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Trademark Appeal Case

不使用取消の指定商品範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30716(T2002−30716/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2552535号商標(以下「本件商標」という。)は、「VALUE PLUS」の欧文字と「バリュープラス」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成3年1月14日登録出願、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令別表に基づく第1類(以下「旧第1類」という。)「歯科用陶材、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成5年6月30日に登録、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『その他本類に属する商品』に係る商標登録を取り消す」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、商品の区分は「旧第1類」、指定商品は「歯科用陶材、その他本類に属する商品」である。

しかし、本件商標権者(株式会社 松風)は、歯科用材料や歯科用器具の製造、販売を業とする企業であるから、歯科用陶材について本件商標を使用することはあっても、それ以外の「その他本類に属する商品」に使用する必要性はなく、また、請求人は、本件商標権者又は権利者から使用許諾を取得した者が本件商標を「その他本類に属する商品」について継続して3年以上日本国内において使用したという事実を知らない。

よって、本件商標は指定商品のうち「その他本類に属する商品」について商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人の提示する乙第1号証なるものは、そもそも証拠としての形態をなしていない。

すなわち、「2001→2002松風総合カタログ」は常識的には使用されているという感じはするが、「商標が付された商品を撮影した写真」と称するものは、本当に写真撮影されたものが流通していたという証拠はない(パソコンで作成した紙を貼りつけても撮影はできる)。

したがって、乙第1号証によって本件商標が「歯科金属焼付用陶材」の分野に使用しているものとは認められない。

百歩譲って前記写真によりその写真に写っているものが使用されていたとしても、それは、写真Aは「VALUE PLUS OPAQUE」が、写真Bは「VALUE PLUS OPAQUE」が、写真Cは「VALUE PLUS OPAQUE」が、写真Dは「バリュープラス」が使用されていることを示すにとどまり、本件商標である「VALUE PLUS/バリュープラス」が使用されていることにはならない。

乙第2号証の商標が付された商品を撮影した写真は、本当にこのものが流通していたことを示す証拠にはならない。

また、乙第2号証のカタログコピーと称するものには「歯科金属焼付用陶材」の分野で「ヴィンテージ ハロー バリュープラス ポーセレンセット」とか「VALUE PLUS PORCELAIN SET」と表示したものが存在することは一応認められる。

しかし、これをもって本件商標の「VALUE PLUS/バリュープラス」が使用されていたことにはならない。

以上のとおりであるから、本件商標は不使用であり、取消しを免れない。

被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証を提出して、本件商標を「歯冠修復用合成樹脂」及び「歯科金属焼付用陶材」に使用している旨主張している。

仮に被請求人の主張のとおり、本件商標が歯科用材料の大手メーカーである商標権者特有の技術分野である「歯冠修復用合成樹脂」及び「歯科金属焼付用陶材」に係る商品に使用されているとしても、本件商標は、請求人が取消しを求めている「その他本類に属する商品」についての使用は全く立証されていない。そして「その他本類に属する商品」と「歯冠修復用合成樹脂」及び「歯科金属焼付用陶材」との間には全く類似の関係もない。

よって、「その他本類に属する商品」については不使用であり、取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

(1)本件商標の使用状況について

被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標をその指定商品中の「歯冠修復用合成樹脂」及び「歯科金属焼付用陶材」に使用している。

そして、上記事実は、被請求人が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品「歯冠修復用合成樹脂」を、遅くとも、平成13年1月から現在に至るまで日本国内において継続して製造・販売していると共に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品「歯科金属焼付用陶材」を、遅くとも、平成13年1月から現在に至るまで日本国内において継続して製造・販売していることを示す「登録商標の使用説明書(1)」(乙第1号証)及び「登録商標の使用説明書(2)」(乙第2号証)によって立証できる。

(2)登録商標の使用説明書(1)について

先ず、「登録商標の使用説明書(1)」(乙第1号証)に添付の商品カタログ「2001→2002松風総合カタログ:表紙,第42頁,奥付け及び裏表紙(写し)」は、その「奥付け」の記載から明らかなとおり、被請求人が2001年(平成13年)1月に発行し、現在も使用中のものであり、その「第42頁」に被請求人の製造・販売に係る商品「歯冠修復用合成樹脂」を掲載しており、該商品の内には、同頁右側最上段の枠内における「ソリデックス オペーク...VpO(バリュープラスオペーク)...包装・価格/2ml¥4,100」なる記載によって商品が特定されている。

なお、被請求人は、「第42頁」の全記載によって明らかなとおり、商品「歯冠修復用合成樹脂」のシリーズブランド(商標)として「ソリデックス/SOLIDEX」を使用しており、当該シリーズに属する各商品に商標「ソリデックス/SOLIDEX」を表示すると共に、その用途に応じて「オペーク/Opaque(不透明)」、「ベース/Base(下地)」、「ボディー(母体)」等の用途を示す語を併記してグループ分けし、グループ分けした各商品に個別ブランド(商標)又は商品記号を表示している。

そして、「写真A〜D」に映っている上記各表示中の「VALUE PLUS ...」及び「バリュープラス」の各文字が、前述の個別ブランド(商標)である。

本件商標の構成が、「VALUE PLUS」及び「バリュープラス」の各文字を上下二段に横書きしてなるのに対し、「写真A〜D」に映っている個別ブランド(商標)の使用態様は「VALUE PLUS OPAQUE」及び「バリュープラス」の各文字を、その間に横書きの他の文字を介在させて横書きにて表示しているものであり、本願商標の構成と当該個別ブランド(商標)の使用態様とは一致していない。

しかし、当該個別ブランド(商標)の使用態様が本件商標の使用と認められるべきものであることは明白である。

何故なら、商標法第50条には「...登録商標(...当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)...」旨が規定され、その運用に当っては、「登録商標が二段併記の構成からなる場合であって、上段及び下段の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用が登録商標の使用」と認められており、本件商標は「VALUE PLUS」なる英語とその片仮名文字による発音表記「バリュープラス」とを上下二段併記している構成であって、下段の「バリュープラス」部から上段の「VALUE PLUS」部のもつ語意以外の観念が生ずることはあり得えないので、上段及び下段の各部から生ずる観念が同一であることは明らかであり、「写真A〜D」中の「写真D」に映っている商品の容器には「バリュープラス」の文字からなる商標が他の文字を伴なうことなく横書きに表示されているからである。

したがって、「登録商標の使用説明書(1)」(乙第1号証)に添付の商品カタログ「2001→2002松風総合カタログ:表紙,第42頁,奥付け及び裏表紙」と「写真A〜D」とにより、被請求人が本件商標と社会通念上同一と認められる商標「バリュープラス」を付した商品「歯冠修復用合成樹脂」を、遅くとも平成13年1月から現在に至るまで日本国内において継続して製造・販売している事実を立証できたものと確信する。

(3)登録商標の使用説明書(2)について

次に、「登録商標の使用説明書(2)」(乙第2号証)に添付の商品カタログ「2001→2002松風総合カタログ:表紙,第14頁,奥付け及び裏表紙(写し)」は、その「奥付け」の記載から明らかなとおり、被請求人が2001年(平成13年)1月に発行し、現在も使用中のものであり、その「第14頁」の下段に被請求人の製造・販売に係る商品「歯科金属焼付用陶材」を掲載しており、該商品の内には、同頁下段の枠内における写真と「ヴィンテージ ハロー...バリュープラスポーセレンセット...セット内容/15g:11色...」なる記載とによって商品が特定されている。

そして、「写真A〜C」に映っている上記各表示中の「VALUE PLUS」及び「バリュープラス...」が前述の個別ブランド(商標)である。

したがって、「登録商標の使用説明書(2)」(乙第2号証)に添付の商品カタログ「2001→2002松風総合カタログ:表紙,第14頁,奥付け及び裏表紙」と「写真A〜C」とにより、被請求人が本件商標と社会通念上同一と認められる商標「VALUE PLUS」を付した商品「歯科金属焼付用陶材」を、遅くとも平成13年1月から現在に至るまで日本国内において継続して製造・販売している事実も立証できたものと確信する。

(4)本件取消請求に係る商品について

本件商標は、旧第1類「歯科用陶材、その他本類に属する商品」を指定商品とするものである。

請求人は、本件商標の指定商品中、「その他本類に属する商品」に係る商標登録を取り消すとの審決を求めている。

被請求人は、「登録商標の使用説明書(1)」(乙第1号証)及び「登録商標の使用説明書(2)」(乙第2号証)をもって立証したとおり、本件審判の請求の登録(平成14年7月10日)前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を指定商品中の「歯冠修復用合成樹脂」及び「歯科金属焼付用陶材」に使用している。

商品「歯科金属焼付用陶材」は請求人が本件取消請求に係る商品から除かれている商品「歯科用陶材」の範疇に属するが、商品「歯冠修復用合成樹脂」は商品「歯科用陶材」の範疇には属さない。

したがって、本件取消請求に係る「その他本類に属する商品」の中には商品「歯冠修復用合成樹脂」が含まれている。

(5)まとめ

被請求人は、前(1)〜(3)項で述べたとおり、被請求人が本件審判の請求の登録(平成14年7月10日)前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を指定商品中の「歯冠修復用合成樹脂」及び「歯科金属焼付用陶材」に使用している事実を「登録商標の使用説明書(1)」(乙第1号証)及び「登録商標の使用説明書(2)」(乙第2号証)によって立証した。

本件取消請求に係る「その他本類に属する商品」中に商品「歯冠修復用合成樹脂」が含まれている以上、本件商標には、商標法第50条第2項の規定により、商標登録取消しの理由が存在しないことは明白である。

4 当審の判断

本件審判において被請求人より提出された乙第1号証についてみるに、これは「2001→2002松風総合カタログ」の表題がされ、その下に「SHOFU」の欧文字が大きく書された商品カタログと認められるものであり、その第42頁には「歯冠修復用合成樹脂」と右上に表示されていて、この頁に掲載されている商品にはいずれも代表的な商標と認められる「ソリデックス」及び「SOLIDEX」の商標が付されており、かつ、各商品には、さらに、いくつかの個別商標が付された商品が紹介されている。

そして、乙第1号証の最終頁には、先の個別商標が付された商品の拡大写真(A〜D)があり、このうち写真Dの商品のボディーには「ソリデックス」の商標の下に本件商標と社会通念上同一と認め得る商標「バリュープラス」が表示され、さらにその下部に「株式会社松風」と表示されたラベルが貼付されていることが認められる。

また、このカタログの裏表紙には、発行元(本件商標権者)の「株式会社松風」の商号と共にその住所と電話番号並びに支社、各営業所の所在地と電話番号等が印刷されていることが認められる。

しかして、このカタログは、その表紙の「2001→2002松風総合カタログ」の表題から、本件審判請求の登録(平成14年7月10日)前3年以内に商品「歯冠修復用合成樹脂」が取引に付されたことを証明するものと認め得るものである。

なお、請求人は弁駁書において、「歯冠修復用合成樹脂」なる商品が使用されているとしても、請求人が取消しを求めている「その他本類に属する商品」についての使用は証明されていない旨を主張している。

しかしながら、本件商標の商品の区分及び指定商品は、前記したとおり旧第1類「歯科用陶材、その他本類に属する商品」であって、上記のとおり本件商標を使用したものと認められる商品「歯冠修復用合成樹脂」は、旧第1類に属する商品と認められるものであり、かつ、「歯科用陶材」以外の「その他本類に属する商品」について使用しているものとみるのが相当であるから、請求人の上記主張は採用することができない。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)により本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「歯冠修復用合成樹脂」について、使用されていたものと認めることができる。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「その他本類に属する商品」についての登録を取り消すべきものではない。

よって、結論のとおり審決する。

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