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Trademark Appeal Case

「WARM&DRY」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−2605(T2001−2605/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「被服,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成11年12月24日に登録出願され、その後、指定商品については、同13年6月22日付け手続補正書により、第25類「ジャケット,ジョギングパンツ,スウェットスーツ,スウェットパンツ,キュロットスカート,ズボン,カーディガン,セーター,チョッキ,スポーツシャツ,ブラウス,ポロシャツ,ズボン下,パンツ,靴下,手袋」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『WARM&DRY』の文字を書してなるものですが、本願指定商品に係る業界においては、保温機能や放湿機能にすぐれた商品が増加してきており、商品の機能として一般化してきたことよりすると、本願商標は全体として『保温機能及び放湿機能にすぐれたもの』の意味を想起させるため、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するのに止まると認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、「WARM」の欧文字と「DRY」の欧文字とを、符号「&」を介して、赤色で「WARM&DRY」と書してなるところ、「WARM」と「DRY」の各文字は、水平に8本のスリット、また、「&」の文字は、水平に6本のスリットがそれぞれ入った構成よりなるものである。

しかして、近時、レタリング技法の進展により、商品の広告、宣伝等において、いわゆるロゴタイプの英文字を装飾的に図案化するなどして表現することは決して珍しいことではなく、一方、このような広告、宣伝等に接する需要者も、文字を表したものと認識、把握している実情にあることを考慮すれば、前記した構成よりなる本願商標は、容易に「WARM&DRY」の文字を表してなるものと認識し、把握され得るものであるから、未だ、普通に用いられる方法で表示する域を脱しない程度に書してなるものとみるのが相当である。

そして、本願商標構成中の「WARM」及び「DRY」の各文字は、それぞれ「暖かい」及び「乾いた」の意味を有する語として一般に親しまれているものであるばかりか、本願指定商品を取り扱う業界においては、保温機能や吸汗速乾機能を有する商品において、前者は「WARM」又は「ウオーム」の文字を、後者は「DRY」又は「ドライ」の文字を、それぞれ使用しており、さらに、複数の機能を有する商品であることを表す場合に「&」の文字を使用している実情にあることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「暖かい機能(素材)と乾燥(吸汗速乾)機能(素材)を有するもの」の如き意味合いを表したものと容易に認識し、把握するというのが相当である。

以上のことは、例えば、「WARM」、「ウオーム」、「DRY」及び「ドライ」並びに「&」について、株式会社ジー・サーチの提供に係る新聞記事情報データベース及びインターネットの各種商品情報紹介サイトをみると、以下のような記事があることからも十分に裏付けられるところである。

(1)「WARM」、「ウオーム」、「DRY」及び「ドライ」の文字を用いた記事

(ア)2002年6月45日「繊研新聞」

「4位は、トロンプルイユのワンピース(18万8千円)。丸襟のシャツ部分は、洗いをかけたようなシルク。スカート部分はシアード加工のアンゴラウール。ドライな素材とウオーム素材を組み合わせた。」

(イ)2001年4月16日「繊研新聞」

「デュポンはポリエステルの機能素材を活用し、旅行着を切り口としたプロジェクト“デュポン・トラベル・プロダクツ”をスタートさせた。同プロジェクトではパッカブル(収納性)、吸汗速乾性、防シワ性や形態安定性、軽量・ソフトの素材コンセプトを設定し、『クールマックス』、ウオーム&ドライの『サーモライト』、極細繊維でソフトな『マイクロマティーク』、ポリエステル短繊維『スプリーバ』とウールを混紡したウオッシャブル素材などに絞り込み提案している。」

(ウ)2002年4月8日「繊研新聞」

「ゴルフの『クロイドン』(一万六千円中心)では、フェークレザーやタータンチェック、細畝のコーデュロイなどストレッチ素材を使い、ファッション性を打ち出したモードラインを立ち上げる。ウエストサイズは八五センチまで。また、カプサイシン(トウガラシチンキ)加工や防風、蓄熱保温、吸熱蓄熱のなど機能素材を使ったウオームシリーズ(一万四千円中心)も販売する。」

(エ)インターネットホームページ

(http://www.goldwin.co.jp/gw/lineup/s_competitionj.html)

「JUNIOR WARM JACKET」

(オ)インターネットホームページ

(http://www.synx.co.jp/alex/data/catalog/Ski/teamwear/wear.html)

「WARM JACKET」

(カ)インターネットホームページ

(http://www.pomatonet.com/kansai/kan02.htm)

「WARM UNIFORM」

(キ)インターネットホームページ

(http://www.zizz.co.jp/new_page_7.htm)

「WARM WEAR」

(ク)2001年6月5日「繊研新聞」

「合繊メーカーは春夏向けで『着心地の良さ』を追求した機能素材群を相次いで提案している。衣服内環境を快適にするための吸汗速乾性、吸放湿性などの機能素材を市場に積極的に打ち出しているもの。(中略)ユニチカファイバーは吸汗速乾機能のポリエステル『ルミエース』と吸放湿機能ナイロン『ハイグラ』を複合した『ハイグラLU』をスポーツウエア分野に投入する。またドライタッチと吸水拡散性を併せ持つ異型断面ポリエステルスパン『スタシス』をカジュアルウエア分野に打ち出している。東レは来春夏に向けて、綿の約二倍の吸汗速乾性を持つ、ポリエステルスパンの複合紡績糸『フィオーレ』を提案し、ナイロンの吸放湿性素材『キュープ』シリーズではパウダータッチを表現した『キュープマイクロ』、高い吸水性能とドライタッチを持つ『アクアキュープ』を提案している。」

(ケ)2001年9月5日「繊研新聞」

「デサント『デサント』春夏 吸汗速乾に高撥水の高機能ジャージー発売」、「ダブルバリアは、今年春夏に発売した“衣服内の汗や湿気をコントロールして常にドライな状態にする”ドライコンポのコンセプトの商品に高撥水機能を加えたもの。」

(コ)1999年5月14日「繊研新聞」

「進化する夏物ゴルフウエア素材 吸汗・速乾など快適ドライで活性化」、「夏場のゴルフウエアといえば、何といっても汗対策。蒸し暑い炎天下でのプレーは、汗で不快になりがち。これではスコアメイクも思うに任せない。そこで有力ブランドはここ数年、吸汗・速乾を軸にした"快適ドライ機能"付き商品の開発にしのぎを削っている。今夏物では、気温や汗の量などに応じて選べる素材の提案もあり、さらに進化したゴルフウエアが勢ぞろい。機能を武器に、低迷するゴルフウエア市場でのシェア争いに拍車がかかりそうだ。」

(サ)インターネットホームページ(http://www.alba.co.jp/joho/)

「ユニクロから夏のスポーツに合った吸汗速乾のドライウエアが新登場。」

(シ)インターネットホームページ(http://www6.ocn.ne.jp/~maruya99/polo_p.html)

「特殊吸汗速乾素材で、汗を速やかに吸収し、肌側をドライに保ちます。」

(ス)インターネットホームページ

(http://www.outdoor-japan.co.jp/3goods/8a-f/31/31-2/31-2.html)

「ウエア内部をドライに保ち、独自の吸汗拡散機能で汗をかいたり、水に濡れた後の体の冷えを軽減するルミエース素材を採用。動きやすさと快適性にこどわった沢登り用ウエアです。」、「『吸収&ドライ層』と表面の『カット&ケア層』の2層構造から出来ています。」

(セ)インターネットホームページ

(http://www.yrc.co.jp/pr/html/2001/0103/0119G07.html)

「横浜ゴム(株)(社長:冨永靖雄)は、汗に対する快適性を追求したプロギアの高機能ゴルフウェア『ドライシャツ』シリーズの『ドライシャツ CPLX』2001年春夏モデルを、3月より(株)プロギア(社長:下河辺大三)を通じて発売した。販売価格は12,000円。(価格は消費税を含みません)

『ドライシャツ』シリーズは、真夏のゴルフの快適性を追求し、不快な汗のべたつき感をなくした高機能ゴルフウェア。なかでも競技志向『ドライシャツ CPLX』の2001年モデルは、通気性・換気性に優れたメッシュ素材や伸縮の大きいストレッチ素材などを使用した立体パターンを採用。また袖口に身体へのシャツの抵抗を軽減するカットを施し、スウィング性能をさらに向上させている。このほか気温、汗の量に合わせて選べる従来からの『DRY SHIRTS』『DRY SHIRTS 35°C』『DRY SHIRTS 35°C+』の2001年モデルにも立体パターンを採用。さらにフィット感に優れ、スウィングしやすい商品を展開している。」

(2)「&」の語を用いた記事

(ア)1998年7月7日「繊研新聞」

「ウオーム&ライト。温かくて軽い、縮じゅう生地を使ったジャケットやドレス、コーディネートウエアが人気を集めている。『受注を素材別に見ると、縮じゅうが断然トップ』というブランドもあるほどで、冬のファッション商戦を縮じゅう服がリードしそうだ。」

(イ)2001年11月19日「繊研新聞」

「山長(愛知県一宮市)では、来春夏物のスーツ用素材はパターンオーダー向けも含めて抑制気味だが、ジャケット用は好調だ。スーツ用では細番手のエレガンスライン(二次製品段階では小売価格七万〜八万円以上)、ジャケット用では綿シルク混などが伸びている。来秋冬物ではビンテージラインとエレガンスラインに人気がある。古着風ビンテージ加工素材の中ではドライ&ソフト加工、エレガンスラインではタキシードクロスの評判が良い。」

(ウ)1998年5月22日「繊研新聞」

「人気上昇中『クール&ウオーム』」、「あったか布地をクールにデザインしたジャケットやドレス、あったか生地とクールな光りを放つ素材を組み合わせたコーディネートルック。『クール&ウオーム』ファッションが、秋冬の人気スタイルになりそうだ。」

(エ)2002年3月7日「繊研新聞」

「クラレは二〇〇三年春夏向けスポーツ素材のテーマを『ライト&コンフォート』として、『軽量』を中心に、UV(紫外線)ケア、冷感、エコロジーなど機能素材との組み合わせを提案している。」

そうすると、我が国の一般における英語の普及程度からすれば、「WARM&DRY」の文字を「ウオーム&ドライ」の文字と同義のものと容易に理解するものと判断するのが相当であるから、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「暖かい(保温)機能と乾燥(吸汗速乾)機能を有するもの」の如き意味合いを表したものと認識するに止まり、単に商品の品質を表示するにすぎないものというべきである。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。

なお、請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の規定に該当する旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第58号証を提出している。

ところで、商標法第3条第2項の要件を備えたものとして登録が認められるのは,使用に係る商標が出願に係る商標と同一の場合であって、かつ、使用に係る商品と出願に係る指定商品も同一のものに限られると解されるものである。

しかしながら、請求人の提出した証拠を徴するに、甲第1号証ないし同第4号証、同第6号証、同第10号証ないし同第12号証及び同第18号証ないし同第20号証に記載された商標は、「W」、「A」及び「M」の各文字の態様が本願商標とは異なるものであること、甲第21号証、同第25号証、同第26号証及び同第28号証に記載された商標は、本願商標と同一の構成態様に「SPECIAL」の文字を付加したものであること、甲第29号証ないし同第56号証は、テレビジョン放送による宣伝広告を証するものであるが、いずれも使用商標の構成態様が明確でないこと、及びその他の商品カタログ、雑誌広告及び販売実績を証明する書面からなる各証拠によっては、補正後の本願指定商品の全てについて本願商標が使用されているものとは認められないことから、請求人の提出したこれらの各証拠によっては、本願商標が使用された結果、出願人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間で広く認識される程に識別力を有するに至っているものとは認めることができないから、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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