Trademark Appeal Case
「わんふろーずん」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第13731号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「わんふろーずん」の平仮名文字を横書きしてなり、第29類「食肉、食用魚介類(生きているものを除く。)、肉製品、加工水産物、加工野菜及び加工果実」を指定商品として、平成8年7月23日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『わんふろーずん』の文字を書してなるところ、冷凍食品業界においては、冷凍、解凍を繰り返さず、生の素材をその場で調理して、凍結出荷する製法を『ワンフローズン』といい、従来の方法に比べ、食品の風味を損ないにくく、鮮度が保てるため、鶏の唐揚げ、魚のフライ・刺身等に多く用いられていることからすれば、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の品質、生産の方法を表示したものとして把握、認識されるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「わんふろーずん」の平仮名文字よりなるものである。
ところで、本願商標の「わんふろーずん」を、片仮名文字で表した「ワンフローズン」が、例えば、新聞記事中に以下のように用いられている。
(1)1995年2月20日付 日本食糧新聞
「ロッテリア、ビーフパティの品質アップ」を見出しとして、「(株)ロッテリアは、『ハンバーガー』(二一〇円)、『チーズバーガー』(二四〇円)、『てりやきビーフバーガー』(二九〇円)三品のビーフパティをグレードアップさせた。・・・・・国内でパティに成形し、冷凍して店舗に届ける“ワンフローズン”に切り換えた。」との記載がある。
(2)1995年9月18日付 日食外食レストラン新聞
「業務用飲食材・紙上展示会 特別企画48選(18〜21面)」を見出しとして、「〈特徴〉ニュージーランド近海で専用鮮魚船の周年操業により漁獲された新鮮なホキを、ニュージーランドで加工したワンフローズンの笹形白身魚フライ。」との記載がある。
(3)1997年3月3日付 日本食糧新聞
「宝幸水産、『デリカ海鮮かきフライ』など冷食30品発売」を見出しとして、「宝幸水産(株)は2月5日から、業務用冷凍食品三〇品をスーパー惣菜、弁当、生協、外食、学校給食向けなどルート別に発売した。『価値観にこだわりました』をキャッチフレーズに安全、健康、新技術、ワンフローズン、産地、素材、簡便、本物にこだわり、価値観をアップした商品で、・・・・・。」との記載がある。
(4)1997年3月11日付 日刊工業新聞 20頁
「食品各社、冷凍食品の新製品を相次いで発売。副菜やデザートなど」を見出しとして、「食品各社が冷凍食品の新製品を相次いで発売した。食材の新鮮さにこだわったワンフローズン商品を拡充したり、『食卓のもう一品』として和風、中華の副菜に注力する動きが目立っている。・・・・・加ト吉(社長手島忠氏)は家庭用では、リニューアルとなる『鮮直送レストランえびフライ』がタイのシーフレッシュ社でワンフローズンで製造したもの。業務用では中国・山東省の合弁会社でつくったワンフローズンの鶏肉原料のカツ類『素材新鮮』シリーズ・・・・・味の素(社長稲森俊介氏)は家庭用で、副菜として『ちゃんと、中華』と『ちゃんと、和食』の両シリーズを投入した。この和食ではタイや中国・連雲港のグループ工場で、冷凍野菜を除いて同社初の家庭用ワンフローズン商品として提供した。」との記載がある。
(5)1998年10月2日付 日本食糧新聞
「熟成チルド原料で『熟成手造りロースカツ』など業務用冷食発売(日東ベスト)」を見出しとして、「日東ベスト(株)は、98年秋の業務用冷凍食品(新製品)一七品を導入した。〈惣菜向け〉『熟成手造りロースカツ』(一四〇・一二〇)=写真=は(1)手作り感があり、新開発技術で自然なバラツキを表現。・・・・・(3)肉のおいしさを追求した熟成原料使用、チルド原料使用のワンフローズンが特徴。」との記載がある。
(6)1998年11月13日付 日本食糧新聞
「最近の商品トレンド(冷食協まとめ)」を見出しとして、「(5)集団給食、外食産業、中食(惣菜・弁当)産業など、さまざまな分野で利用される業務用冷凍食品は、・・・・・鮮度を追求するため、冷凍工程が一回のワンフローズン、有機無農薬・減農薬栽培の野菜を使った製品など、素材の鮮度や安全性にこだわった製品が増えている。」との記載がある。
(7)1999年10月4日付 日本食糧新聞
「隠し味に魚醤『ぶり照焼(チルド)など業務用発売(極洋)」を見出しとして、「▽活じめさしみかれい=三キログラム(七〜一一枚)×二。グリーンランドハリバット(カラスガレイ)を生きじめした後すぐに凍結したワンフローズン品。・・・・・▽開きいわし(IQF)=三キログラム・・・・・銚子沖で水揚げされた獲れたてのイワシを開き、すぐに凍結したワンフローズン品。」との記載がある。
(8)2000年5月10日付 日本食糧新聞
「本紙主催『WORLD FABEX2000』展示会から」を見出しとして、「▽明治乳業(株)=タイと中国の一貫生産システムで製造した唐揚げ類、チキンの竜田揚げ類などワンフローズンの冷凍食品を展示。」との記載がある。
(9)2000年6月19日付 日本食糧新聞
「雪印乳業が家庭用冷食夏季商品発売へ」を見出しとして、「▽お手軽一品・枝豆入りつくね串、・・・・・新鮮な鶏もも肉(ワンフローズン)を使い、程良く焦げ目のついた、やわらかな食感のつくね串。・・・・・九州佐賀産の若鶏の胸肉(ワンフローズン)を、ヨーグルトと一一種類のスパイスに・・・・・。」との記載がある。
(10)2001年4月25日付 日本食糧新聞
「尾家産業、新商品を積極投入、自社ブランドの売上げ構成比30%へ」を見出しとして、「『やわらかタコ唐揚』は、ワンフローズン材料を使用して、タコを軟らかくした逸品。」との記載がある。
(11)2002年8月5日付 日本食糧新聞
「加ト吉、『えびフライ』発売40周年、販売さらに強化」を見出しとして、「同社は昭和32年から瀬戸内で獲れるエビをカクテルシュリンプに加工して輸出してきた。・・・・・44年には食感が本格的な『ソフトえびフライ』『大えびフライ』を発売すると共にシェアを拡大、さらにおいしさ鮮度を求めてタイとインドネシアでワンフローズンの生産体制を確立。」との記載がある。
(12)2003年2月17日付 日本食糧新聞
「業務用冷凍調理品『一口いか唐揚げ』発売(極洋)」を見出しとして、「▽『ささみカツ』は、中国ワンフローズン製品。良質な鶏ささみ肉を使用し、サックリしたパン粉の衣を付けた。」との記載がある。
(13)2003年3月28日付 日本食糧新聞
「業務用冷凍『暖 大きなえびたっぷりのエビカツ』発売(マルハ)」を見出しとして、「▽〈ベトナム海水養殖えびフライ〉は、海岸生産体制の充実で『ワンフローズン加工』を実現した、鮮度・おいしさ・美しさの三位一体・・・・・。▽〈唐揚げチキン〉は、新鮮な鶏肉に唐揚粉をつけてフライにしたワンフローズン品。柔らかい肉質とジューシーな食感。」との記載がある。
以上の新聞記載事実によれば、冷凍食品を取り扱う業界においては、「ワンフローズン」の文字は、「一回冷凍(冷凍工程が一回)」の意味において、食品の加工方法を表す語として、普通に使用されているものと認められる。
してみると、本願商標は、「わんふろーずん」と平仮名文字で表わされているとしても、これをその指定商品に使用したときは、その指定商品中には、冷凍のコロッケ、冷凍の加工水産物等が含まれていることからすれば、平仮名文字の「わんふろーずん」に接した取引者・需要者は、これより片仮名文字の「ワンフローズン」を直感し、「一回凍結(冷凍工程が一回)」、すなわち、食品の加工方法を表す語として認識し、理解するものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「一回だけ凍結したコロッケ、加工水産物」等の冷凍食品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に該商品の品質、加工方法を表示しているにすぎないものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
なお、請求人は、審判請求書において、「『ワンフローズン』の語は、請求人の創作に係る造語である。」旨述べているが、たとえ「ワンフローズン」の語が請求人の創作に係る造語であったとしても、該語は、請求人のみならず食品業界において、普通に使用されているものであり、取引者、需要者をして食品の加工方法を表す語として認識、理解されているというべきものであって、自他商品識別標識としての機能は果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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