Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−17426(T2001−17426/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「セキュリティネットα」の文字を書してなり、第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,ガス漏れ検知器等からなる非常通報装置を備えたコンピュータ制御ガス漏れ監視装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,ガソリンステーション用装置,電動式扉自動開閉装置」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,家庭における電話回線を結んで行うガス漏れ警備,施設の警備,身辺の警備,ガス漏れ警報器の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与」を指定商品及び指定役務として、平成11年11月30日に登録出願されたものである。
2 当審における拒絶の理由
当審において、「本願商標は、『セキュリティネットα』の文字を書してなるところ、『セキュリティ』の文字は『安全、安心、警戒』等を意味する語として、『ネット』の文字は『網、通信網(ネットワーク)の略』を表す語としてよく知られている。また、一般にローマ文字1文字ないし2文字よりなる標章を商品の規格、型式又は品番を表示するための記号、符号として取引上普通に使用していることより、『α』の文字部分は、商品の記号、符号の一類型として認識されるものである。
ところで、保安用機械器具等を取り扱う業界においては、より安全で快適な住生活を目指した保安システムとして、ガス漏れや火災、侵入者などの住戸内アクシデントを二十四時間監視し、緊急時には早急なサポート体制を整えるネットワークシステムがみられ、これを『セキュリティネット』若しくは『セキュリティネットワーク』と表し普通に用いられている実情にある。これについては、下記の各種新聞情報及びインターネット情報における記載からも裏付けられるものである。
(1)多摩地区最大級のコミュニティー完成・長谷工がマネジメント 住宅は全戸にマルチインターホンシステムと二十四時間セキュリティネットワークを整備した。二十四時間セキュリティーネットワークは、ガス漏れや火災、侵入者などの住戸内アクシデントを、マルチインターホンで知らせ、同時に総合サービスセンターに通報する。(2000.1.24付け建設通信新聞発行)
(2)安全な街目指す歌舞伎町 機械と人間、監視の目「24時間カメラ、商店街はセキュリティネット」日本有数の歓楽街、新宿歌舞伎町、雑居ビル火災から半年、通りには二十四時間体制の監視カメラが設置され、地元の商店街組合も防犯拠点「セキュリティーネット」を立ち上げて、「怖い街」のイメージ払拭に躍起となっている。(2002.3.4付け産経新聞朝刊 第27頁)
(3)防犯連絡拠点の店にステッカー、新宿区歌舞伎町で連絡網整備 新宿区歌舞伎町1,2丁目にある飲食店などが、客からの喧嘩の通報やぼったくりの苦情を受けて、警察に連絡する「歌舞伎町セキュリティーネット(防犯連絡拠点)」という防犯体制を、歌舞伎町商店街振興組合や歌舞伎町2丁目会が作った。警視庁が27日から、通りを見渡す防犯カメラを設置するのにあわせて、同地区にある107店がセキュリティネット加盟店として客からの通報を受け付ける。(2002.2.27付け朝日新聞 第35頁)
(4)セコムがビル設備の24時間メンテ事業に本格進出。セキュリティネットで全国展開。セコムは空調や電気、給排水などのビル内設備機器の二十四時間メンテナンスサービス事業に乗り出した。全国規模のセキュリティー・オンラインネットワークをフルに活用するもので、学校や金融機関の支店ビル、一般事務所ビル、病院など総面積五千平方メートル以下のビルを対象に事業展開する。(1987.7.23付け 日刊工業新聞 第14頁)
(5)セキュリティネットα(通報システム) 外出先からの電話連絡でも、ガスを遮断。集中監視センターがお客様の安全を確保します。(http://www.mitsuwa-gr.co.jp/body04/body04.htm)
以上の事実を総合すると、本願商標を指定商品中の「ガス漏れ検知器等からなる非常通報装置を備えたコンピュータ制御ガス漏れ監視装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」及び指定役務中の「家庭における電話回線を結んで行うガス漏れ警備,施設の警備,身辺の警備,ガス漏れ警報器の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与」について使用した場合、これに接する需要者は、「ネットワーク化された安全(保安)システム」と商品の記号、符号とを組み合わせてなる標章と認識するに止まり、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識し得ないものといわなければならない。そして、前記以外の商品及び役務について使用した場合には、商品の品質又は 役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
請求人は、上記2の当審における拒絶理由に対する意見書において、本願商標は、本願の指定商品及び役務との関係において、識別力を有する商標であり、商品の品質の誤認等を招くものではないこと、また、本願商標を「出光の集中監視システム」の名称として使用しており、このシステムを使用した役務の提供をし、また、システムの他にも、システムを形成する、例えば、ガス漏れ監視装置や検針器等の電気磁気測定器といった個々の装置等の商品についても、本願商標を付し販売し、あるいは販売を予定している。そして、これより本件商標は、既に信用の化体した商標となっており、登録により保護されるべき商標である旨主張している。
しかしながら、保安用機械器具等を取り扱う業界において、より安全で快適な住生活を目指した保安システムとして、ガス漏れや火災、侵入者などの住戸内アクシデントを24時間監視し、緊急時には早急なサポート体制を整えるネットワークシステムがみられ、これを「セキュリティネット」若しくは「セキュリティネットワーク」と表し普通に用いられている実情があることは、上記2で述べたとおりである。
そして、本願商標は、「セキュリティーネットα」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものであるから、これよりは単に「ネットワーク化された安全(保安)システム」を表す語「セキュリティネット」と商品の記号、符号の一類型「α」とを組み合わせてなる標章であることを認識させるに止まり、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識し得ないものといわなければならないから、請求人の主張を採用することはできない。
したがって、上記2の拒絶の理由は妥当なものと認められるので、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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