結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31185(T2002−31185/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1109303号商標(以下「本件商標」という。)は、「joconde」の欧文字と「ジョコンド」の片仮名文字を上下二段に書してなり、第22類「はき物、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和47年7月13日に登録出願、同50年3月7日に設定登録され、その後、昭和60年12月23日及び平成7年4月27日の2回にわたり、商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
請求人は、「本件商標の登録はこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1.請求の理由
本件商標は、その指定商品のいずれについても継続して3年以上日本国内において使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
なお、本件商標の商標権には、専用使用権又は通常使用権は登録されていない。
2.答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証の「商標使用者の使用説明書」及びこれに添付された資料1ないし資料4について
ア.資料作成者の株式会社リサ(以下「リサ社」という。)の代表取締役は、被請求人(商標権者)と同一人物であり、これでは被請求人と同一人によって作成がされたといってよいものであるから、直ちにその内容が信用できるものではない。
イ.資料1の写真には、色違いの室内履きが片方ずつ並べられ、その甲の部分には「JOCONDE」と表示された織ネームと思われるものが置かれ、右側のブルーの室内履きには「150DX/ネイビー/161足」と表示された札が付されている。
しかしながら、商品「室内履き」は、このような甲の部分に、しかも織ネームで商標を表示することは行われておらず、そのような場合には甲の部分に直接印刷をするか、刺繍をする等して見た目にももっときれいに表示をするものである。
これでは、「JOCONDE」を使用していることを示すためにわざわざ織ネームを置いて、この使用説明書のために準備したとしかいいようがない。
また、商品販売の際には、商品番号のための札を付けることは行わない。
ウ.資料2の株式会社ワシントン靴店大宮店へのリサ社の2001年10月12日付けの受領書では、「品名・色」の欄に「150−DX ボア/ダブルソフトスリッパ」と表示がされているが、「JOCONDE」の表示は一切ない。
エ.資料3の株式会社シンコー(以下「シンコー社」という。)から、リサ社宛のファックスによる書簡についても「150DXボア」、「シープブーツ」と表示されているが、肝心の「JOCONDE」の表示は一切見当たらない。
オ.資料4の年賀はがきについても、「JOCONDE」の表示はあっても、商品「室内履き」等のはき物との関連性を窺わせる表示はなく、これでは本件商標の使用とはいえない。
カ.要するに、リサ社や被請求人である高野秀夫が作成した書面には「JOCONDE」が表示されているが、第三者が作成した書類には「JOCONDE」は表示されていない。
これでは、商品「室内履き(スリッパ)」に本件商標の「JOCONDE」が使用されていた事実を認めることはできない。
さらに、資料1の写真の室内履きは、資料4のシンコー社(但し、資料4は、友信興業(株)宛の年賀状である。上記「資料4」は「資料3」の誤記と認める。)が本来開発をした同社のオリジナル商品であった。リサ社は、上記シンコー社の下請メーカーとして当該室内履きを製造し、シンコー社に納入をしている立場にあった。
したがって、そもそも自社の商標「JOCONDE」を表示して、シンコー社に納入をするわけがないし、同様に、ワシントン靴店に対しても、シンコー社に納入しているのと同じ商品に自社の商標を付して、すなわちリサ社のオリジナル商品として納入することはありえないことである。
(2)乙第2号証の「登録商標の使用説明書」について
当該「登録商標の使用説明書」は、誰でも作成可能な単なる書面に過ぎず、本件商標の使用事実を証明することのできない証拠価値の認められないものである。
3.以上のとおり、乙各号証によっては、本件商標の使用の事実は全く認められないから、本件商標の登録は取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を、「本件商標は、登録以来現在まで通常使用権者であるリサ社において営業活動の中心ブランドとして継続使用中である。」と述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1.乙第1号証及び乙第2号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)乙第1号証(商標使用者の使用説明書)には、資料作成者として、東京都渋谷区宇田川町2番1号に所在の「株式会社リサ 代表取締役 高野秀夫」の記載があり、資料1について、営業用に使用した商品の写真、資料2について、リサ社の得意先の商品受領書、資料3について、リサ社の仕入先の商品在庫証明、資料4について、リサ社が毎年出している年賀状の文面との説明がある。
(2)乙第1号証に添付の資料1は、赤色と紺色のスリッパ片方ずつの写真であるところ、それぞれのスリッパの甲の部分に、「JOCONDE」の文字が表示された織りネームと思しきものが貼付されている。
また、紺色のスリッパの横には「150DX ネイビー 161足」の記載がある札が付されている。
(2)同資料2は、株式会社ワシントン靴店大宮店がリサ社に宛てた2001年(平成13年)10月15日(受取)の受領書であるところ、「品名・色」欄には、「150−DX ボア/ダブルソフト・スリッパ」の記載がある。
(3)同資料3は、リサ社の仕入先であるシンコー社からリサ社に宛てた平成13年11月28日付け商品在庫証明と認められるところ、冒頭部分に「毎度お世話になっております。早速ですが、下記の件宜しくお願い致します。」との記載があり、「記」として、その下に「下記、在庫です。/150DXボア/レッド 15足、グレー 2足」などの記載がある。
(4)同資料4は、被請求人が神戸市に所在していた友信興業株式会社に宛てた平成12年の年賀状であるところ、裏面には、「JOCONDE」、「株式会社リサ」などの記載がある。
(5)乙第2号証(商標登録の使用説明書)には、商標の使用者及び商標権者との関係として「リサ社/通常使用権者」、商標の使用に係る商品名として「スリッパ」などの記載とともに乙第1号証に添付の資料1の写真が表示されている。
2.前記1.で認定した事実を総合すると、被請求人は、本件商標の商標権について、リサ社に通常使用権を許諾していたと推認することができ、リサ社は、本件審判の請求の登録日(平成14年11月20日)前3年以内である2001年(平成13年)10月15日に、株式会社ワシントン大宮店に品番「150DX(150−DX)」のスリッパを納品したこと、品番「150DX(150−DX)」とするスリッパには、本件商標と社会通念上同一と認められる「JOCONDE」の商標が使用されていたことが認められる。(使用に係る商標「JOCONDE」が本件商標と社会通念上同一であることについては、当事者間に争いがない。)
してみると、通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品に含まれる「スリッパ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたと認め得るところである。
3.請求人の主張について
(1)請求人は、乙第1号証に関し、資料作成者のリサ社の代表取締役は、被請求人と同一人物であるから、その内容は信用できない旨主張する。
しかしながら、商標権者が自己の所有する登録商標の商標権について、その経営する会社に使用許諾をすることは、普通一般に行われているところであるから、本件における商標使用者の使用説明書(乙第1号証)について、商標使用者の代表者と商標権者とが同一人であることをもって、該説明書の内容が信用できないとする請求人の主張は理由がないばかりでなく、乙第1号証に添付された取引書類等が虚偽のものであると認めるに足りる確たる証拠はない。
(2)請求人は、使用に係る商品「スリッパ」につき、その甲の部分に、しかも、織ネームで商標を表示することは行われておらず、そのような場合には甲の部分に直接印刷をするか、刺繍をする等して見た目にももっときれいに表示をする旨主張し、さらに、商品販売の際には、「150DX」などと記載された商品番号のための札を付けることは行わない旨主張する。
しかし、スリッパの甲の部分に、織ネームで商標を表示する方法が一般的でないと認めるに足りる証拠は見出せないばかりでなく、このような表示方法が見た目にきれいでないかどうかの評価は主観的な問題といわざるを得ない。また、資料1における「150DX」などが記載された札は、請求人主張のとおり、実際の取引においては商品に付されることはないものと考えられるが、一般的に、取引の実際においては、商品の品番のみをもって取引が行われる場合が多く、本件においても、取引上使用される品番と使用に係る商品とが一致していることを明らかにするために、写真上に表示したものと推認することができる。
(3)請求人は、乙第1号証に添付された資料1ないし資料4に関し、使用に係る商標「JOCONDE」と使用に係る商品「スリッパ」との関連性がなく、該商品に本件商標が使用されていた事実を認めることはできない旨主張する。
しかし、前記したとおり、取引の実際においては、一般的に品番等をもってなされる場合が多く、それがために資料1において品番を表示したスリッパの写真を示したと認められるところであって、資料1ないし資料3を総合すれば、使用に係る商品「スリッパ」には商標「JOCONDE」が使用されていたものと容易に推認することができるのである。
(4)請求人は、リサ社は、シンコー社の下請メーカーとしてスリッパを製造し、シンコー社に納入をしている立場にあったから、自社の商標「JOCONDE」を表示して、シンコー社に納入をするわけがないし、同様に、ワシントン靴店に対しても、シンコー社に納入しているのと同じ商品に自社の商標を付して、納入することはありえない旨主張する。
しかしながら、乙第1号証に添付の資料3に記載された文面からは、シンコー社が在庫する商品を納入先であるリサ社に通知する、といった内容を窺い知ることができ、これに反する事実を認めるべき証拠は見当たらない。
(5)したがって、請求人の上記主張は、いずれも理由がなく、他に前記2.の認定を覆すに足りる証拠の提出はない。
4.むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標をその指定商品中の「スリッパ」について使用していたことを証明したということができるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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