1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,その他の電子応用機械器具」を指定商品として、平成12年1月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、イタリア国北部の地名『MIRANO』の欧文字を商標の構成中に有するから、これをイタリア国産以外の商品に使用するときは、商品の品質についての誤認を生じるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「iOffice MILANO」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「MILANO」の文字部分がイタリア国北部の都市の地名であるとしても、その指定商品である「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,その他の電子応用機械器具」については、その商品の品質や特性が地理上の産地に起因して決せられるとは考え難い分野であるほか、例えば、ファッション分野において同地やフランスのパリなどが中心地や憧れの地と称されているように、本願商標の指定商品の分野で「MILANO」の都市が特段の社会的評価を受けているとすべき事情を見出すこともできない。
しかも、イタリアの「MILANO」は、「コンサイス外国地名事典〈改訂版〉」(発行者 株式会社三省堂)によれば、「イタリアの経済の中心地」、「道路・鉄道網の結節点」、「商業・金融業の中心地」とあり、その他、各種の工業が発達している旨の記載もあるが、特段、本願商標の指定商品の生産などが盛んとするような記載を見出すことは出来ないものである。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、「MILANO」の文字部分がイタリア国北部の都市の地名であると理解したとしても、それを、直ちに、商品の産地を表示するものとして認識するということはできず、むしろ、商品の販売地や経由地として認識するか、または、「MILANO」の文字の前に「事務所、会社」を意味する語として親しまれている「Office」の文字があることから、事務所や会社の所在地として認識するとみるのが自然である。
してみれば、本願商標は、その構成中の「MILANO」の文字部分が商品の産地を表示するものとして認識されるということができないのであるから、イタリア国産以外の商品に使用したとしても、その商品が恰もイタリア製であるかのごとく商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるということはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
なお、原審においては、平成12年11月29日付けをもって、平成11年商標登録願第108328号商標を引用し、「これが登録されたときに本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当することとなる」旨の拒絶理由を通知していたところ、引用商標が本願の査定後に登録第4447120号として設定登録された。しかし、引用商標の指定商品が設定登録の前に減縮補正された結果、本願商標と引用商標の指定商品は互いに抵触しないものとなったから、その引用商標をもって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。