわち、以下のとおりである。

(a)「ジェトロ貿易照会」(無料)概要

「ジェトロ貿易照会」は、日本企業と取引したいという外国企業を紹介する目的でジェトロの会報に掲載される。

ジェトロ貿易照会は、毎日25,000部発行される全国誌であるジェトロ会報に掲載される。(後略)

すなわち、同商品情報がかなりの発行部数であることから、請求人店舗及び商品の知名度を高めるのに貢献したことがわかる。

甲第4号証の6乃至8及び甲第4号証の15乃至17の「ショッピングハワイ」は、日本人観光客向けに無料で配布されるものであり、請求人店舗及び商品の日本人観光客の間での知名度に大きく貢献しているものである。同誌は特にショッピングセンターへの日本人買物客用のガイドブックである。甲第4号証の17(1994年12月号)の10頁には、「ショッピングハワイは毎月発行されます。日本人観光客向けにワイキキのホテル及び観光案内所に無料で配布されています。」とある。

甲第4号証の9の「アロハストリート」も無料で配布されている情報誌であり、多くの日本人観光客の目に触れているものである。

広告掲載雑誌の中でも、甲第4号証の2の「ポパイ」及び甲第4号証の9及び10の「ぴあMAP」は若者に広く購読されている。特に「ぴあMAP」は甲第4号証の9の表紙に記録されているように、30万部が日本全国の書店及びハワイで販売されている。

1991年以降の引用各商標の使用を示す甲第4号証から、引用各商標がハワイの日本人旅行者のみならず、1993年以降はわが国においても販売されているので、国内の需要者にも周知著名な商標であることが明らかである。少なくとも、本件商標が出願された1994年には、スノーボードと並んで、本件商標の指定商品である、洋服、運動用特殊衣服についても、需要者に広く知られた商標となっていたものである。

請求人の取引先であった新創企業(請求人のライセンシーであったのは1991年から1993年の間)との一回の取引額は高額ではないが(甲第4号証の25)、取引商品であったスノーボードという商品の特殊性に鑑みれば当然である。スノーボードは昨今ではわが国でもポピュラーであるが、当時はいわゆる愛好家向けであった。そのことにより、スノーボードの業界での請求人のスノーボード商品に係る商標の周知性が否定されるものではない。

甲第5号証は、甲第4号証の23で提出した大阪のラジオ局からの書簡において申し入れのあった、請求人製品の販売促進キャンペーンための、請求人店舗及び製品の紹介が実際に平成6年(1994年)11月に放送され、請求人の製品プレゼントに請求人商標「ISLAND SNOW/アイランドスノー」を明記して多数の国内の視聴者が応募した事実を立証するものである。ちなみに、本件商標は、これと同年同月の1994年11月25日に出願されている。

甲第5号証の3及び4から明らかなのは、特にスノーボードを愛好する若者の間で、引用各商標に係る請求人製品が認知されており、人気を博していることである。すなわち、キャンペーン放送がラジオで行なわれたにかかわらず、多数の視聴者が請求人のブランド名を正確に、英語でも、書いてきており、書き添えられた文章からも既に請求人製品を認知していたということが窺える。

エ 引用各商標の周知性についての裁判所の判断

本件商標の方が、請求人商標の甲第2号証の2及び3より先願である。しかしながら、請求人が「ISLAND SNOW/HAWAII」商標を出願、登録するに当たっては、依頼人と取引関係にあった会社が先取り的に登録第3300202号「Island Snow/アイランドスノー」(指定商品は「第25類洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、靴下」)を有していたので、これを審決取消訴訟まで争って登録無効にしたという経緯がある。

この判決では(東京高裁平成11年(行ケ)第108号、平成11年12月14日判決、甲第8号証)、「ISLAND SNOW」及び「アイランドスノー」の文字ないし言葉が、本件商標の登録出願当時、Island店の業務又は同店と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であることを表すものとして、我が国のカジュアルウエア、スポーツウエア及びアクセサリーの取引者・需要者の間で周知であったことは前認定のとおりである。」として、請求人商標が、少なくとも登録第3300202号が出願された平成7年3月8日の時点で、周知であったことが認められている。よって、その3ヶ月余り前に出願された、引用各商標と類似する本件商標も、商標法第4条第1項第10号及び15号に該当していたことは明らかである。

請求人の関係者は、被請求人の本件商標に係る商品をわが国で販売している店舗で「SNOW ISLAND」製品が「ISLAND SNOW」と誤認混同されているのを現実に目の当たりにしており、かかる出所混同を憂慮しているものである。

オ 以上のとおり、引用各商標は本件商標出願時及び登録時において、請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた商標であるので、引用各商標と類似する本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び15号に該当していたものである。

(2)商標法第4条第1項第19号について

引用各商標が、請求人の業務に係る商品を表示するものとしてハワイ及び日本国内の需要者の間に広く認識されている商標であることは上記のとおりである。本件商標はその引用各商標と類似する商標であって、不正の目的をもって使用するものである。

すなわち、引用各商標の上記周知性を鑑みれば、本件商標の出願前から登録に至るまで本件指定商品である運動用具、運動用被服関係の商品について業務を行う者が、引用各商標の存在を知らないということは考えられない。よって、本件商標権者には、引用各商標と語順を入れ替えただけの類似商標を使用することにより、引用各商標の顧客吸引力に只乗りしようとの不正の目的が疑われるものである。

(3)外国周知商標の保護の重要性について

ここで強調したいのは、外国周知・著名商標のわが国における保護の必要性についてである。特許庁でも審査基準が改正され(平成11年7月1日の審査から実施)、周知・著名商標の保護が強化された。

特に外国周知商標について、わが国において出願されていないものを先取りして出願したり、その一部の文字又は図形を取り入れて自己の商標として出願するといった模倣盗用行為が頻繁に行なわれているのが実情である。そのような外国商標の盗用は国際信義に反する行為でもあり放置しておくことはできない。

改正審査基準において、この点の保護強化が明らかなのは、商標法第4条第1項第19号についての基準の追加である。すなわち、(a)一以上の外国において周知な商標と同ー又は極めて類似するものであること(b)その周知な商標が造語よりなるものであるか、若しくは、構成上顕著な特徴を有するものであること。

以上の要件を満たすような商標登録出願に係る商標については、他人の周知な商標を不正の目的をもって使用するものと確認して取り扱うものとする、とされている。

請求人が商標「ISLAND SNOW」の正当な所有者であることは甲号証から明らかである。被請求人は、大手のスポーツ用品販売店であり、出願前に引用各商標の存在を知らなかったとは考えにくい。引用各商標は簡単な英単語から成るものの、組み合わせに意外性がある造語商標であって、全体としてありふれたものではなく、本件商標の構成文字が引用各商標と偶然に−致するということは考えにくい。

(4)商標法第4条第1項第7号について

外国周知商標である引用各商標と紛らわしい本件商標を登録すること、すなわち、正当権利者が外国に存在する商標と類似する商標を、わが国の者が登録して使用することは、国際信義に反し、公の秩序に反するものである。

4 平成13年11月16日付け答弁書に対する弁駁

(1)被請求人は答弁書の(3)において、「イ 外観について」「口 称呼上について」「ハ 観念上について」に分けて、夫々考察し非類似であることを主張している。

ア しかし、商標の類否を決定するに当たっては、外観、称呼、観念のいずれか一つの観点において類似すれば、それら商標は類似であるとされるはずである。本件商標と請求人の商標とは、少なくとも観念上類似することは明白である。これについて被請求人は、本件商標からは「雪の島」の観念が、引用各商標からは「島の雪」の観念が生ずるものであるから、観念上紛れるおそれのない非類似のものである旨を主張している。

しかし、我が国において英語が普及しているといってもあくまでも外国語である。「SNOW(スノー)」と「ISLAND(アイランド)」が良く知られる英語であることは疑いがないが、需要者及び取引者が市場において英語で構成された商標に接した場合に、文法的に正しく把握して観念するとは言えないものである。むしろ、「SNOW(スノー)」と「ISLAND(アイランド)」が良く知られているだけに「雪」と「島」の観念のみを把握して「島の雪」であるか「雪の島」であるかを追及しないと考えるのが、迅速性を要求される現実の取引に合致しているものである。

特許庁においても、「フオックスファイヤー/FOXFIRE」と「ファイヤーフォックス」(甲第9号証)、「フレッシュダン」と「ダンフレッシュ」(甲第10号証)、「美人味」と「味美人」(甲第11号証)、「CLUB FIELD」.と「フィールドクラブ/Field C1ub」(甲第12号証)、「大吉開運」と「開運大吉」(甲第13号証)、「祈願開運」と「開運祈願」(甲第14号証)、「アミノプラス」と「プラスアミノ」(甲第15号証)が夫々観念上類似すると判断されていることは、上記した請求人の主張を裏付けるものである。

イ また、被請求人の前記考察には、請求人の商標「ISLAND SNOW(アイランドスノー)」が本件商標の出願時には既に周知であった、という前提が欠落しているものである。

すなわち、考察する対象の商標がいずれも使用されていないか使用されていても周知とは言えない場合と、いずれか一方の商標が使用されていてしかも周知性を獲得している場合とは、自ずと類否の判断基準が異なるはずである。平成13年8月24日付審判請求書及びこれに添付した甲第4号証乃至甲第8号証において明らかにした通り、本件商標の出願時には「ISLAND SNOW(アイランドスノー)」は周知であったものである。従って、スノーボードに関する商品の需要者及び取引者は、当時、請求人の商標を「ISLAND(アイランド=島)」と「SNOW(スノー=雪)」の結合した商標であると既に認識しており、ここに「SNOW(スノー=雪)」と「ISLAND(アイランド=島)」の結合した商標が同じ商品に使用されれば、それを請求人の商品であると信じて誤って購入してしまうことは充分予想されることである。

従って、本件商標は請求人の商標と現実の取引において実際に出所混同される具体的危険のある商標であって、類似の商標である。

本件商標と請求人の商標が非類似であるとする被請求人の考察及び主張は、上記の現実的、具体的な事実を無視してなされているものである。

(2)被請求人は、答弁書の(4)において、「請求人の主張のとおり引用各商標が、仮に広く知られているものであるとしても、本件商標は、上述のとおり引用各商標とは非類似であることが明らかであることから、商標法第4条第1項第10号に該当しないものである。」と述べ、また「本件商標は、引用標章または引用各商標とが何等相紛れるおそれのない非類似であることから、これを被請求人がその指定商品に使用しても、該商品の出所について誤認を生ずるおそれのないことも明らかであり、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。」と述べている。

しかし、請求人が上記した通り、本件商標は現実の取引において実際に引用各商標と出所混同される具体的危険のある商標であるから、類似の商標であって、商標法第4条第1項第10号及び第15号に該当するものである。

(3)被請求人は、答弁書の(5)において、「本件商標は、引用標章または引用各商標とは非類似の商標であり、また、不正の目的をもって使用するものでないから、商標法第4条第1項第19号に該当しないものである。」と述べている。

しかし、上記したように本件商標は請求人の商標に類似するものであり、本件商標の出願時には請求人の商標は周知であったものであるから、請求人商標の顧客吸引力を利用しようという不正の目的を推認し得るものである。

また、被請求人は、「本件商標は...国際信義に反しないことも明らかであることから、商標法第4条第1項第7号に該当しないものである。」と述べている。

しかし、請求人が審判請求書において既に述べた通り、外国周知商標である引用各商標と紛らわしい本件商標を登録すること、すなわち、正当権利者が外国に存在する商標と類似する商標を、我が国の者が登録して使用することは、国際信義に反し、公の秩序に反するものである。

第3 被請求人の主張

1 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める。」と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。

2 答弁の理由

(1)本件商標と引用各商標の類否

ア 外観について

本件商標は、「SNOW ISLAND」と「スノーアイランド」の文字をそれぞれバランスよく一体に表した構成よりなるものである。

また、引用各商標は、上記したとおり、共に横長の楕円形の輪郭内に「ISLAND」、「SNOW」及び「HAWAII」(他の文字より小さく表してある。)の欧文字を上下3段に配した構成よりなるものである。

いずれにしても、本件商標と引用各商標の構成がそれぞれ上記したとおりであることから、本件商標と引用各商標は、外観上においてそれぞれ明瞭に区別することができるものである。したがって、本件商標は、引用各商標とは、外観上非類似のものである。

イ 称呼について

本件商標は、「SNOW ISLAND」と「スノーアイランド」の文字よりなるものであるから、「スノーアイランド」の称呼を生ずることが明らかである。

他方、引用各商標は、その構成文字の全体の「ISLAND SNOW HAWAIl」の文字より「アイランドスノーハワイ」の称呼を生じ、かつ、その構成態様よりみて「アイランドスノー」の称呼をも生ずることは否定しない。そうしてみると、本件商標より生ずる称呼の「スノーアイランド」と引用各商標より生ずる称呼の「アイランドスノーハワイ」または「アイランドスノー」は、それぞれの音の構成及び配列に著しい差異があることから、全体として一連に称呼するときには、それぞれが明確に区別して発音または聴取されるものであり、互いに紛れるおそれのないものである。したがって、本件商標は、引用各商標とは、称呼上においても非類似のものである。

ウ 観念について

本件商標と引用各商標の構成中に「雪」の語義を有するものとして一般に知られている英語「SNOW」とこれを原語とする外来語「スノー」または「島」の語義を有する英語「ISLAND」とこれを原語とする外来語「アイランド」の文字を組み合わせたものであるとしても、本件商標は、「SNOW ISLAND」「スノーアイランド」と一体に表示したものであるから、これに接する取引者・需要者が「雪に覆われた島」の意味合いの「雪の島」の観念を容易に把握するものである。

他方、引用各商標の構成中の「ISLAND SNOW」の文字は、通常特定の語義を有するものとして使用されていない造語よりなるものといえるものであるが、強いてこれより意味合いを生じさせるとすれば「島に降る雪」の意味合いの「島の雪」を観念させることができるとしても、これらはいずれも「雪の島」の観念を想起させるものではない。

そうしてみると、本件商標の「雪の島」と引用各商標の「島の雪」は、「雪の北海道」と「北海道の雪」とが全く相違する観念であると同様に、全く相違する観念であることが明らかである。したがって、本件商標は、引用各商標とは、観念上においても紛れるおそれのない非類似のものである。

以上詳述したとおり、本件商標と引用各商標は、その外観、称呼及び観念において、互いに紛れるおそれのないことから、非類似のものであることが明らかである。

更に、引用各商標は、本件商標の後の出願に係るものであるにも拘らず、本件商標を引用して拒絶されることなく登録された事実は、特許庁においても、引用各商標が本件商標と非類似と判断され、商標法第4条第1項第11号の規定に該当しないものとして登録されたことが明らかである。

また、請求人が審決例を挙げて縷々述べているが、これらの異議の決定例及び審決例は、いずれも商品の品質、用途、形状または色彩等を表示するものに該当し、識別標識としての機能を果たし得ない語か、または、識別標識としての機能の弱い語との組合せたものの事例であり、本件とは、事案の異なることが明らかである。

そして、上述した主張と同趣旨の審決または登録異議の決定の例として、「WORLDTRAVEL×Travelworld」、「TechTool×ツールテック」「ブリーダートップ×トップブリーダー」「DOLCESOIR×SOIRDOLCE/ソワールドルチェ」「TRANSFER FLOCK×フロックトランスファ一」「VIEWNET×NetView」があるので乙第4号証から同第9号証として挙げておく。

これらの審決例及び登録異議の決定の例においても、本件商標と引用各商標とが非類似であるとの被請求人の主張が正当であることが証明されている。

(2)請求人の主張のとおり引用各商標が、仮に、広く知られているものであるとしても、本件商標は、上述のとおり引用各商標とは非類似であることが明らかであることから、商標法第4条第1項第10号に該当しないものである。

また、本件商標は、引用各商標とが何等紛れるおそれのない非類似であることから、これをを被請求人がその指定商品に使用しても、該商品の出所について誤認を生ずるおそれのないことも明らかであり、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。

(3)本件商標は、引用各商標とは非類似の商標であり、また、不正の目的をもって使用するものでないから、商標法第4条第1項第19号に該当しないものである。

更に、本件商標は、「SNOW ISLAND」「スノーアイランド」の文字よりなり、きょう激、卑わい、差別的な印象を与えるような文字からなるものでなく、また、本件商標をその指定商品に使用することが社会公共の利益・一般の道徳観念に反するものでなく、かつ、他の法律によってその使用が禁止されているものでもなく、かつまた国際信義に反しないことも明らかであることから、商標法第4条第1項第7号に該当しないものである。

(4)よって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号の規定に違反してされたものではない。

第4 当審の判断

1 引用各商標等の著名性について

請求人の提出した甲各号証によれば、以下の事実が認められる。

ア 雑誌「ハワイマガジン 1991年秋号 ランナーズ9月号別冊」(株 式会社ランナーズ1991年9月20日発行)には、「ローカルのキッズ 、特に男の子からの注目を集める店。オリジナルやビラボンなど、サーフ ァーに人気があるブランドのキッズバージョンが置かれている。」とし、 Tシャツ、シャツ及び短パンの写真とともに場所を「Ala Mona Shopping Center」として、「アイランド・スノー」「I sland Snow」の紹介が掲載されていること(甲第4号証の1)

イ 雑誌「POPEYEプレゼント大図鑑」(株式会社マガジンハウス19 91年12月4日発行)には、「ホノルルの若いコの流行モノが買える店 。」「ここはモダンにアレンジされたハワイのファッションを扱っている のでうれしい。カラフルなTシャツやスエットなど、・・・そこで見つけ たブレスレット・・・はホノルルの若者たちの間で密かな人気商品。」と し、場所を「Ala Mona Shopping Center」とし て「Island Snow」の紹介が掲載されていること(甲第4号証 の2)

ウ 「月刊サーフィンライフ5月号別冊 フリッパー1993年No1」( 株式会社マリン企画1993年発行」には、別掲(2)の引用C商標及び 引用D商標が表示され、「1981年ハワイ・オワフ島に設立されたIS LAND SNOW WEARは今日まで着実に、ハワイアンロコの間で 親しまれ人気を不動のものとしてまいりました。オアフ島に10店以上の 直営店を展開し、アラモナ・センター店は特に有名です。」との広告が掲 載されていること(甲第4号証の4)

エ 「月刊サーフィンライフ7月号別冊 フリッパー1993年No2」( 株式会社マリン企画1993年発行」には、別掲(2)の引用C商標及び 引用D商標が表示され、ベスト、ショートパンツ、Tシャツ及びウインド ブレーカーの広告が掲載されていること(甲第4号証の5)

オ ハワイで日本人観光客向けに無料で配布される月刊広告誌「ショッピン グハワイ1993年11月号、1994年1月号、同年2月号及び同年1 1月号」(ドナルド・シー・シンド発行)28頁には、「Island Snow ビーチ・カジュアル・ウェア」、「アイランド・スノー・ハワ イは、ローカルの人達から人気のあるビーチ、アクション・スポーツ、カ ジュアル・ファッション・ウェアのお店です。有名ブランド・・・アイラ ンドスノー・・・等沢山揃っています。・・・場所はアラモナ・センター 2階、」及び別掲(2)の引用C商標及び引用D商標が表示され「有名ブ ランド、ビーチとカジュアル・ウェア専門店アイランド・スノー。アラモ アナ・センター2階、」との広告が掲載され、同29頁には、別掲(2) の引用各商標が表示され、「アイランド・スノーには、ローカルのヤング に人気のスポーツ・ウェアやカジュアル・ウェア、アクセサリーなどハワ イアン・ライフスタイルをクリエイトするアイテムが勢揃い。そして、今 話題のスノーホードやスノーウェアもあり、」、取り扱いブランド「・・ ・ISLAND SNOW・・・」として、「ISLAND SNOW HAWAII アイランド・スノー・ハワイ」「アラモナ・ショッピング センター」との広告が掲載されていること並びに1994年2月号の表紙 には、胸部に「ISLAND SNOW」の文字が表されたタンクトップ を着た女性の写真の掲載、「ISLAND SNOW HAWAII」及 び「カジュアルそしてビーチ・ウェアの有名ブランド・・・等最大セレク ションを誇るIsland Snow Hawaiiはアラモアナ・セン ター2階シアーズの近く−29頁の広告参照」との記載がされていること (甲第4号証の6ないし8、15及び16並びに甲第7号証)

カ 「ピアMAPハワイ ハワイ1994・最新ガイド」(ぴあ株式会社1 994年発行)には、「若者には注目のファションアイテムが勢揃い」「 ハワイのロコの間で、大人気のアイランド・スノーのオリジナル・ショッ プ。着やすく、カラフルでスポーティーなカジュアル・ウェアを中心にア クセサリーまでオリジナルでトータルコーディネイトできる。ツーリスト にお土産としても好評だ。また、・・・人気ブランドも勢揃い。スノーボ ーダー御用達のバードンアンドシムズのファッションが手に入るのも、ハ ワイではここだけ。日本で買うよりお得とあって、ファンが押し寄せてい る。」として「アラモアナ・ショッピングセンター2F」「Island Snow Hawaii」「アイランド・スノー・ハワイ」の紹介記事が 掲載されていること及び別掲(2)の引用C商標及び引用D商標が表示さ れ、「アイランド・スノーには、ローカルのヤングに人気のスポーツ・ウ ェアやカジュアル・ウェア、アクセサリーなどハワイアン・ライフスタイ ルをクリエイトするアイテムが勢揃い。そして、今話題のスノーホードゃ スノーウェアもあり、」、取り扱いブランド「・・・ISLAND SN OW・・・」として、「ISLAND SNOW HAWAII アイラ ンド・スノー・ハワイ」「アラモナ・ショッピングセンター」との広告が 掲載されていること(甲第4号証の9)

キ 「ピアMAPハワイ ハワイ1995・最新ガイド」(ぴあ株式会社1 995年発行)には、別掲(2)の引用C商標及び引用D商標が表示され 、「メインランドでしかお目にかかる事のできないオリジナルブランドが 、ここハワイで手軽に手に入れる事のできるのがアイランドスノーです。 今、注目のパタゴニア、モッシーモ、ストゥッシーなどMADE IN U.S.A.のビーチウェア、カジュアルウェアがずらり。」などの記載 とともに別掲(2)の引用各商標を表示した広告が掲載されていること及 び「若者には注目のファションアイテムが勢揃い」「ハワイのロコの間で 、大人気のアイランド・スノーのオリジナル・ショップ。着やすく、カラ フルでスポーティーなカジュアル・ウェアを中心にアクセサリーまでオリ ジナルでトータルコーディネイトできる。ツーリストにお土産としても好 評だ。また、・・・人気ブランドも勢揃い。スノーボーダー御用達のバー ドンアンドシムズのファッションが手に入るのも、ハワイではここだけ。 日本で買うよりお得とあって、ファンが押し寄せている。」として「アイ ランド・スノー・ハワイ」の紹介記事が掲載され、いずれも場所を「Al a Mona Center 2F」としていること(甲第4号証の10 )

ク 雑誌「ハワイマガジン 1991年冬号 ランナーズ12月号別冊」( 株式会社ランナーズ1991年12月20日発行)には、「アイランド・ スノー」「あのローカルモーションに追いつけ、追い越せという勢いで人 気上昇中。」としてトレーナーが掲載されていること(甲第4号証の14 )

ケ 「アロハエクスプレスNo27」(ソニーマガジンズ株式会社1994 年発行)には、「ISLAND SNOW HAWAII・・・アラモナ ・センター2階・・・アイランド・スノーのスノー・ウェア」「ここアイ ランド・スノーでは、欧米からの観光客や日本人のために、アメリカン・ ブランドのボードをお手ごろ価格で取り揃えている。」とし、読者プレゼ ントして別掲(2)の引用C商標及び引用D商標のステッカー及びISL AND SNOW HAWAIIの文字が記載されたキーホルダーが掲載 されていること(甲第4号証の18)

コ 無料配布される情報誌「アロハストリート’94Vol.14No.2 」(発行者不明)には、「ハワイには冬物はないと思ったら大まちがい。 なんとスノー・ボードのお店まであるのだ。アイランド・スノーというお 店がそれ。・・・場所は、・・・アラモナ・ショッピングセンター2階」 としてアイランド・スノーが紹介されていること

以上の認定事実によれば、請求人は、米国ハワイ州オアフ島のアラモアナ・ショッピングセンターにおいて、遅くとも1991から、「ISLAND SNOW」ないし「アイランドスノー」の店舗名又はその略称として営業しており、同店舗では、「ISLAND SNOW」ないし「アイランドスノー」を商標として使用する他、別掲(2)のオリジナルブランド及び他の有名ブランドのスノーボード、カジュアルウェア、スポーツウェア及びアクセサリなどを取り扱っていること、そして、これらについては、我が国において有名雑誌である「P0PEY」「エイビーロード」及び「ぴあMAPハワイ」などに紹介されていることが認められ、我が国においては米国のファッションに対する関心が高いこと及びハワイは日本人の旅行者が多いことなどを総合すると、引用各商標は、我が国において、本件商標の登録出願時はもとより、その後においても、請求人の業務に係る商品「スノーボード、カジュアルウエア、スポ−ツウエア、アクセサリー」などを表すものとして、取引者、需要者間に広く知られていたものであるというのが相当である。

2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

本件商標は、「SNOW ISLAND」「スノーアイランド」の文字よりなるものであるところ、「SNOW」「スノー」の各語は「雪」を意味する英語又は外来語として広く知られており、また「ISLAND」「アイランド」の各語は「島」を意味する英語又は外来語として広く知られているものであるが、一連の熟語として特に親しまれているとの事実は認められず、全体として「雪の島」の意味合いを看取させるものであるから、これよりは「スノーアイランド」の称呼、「雪の島」の観念を生ずるものである。

他方、引用A商標は「ISLAND SNOW」の欧文字からなる商標であり、引用B商標は「アイランドスノー」の片仮名文字からなる商標である。引用C商標及び引用D商標は、いずれも別掲(2)のとおり、楕円輪郭図形内にデザイン化した「ISLAND」「SNOW」の両文字を大きく二段に表し、これらの下に「HAWAII」の欧文字を小さく表してなるものであるところ、その構成中の楕円輪郭図形部分はありふれた図形であり、また「HAWAII」の文字部分は国際的に著名な観光地「ハワイ」を意味するものであり、取引者、需要者に商品の産地、販売地を理解させるにすぎず、いずれも商品の出所識別標識としての機能を有しないか又は識別機能を有するとしても非常に微弱なものと認められるから、商品の出所識別標識としての機能を有する部分は顕著に表された「ISLAND SNOW」の文字部分にあるというのが相当である。「ISLAND SNOW」及び「アイランドスノー」の語は、前記認定のとおり請求人の業務に係る商品の出所等を表すものとして広く知られている他は一連の熟語として特定の意味合いをもって親しまれているとの事実は認められず、全体として「島の雪」の意味合いを看取させるものであるから、引用各商標は、「アイスランドスノー」の称呼、「請求人の業務に係る商品の出所等を表すもの」及び「島の雪」の観念を生ずるものである。

そうすると、本件商標と引用B商標を除く引用各商標とは、外観上、差異は認められるものの、要部である欧文字の構成部分については「SNOW」と「ISLAND」の各語よりなり、各語の位置が前後に入れ替わっているにすぎないものである。そして、本件商標の構成中「スノーアイランド」と引用B商標とは、「スノー」と「アイランド」の各語よりなり、各語の位置が前後に入れ替わっているにすぎないものである。また、本件商標より生ずる「スノーアイランド」の称呼と引用各商標より生ずる「アイランドスノー」の称呼とは、「スノー」と「アイランド」の各称呼よりなるが、各称呼の位置が前後に入れ替わっているにすぎないものである。さらに、本件商標の観念「雪の島」と引用各商標の観念「島の雪」とは、「雪」及び「島」の各観念よりなるが、その位置が前後に入れ替わっているにすぎないものである。

本件商標の指定商品は、第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、耳覆い、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、運動用特殊衣服、運動用特殊靴「乗馬靴」を除く。)」であるのに対し、引用各商標の使用商品は「スノーボード、カジュアルウェア、スポーツウェア及びアクセサリ」などであるから、両商品は、主として人の身にまとう商品や身の回り品などであって、取引者、需要者を共通にすることが多いものであり、また、カジュアルウェア、スポーツウェア及び運動用特殊衣服とスノーボードとにおいて、密接な関連を有する商品が存在していると認められる。

これらの事実に引用各商標が周知著名であることを併せ考慮すると、本件商標は、その指定商品に使用するときは、時と所を異にして本件商標と引用各商標に接する取引者、需要者に、請求人又は請求人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務の取り扱いに係る商品であるかのように引用各商標を連想させ、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。

3 結論

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項第1号により、無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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