第1 本件商標
本件登録第4408496号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年6月10日に登録出願され、商標の構成を標準文字による「トフィー」の片仮名文字とし、指定商品を第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,かつお節,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,油揚げ,豆腐,食用たんぱく」及び第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,しょうゆ,すりごま,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,すし,氷,酒かす」として、平成12年8月11日に商標権の設定登録がされたものである。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。
1 請求の利益について
本件商標は、砂糖・バターなどで作るキャラメル風の菓子を意味する「taffy」の表音たる「トフイー」よりなり、したがって、前記菓子以外の商品・例えば「コーヒー及びココア,コーヒー豆」について使用するときは、需要者に商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、菓子業界のみならず菓子類を製造販売している請求人にとっても同一又は類似の商標を使用できなくなり、引いては混乱をきたすことにもなることから、請求人は本件審判請求をするにつき、利害関係を有するものである。
2 無効理由について
本件商標は、「砂糖・バター・ナッツ類などから作るキャラメル風の菓子」を指称する語として一般に知られている「taffy(toffee・toffy)」に通じるものである(甲第2号証ないし甲第4号証参照)。特に、本件商標の出願審査時において、前記した趣旨の拒絶理由通知書(甲第2号証参照)が発せられ、指定商品の一部が削除補正されてはいる。
しかしながら、未だに本件商標の指定商品中、例えば、「コーヒー及びココア,コーヒー豆」は、前記した菓子と流通経路等を共通にするところから、その指定商品について本件商標を使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
3 むすび
以上の次第であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
第4 被請求人は、答弁するところがない。
第5 当審の判断
本件審判事件についてした平成14年8月20日付け審決に対し、東京高等裁判所においてなされた、請求が成り立たないとした審決の部分を取り消す旨の判決(平成14年(行ケ)第486号)は、確定している。
そして、上記判決によれば、結論において、本件商標の指定商品である第29類「豆腐」及び第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),穀物の加工品」のうち、キャラメル又はキャラメル風の菓子が香料、添加物又は副材料として利用されていないものについて、本件商標が使用されたとすれば、商標法4条1項16号に該当する事由があるというべきであるから、これらの指定商品については、本件商標の登録を無効とすべきものである。したがって、これと結論を異にする本件審決の部分は、違法というべきであり、取消しを免れない。 と判断されている。
然るに、審決を取り消す判決が、その事件について当事者たる行政庁である特許庁を拘束することは、行政事件訴訟法第33条第1項の規定から明らかである。
そうすると、本件商標はその指定商品中、第29類「豆腐」及び第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),穀物の加工品」については、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、結論掲記の商品について、商標法第46条第1項の規定により、無効とする。
よって、結論のとおり審決する