sokuhyo

Trademark Appeal Case

医療用語結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−11240(T2001−11240/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本1 本願商標

本願商標は、「TOTAL APHERESIS」の欧文字を標準文字を用いて横書きしてなり、第10類「血液処理装置・その他の医療用機械器具」を指定商品として、平成12年1月14日(パリ条約による優先権主張 1999(平成11)年7月28日(US)アメリカ合衆国)に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原審は、「本願商標は、その構成中の「TOTAL」の文字は「全部の、総合的な」等の意味を有する平易な英語であり、また、「APHERESIS」の文字は、医学の分野においては「必要な細胞又は液性成分を除去した後に、再び患者の血液自身を患者自身に輸注すること」の意味を有する語(例えば、「ステッドマン医学大辞典」115頁(メジカルビュー社発行))であり、商品との関係においても「血液成分分離装置」を表す英語として「cell separater,apheresis system」が用いられていること(例えば、「南山堂医学大辞典」536頁((株)南山堂発行))に照らせば、これを指定商品中、血液成分分離装置等、上記文字に照応する商品に使用するときは、「総合的に血液を成分分離し、輸注する商品」等の如く理解させるにとどまり、単に商品の品質、用途を表示するにすぎない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する」旨を認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記1のとおりの文字よりなり、その構成中の「TOTAL」の文字部分は、「総合的、全体的」といった意味合いを表す英語であって、我が国でも、単独又は他の語に冠して該意味合いを表す語として親しまれており、後半の「APHERESIS」の文字部分は、「必要な細胞又は成分を除去した後に、再度血液を患者自身に戻すこと」を意味する医学用語として使用されている語であることが、原査定のなお書き中に示した文献の他、例えば以下の文献の記載により認められる。

(1)広辞苑第5版((株)岩波書店刊)の「トータル【total】」の項における2番目の語意説明「全体的。総合的。「―に考える」」の記述

また、「トータル○○○」の語については、例えば「コンサイスカタカナ語辞典((株)三省堂刊)」、「現代用語の基礎知識2003年版((株)自由国民社刊)」、「imidas2003((株)集英社刊)」及び「知恵蔵2003年版((株)朝日新聞社刊)」等の用語辞典に多数収録されている。

(2)医学英和大辞典((株)南山堂刊)の「apheresis」の項における語意説明「アフェレーシス・・・患者自身に戻すこと).」の記述

(3)ドーランド図説医学大事典第28版((株)廣川書店刊))の「apheresis」の項における語意説明「アフェレーシス.供血者から・・・血小板除去血輸血なども含む.」の記述

また、以下に示した当審で職権をもって調査したインターネットホームページの記載によれば、「APHERESIS」の語又はそのカタカナ表示と認められる「アフェレシス/アファレーシス」の語が、上記意味合いにおいて医療の場において使用されていることが認められるものである。

(4)(株)日本メディカルセンターの提供に係るホームページにおける、同社が発行する定期刊行誌「臨牀透析」の「1999年 Vol15」中の特集記事「アフェレシス/Apheresis」の特集目次の記述(http://www.nmckk.co.jp/japanese/html/journal/jjcd/vol15/ls_1506.htm)

(5)(株)日本抗体研究所の提供に係るホームページにおける「IBD書籍情報」中の「9.アファレシスマニュアル」に関する書籍情報(「クリニカルエンジニアリング別冊 アフェレシスマニュアル 血漿浄化による難治疾患の治療」著者名:日本アフェレシス学会編集 出版社:秀潤社)の紹介記事の記述(http://www.jimro.co.jp/IBD/04.ibd_kanjya/01.books/02.senmon/s_009.htm)

※「日本アフェレシス学会」に関してはhttp://gakkai.umin.ac.jp/gakkai/gakkai/2002/A00678.htm又はhttp://medwave.nikkeibp.co.jp/nm/gakkai/afe.shtmlを参照

(6)京都市山科区所在の「洛和会音羽病院」を始めとする医療グループ「洛和会」の提供に係るホームページにおける「診療科紹介」中の「洛和会音羽病院 神経内科」の紹介記事中の「診療内容 成績」の項における「ギラン-バレ症候群、重症筋無力症など急速に進行する免疫性神経疾患や、薬物中毒、肝性脳症など中毒性、代謝性脳症に対しては当院のアフェレシス部門で常時緊急の血液浄化療法が可能」の記述(http://www.rakuwa.or.jp/sinryoka/otowa/shinkei.htm)及び同「腎臓内科」の紹介記事中の「研究テーマ」の項における「家族性高コレステロールに対してのLDLアフェレーシス」の記述(http://www.rakuwa.or.jp/sinryoka/otowa/jinzou.htm)並びに同病院の付属施設「ASOセンター(末梢循環改善センター)」の紹介記事中の「治療」の項における「LDLアフェレーシス」の記述(http://www.rakuwa.or.jp/otowa/senmon/aso/chiryo.html)

これらの事情を勘案すれば、本願商標からは、全体として「総合的なアファレーシス」の意味合いを理解させるというのが相当であって、本願商標を、その指定商品中の、例えば「血液成分分離装置」のような、「アファレーシス」の為に用いられる機器について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、その商品が、例えば、種々の成分分離に対応できるとか、採血〜分離〜輸血の手順を総合的に行える等の、総合的な機能を持つ機器であるといった、商品の品質(機能、効能又は用途)を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないものというべきであり、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

なお、請求人は、登録例(参考資料2)及び外国における登録事例を挙げて本願商標の登録適格性を主張しているが、本願商標が商品の品質を表すものであることは前述のとおりであり、過去の登録事例は、その商標の具体的構成及びその指定商品において本願商標とは事案を異にし、かつ、昨今の上記機器の取引の実情に照らしてみれば、本願については前記認定を相当とするものであって、また、我が国と外国とは制度を異にするものであり、本願商標が商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に該当するものであることは先に述べたとおりであるので、それら事例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でないから、その主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。