結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30564(T2002−30564/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4003784号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピカッシュ」の片仮名文字を縦書きしてなり、第3類「石けん類」を指定商品として、平成6年12月27日に登録出願、同9年5月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、これを取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べた。
1.請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標を平成6年12月27日以前より、通信販売及び生活協同組合、東急ハンズ、ガソリンスタンド等で洗浄剤として販売しているとして、乙第1号証の1ないし4及び乙第2号証を提出しているので、以下、これら証拠について検討する。
ア.乙第1号証の1
1997年のカタログとすれば、過去3年以内の使用実績を証し得ないことは明らかである。
イ.乙第1号証の2
上記ア.と同じく、過去3年以内の使用実績を証し得ないことは明らかである。
ウ.乙第1号証の3
当該チラシに掲載されている事項は次のとおりである。
(a)「お掃除くらぶ」と題され、「2000年冬の増刊号」、「LIVING ESSENCE 夢通信」の記載がある。
(b)当該チラシの発行元は不明である。
(c)申込番号H0306において、「ピカッシュジェルタイプ2本組」の商品が掲載されており、「駅・病院・ホテルなどで使われている陶器用研磨洗浄剤」であるとしている。容量は300g×2本である。当該商品の製造者・販売者は不明である。
(d)申込番号H0307において、「ピカッシュ フローリングワックス」の商品が掲載されており、「高級感あふれる光沢でフローリングを保護」と表示されている。内容量は500mlである。当該商品の製造者・販売者は不明である。
そうすると、被請求人は、2000年12月の生協カタログであると主張するが、その発行元は不明であり、2000年12月に実際に生協が配布したカタログであることは何ら立証されていない。また、申込番号H0306、申込番号H0307で示される商品の製造者・販売者は不明であり、被請求人の商品であることは何ら立証されていない。さらに、申込番号H0307の商品は、フローリング用のワックスであり、本件商標に係る指定商品とは無関係である。
したがって、乙第1号証の3が本件商標の使用実績を示すものとして何ら有効な証拠でないことは明白である。
エ.乙第1号証の4
当該チラシに掲載されている事項は次のとおりである。
(a)「お掃除くらぶ」と題され、「2001年冬の増刊号」、「LIVING ESSENCE 夢通信」の記載がある。
(b)「2001年お掃除くらぶ申込書」において「コープながの職域事業部行」の記載があるが、当該チラシの発行元は不明である。
(c)申込番号YO13において、「ピカッシュ2本組」の商品が掲載されており、「陶器の輝きを取り戻して除菌も出きる!!駅・病院・ホテルなどで使われている陶器用研磨洗浄剤」であるとしている。容量は300g×2本である。当該商品の製造者・販売者は不明である。
そうすると、被請求人は、2001年12月の生協カタログであると主張するが、その発行元は不明であり、2001年12月に実際に生協が配布したカタログであるのか何ら立証されておらず、どこかの業者が配布を予定して印刷したにすぎないものという可能性も残っている。また、申込番号YO13で示される商品の製造者・販売者は不明であり、被請求人の商品であることは何ら立証されていない。
したがって、乙第1号証の4が本件商標の使用実績を示すものとして何ら有効な証拠でないことは明白である。
オ.乙第2号証
記載事項を見れば、平成14年の「アポロサービス株式会社」(以下「アポロサービス」という。)に対する売掛帳ということであろうが、6月28日に「ピカッシュ500g 1本」が2セット、9回にわたって販売され、7月10日に「ピカッシュ500g 1本」が6セット販売されたかのような内容を示している。
しかしながら、極めて雑なメモ帳のようなものにすぎず、しかも、被請求人が作成したと思われるものであり、これのみをもって実際にアポロサービスに対して「ピカッシュ500g」が同時期に被請求人から納入・販売されたことが証明されているとはいえない。当該売掛帳が被請求人の帳簿であることも立証されていない。しかも、「ピカッシュ500g」とは如何なる商品かも全く不明である。仮に乙第1号証との関連性で見るならば、内容量500gの商品は「ピカッシュ フローリングワックス」であって本件指定商品とは無関係である。
(2)以上のとおり、答弁の理由及び乙各号証は、本件商標をその指定商品に使用した事実を見出だすことはできない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証(枝番を含む。なお、乙第1号証の枝番には「その1」のように表示されているが、「乙第1号証の1」として表示した。また、「乙第2号証その1」は、「乙第2号証」として表示した。)を提出した。
1.使用の事実
(1)本件商標は、本件商標の登録出願前より通信販売及び生活協同組合、東急ハンズガソリンスタンド等々で洗浄剤として販売している。
(2)乙第1号証の3(ちらし)について
乙第1号証の3の発行者、及び本件商標が使用された商品「陶器用研磨洗浄剤」の使用者は、いずれも商標権者である。
なお、乙第1号証の3は、乙第1号証の4と同様の証拠であるから、詳細は、後記「乙第1号証の4ついて」で記述する。
(3)乙第1号証の4(ちらし)について
乙第1号証の4の発行者、及び本件商標が使用された商品「陶器用研磨洗浄剤」の使用者は、乙第1号証の3と同様にいずれも商標権者である。
すなわち、乙第1号証の4は、本件商標権者が広告原稿を作成し、全国学校生協にこのちらしを提案し、ちらしの部数を受注して印刷業者である株式会社フィフティ・ファースト(以下「フィフティ・ファースト」という。)に印刷を依頼して印刷し、これを受注した生協にそれぞれ発送し、各生協が組合員にこのちらしを配布して商品の受注を受け、商標権者の配送センターが各組合員に個別に商品を直送するというルートをとっている。
ここに、上記事実を立証するために、乙第1号証の4の印刷に関して、フィフテイ・ファーストが、商標権者に対して発行した2001年11月30日付の請求書を乙第3号証として提出する。乙第3号証の品名欄には、乙第1号証の4を特定する「2001.11.30 お掃除クラブ B4−4Pチラシ−377100部一式」の記載がある。
さらに、上記ちらしの部数を受注して各生協に発送した事実を立証するために発送先のリストを乙第4号証として提出する。乙第4号証の項目欄には、乙第1号証の4を特定する「B4・刷込み」及び「品名:2001年お掃除くらぶ」の記載がある。
また、商標権者の配送センターが、各組合員に個別に商品を直送した事実を立証する商品「ピカッシュ」が記載された宅急便の御客様控えを、乙第5号証の1及び2としてそれぞれ提出する。乙第5号証の1及び2の品名欄には、「ピカッシュ2P×1」の記載がそれぞれある。
(4)乙第2号証(売掛帳)について
乙第2号証の所有者は、商標権者自身であり、この「売掛帳」に記載されたアポロサービスは、商標権者の顧客である。この事実を立証するために、アポロサービスの商標権者に対する支払通知書を乙第6号証として提出する。
(5)乙第7号証ないし乙第12号証(商品のラベル及び包装箱)
これらの証拠は、本件審判請求の登録日(平成14年6月12日)前3年以内に取引があった事実を客観的かつ明確に認めることができるものである。
ア.乙第7号証ないし乙第12号証に添付したラベル及び包装箱には、片仮名の横書きにて「ピカッシュ」と記載され、本件商標の指定商品「石けん類」に属する商品である「陶器用研磨洗浄剤」が記載され、かつ、商標権者の名称「有限会社さいと」及びその住所も記載されている。さらに、これらの証明書からは、早いものでは平成6年12月ころ(例えば、乙第9号証)から、また、遅くとも平成10年12月ころ(例えば、乙第7号証)から本件商標を付した商品が販売・納品されていた事実が明白である。
とりわけ、乙第7号証の証明者は、セゾングループに属する会社「株式会社セゾンダイレクトマーケティング」(以下「セゾンダイレクト」という。)であり、この会社を通じて、本件商標を使用した商品を継続して販売していることが明らかである。
イ.上記乙第7号証に関連して、セゾングループの通信販売カタログ「快適生活大研究」(2000年秋号;乙第8号証)を提出する。乙第8号証は、75頁下段中央欄には、商標権者の販売に係る「陶器用研磨洗浄剤ピカッシュ」の表題のもとに左下に「ピカッシュ」の商標が貼着された2本の円筒状プラスチック容器が掲載されている。
もとより、乙第8号証の広告記事のみでは、本件商標の使用者が商標権者であることは確認できないが、上記乙第7号証添付のラベルと比較すれば、全く同一のものであることが容易に確認できる。してみると、この広告により商標権者が、本件商標を「陶器用研磨洗浄剤」に付して販売していることも明白である。
ウ.乙第9号証の証明者「株式会社ファーマント」を介して商標権者は、当該商品を東急ハンズに納品している。
エ.乙第10号証ないし乙第12号証によっても、本件商標の使用は明白である。
2.むすび
したがって、本件商標に関する限り、商標権者が当該指定商品について継続して3年以上日本国内に使用していないことは全くない。
ちなみに、本件商標は、商標権者にとって特にメインの商標であり、かつ、「陶器用研磨洗浄剤」は、その販売数からも社運を賭けた画期的商品でありますことを付言する。そして、本件商標は、商標権者の幅広い使用により既にかなりの信用が蓄積されており、特別の財産的価値が生じていると確信する。
1.乙第1号証の3及び4、乙第3号証ないし乙第5号証の1及び2、乙第7号証ないし乙第12号証及び答弁の理由によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証の3は、「お掃除くらぶ」なる通信販売のちらしと認められるところ、「2000年冬の増刊号」の記載があり、「ピカッシュ」の文字を横書きに表示した「ツヤ出しワックス」及び「陶器用研磨洗浄剤」の写真が掲載されている。
(2)乙第1号証の4は、「お掃除くらぶ」なる通信販売のちらしと認められるところ、「2001年冬の増刊号」の記載があり、「ピカッシュ」の文字を横書きに表示した「陶器用研磨洗浄剤」の写真が掲載されている。
また、同ちらしの「2001年お掃除くらぶ申込書」欄には、「コープながの職域事業部 行」、「お申込締切日 12月31日(月)」などの記載がある。
(3)乙第3号証は、フィフティ・ファーストが神奈川県横浜市保土ヶ谷区川島町1238に所在の「有限会社さいと」(被請求人)に発行した2001年11月30日付けの請求書であるところ、その品名欄には、「2001.11.30 お掃除クラブ/B4−4Pチラシ−377100部一式」の記載がある。
(4)乙第4号証は、ちらし頒布先リストと認められるところ、「B4・刷込み」、「品名:2001年 お掃除クラブ」との表題があり、「得意先名」、「部数」、「納品日」及び「宛名」の各欄には、「コープながの(職域)」、「12,800」、「10月15日」及び「コープながの 職域事業部」の記載が認められる。
(5)乙第5号証の1及び2は、横浜市保土ヶ谷区川島町1238に所在の「(有)さいと配送センター」が顧客と認められる大阪府に所在の中島久美子に宛てた平成13年11月19日付け、及び長野県に所在の中澤美代子に宛てた平成13年11月20日付け宅急便控え書類であるところ、前者の「品名・荷姿」欄には、「夢通信/カビシール&カビナイト×1、ピカッシュ×1」などの記載があり、また、後者のそれには、「夢通信/ピカッシュ2P×1、ランドリータブ2P×1」などの記載がある。
(6)乙第7号証及び乙第9号証ないし乙第12号証は、被請求人の取扱いに係る洗浄剤を、平成6年12月ないし同10年12月ころから今日に至るまで継続して購入していることを内容とする顧客の証明書及びこれに購入した商品のラベル及び包装箱を添付したものであるところ、乙第7号証は東京都練馬区に所在のセゾンダイレクトが、乙第9号証は東京都北区に所在の株式会社ファーマントが、乙第10号証は東京都足立区に所在のライフテースト株式会社が、乙第11号証は東京都豊島区に所在の株式会社夢みつけ隊が、乙第12号証は大阪府北区に所在の株式会社ジャパンホームショッピングサービスが、それぞれ証明したものである。そして、添付のラベル及び包装箱には、「陶器用研磨洗浄剤/ピカッシュ」、「発売元/有限会社さいと/横浜市保土ヶ谷区川島町1238」などの記載がある。
(7)乙第8号証は、2000年8月1日、セゾンダイレクト発行の「快適生活大研究/2000年秋号」(通信販売カタログ)であるところ、75頁には、「陶器用研磨洗浄剤ピカッシュ」として、乙第7号証及び乙第9号証ないし乙第12号証に添付のラベルが付された円筒状容器2本が掲載されている。
2.前記1.で認定した事実を総合すれば、被請求人は、同人の取扱いに係る商品「陶器用研磨洗浄剤」について、遅くとも2001年(平成13年)2月ころには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示して、セゾングループの通信販売カタログ誌「快適生活大研究」において広告したこと、上記商品は、本件審判の請求の登録前3年以内である平成11年6月以降、その顧客に販売したことが認められる。そして、被請求人の取扱いに係る商品「陶器用研磨洗浄剤」は、本件商標の指定商品中に含まれる商品であることが認められる。
そうすると、被請求人は、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を指定商品中の「陶器用研磨洗浄剤」について使用していたことを証明したものと認めることができる。
一方、請求人は、平成15年5月12日付けの回答書及びこれに添付された乙第3号証ないし乙第12号証に対し、何ら弁駁をするところがない。
3.以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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