結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第8029号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「帽子その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成8年5月16日(パリ条約による優先権主張 1996年4月11日 イタリア共和国)に登録出願されたものである。
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第1793758号商標(以下「引用商標1」という。)は、「COMPETITION」の欧文字を横書きしてなり、昭和56年5月20日登録出願、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とし、同60年7月29日に設定登録されたものである。
同じく登録第1965515号商標(以下「引用商標2」という。)は、「COMPETITION」の欧文字と「コンペティション」の片仮名文字を上下2段に書してなり、昭和59年2月1日登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類(寝台を除く)」を指定商品とし、同62年7月23日に設定登録されたものである。
同じく登録第2697897号商標(以下「引用商標3」という。)は、「COMPETITION」の欧文字を横書きしてなり、平成3年9月25日登録出願、第21類「かばん類その他本類に属する商品」を指定商品とし、同6年10月31日に設定登録されたものであり、いずれも有効に存続しているものである。
(1)請求人(出願人)の「TOD’S」ブランドの著名性
請求人は、もともとイタリア国で「TOD’S」の商標を使用した靴、鞄等を販売していたものであり、請求人の「TOD’S」ブランドは、昭和54年(1979年)のブランド発足以来、上質な素材と職人技による高級感のある製品で一躍人気を博し、急成長を遂げた。
平成2年(1990年)に日本において「TOD’S」商標を使用した靴を初めて販売し、その後、平成9年(1997年)3月に新宿伊勢丹にフランチャイズ店舗を開店したのを皮切りに、日本国内においてフランチャイズ方式により店舗を展開してきた。請求人の扱う「TOD’S」商標を使用した靴、鞄等の商品は、日本国内において、平成10年(1998年)ころから、ファッション誌等に頻繁に取り上げられるようになり、請求人の「TOD’S」ブランドは、わが国においては、靴、鞄等の商品について欧米で有名人に人気の高い高級ブランドとして人気を博し、遅くとも審決時より前に高い知名度を獲得するに至っていたと認められる。
(2)以上に認定した事実を考慮の上、本願商標と引用商標の類否について検討する。
ア 本願商標は、別掲に示すとおり、シンプルな字体で構成された「TOD’S」の欧文字の上に、その中央部を横断してオレンジ色の帯状部分を重ね、その帯状部分の中に「COMPETITION」の欧文字を小さく(文字高にして「TOD’S」の文字の4分の1程度)配してなるものである。
一方、引用商標1及び3は、「COMPETITION」の欧文字のみからなり、引用商標2は、欧文字の「COMPETITION」と片仮名文字の「コンペティション」を上下2段に記してなるものである。
イ 本願商標と各引用商標とを対比すると、両者がその外観において相違することは一見して明らかである。また、本願商標は大きな「TOD’S」の文字を横断するように「COMPETITION」の文字をまとまりよく一体に配した構成であり、このことと併せて前記(1)に認定した請求人の「TOD’S」ブランドの知名度も考慮すれば、本願商標からは、「トッズ」と結合した「トッズ コンペティション」ないし「トッズ」の「コンペティション」という一体の観念が生ずると考えられ、「トッズ」を切り離した「コンペティション」の観念が独立して生ずるとは考えられない。したがって、本願商標とその文字部分から単に「コンペティション」の観念のみが生じる各引用商標とは、観念において相違する。
さらに、称呼について検討するに、本願商標が前記のとおり「TOD’S」の文字と「COMPETITION」の文字をまとまりよく一体に配した構成であること、「トッズ」が短くて響きがよく、発音し易い語であることから本願商標は「トッズコンペティション」とよどみなく一連に称呼され得ること、及びブランドとしての「TOD’S」(トッズ)が高い知名度を有していることを考慮するとき、本願商標からは、「トッズ」の称呼又は「トッズコンペティション」の称呼が自然に生じ、かつ、これらの称呼をもって取引者及び需要者に識別されるというべきである。
そして、「COMPETITION」(コンペティション)は、「競争」を意味するものとして、日本語では「コンペ」と略されることもある、一般に親しまれた語であって、それが本願商標の指定商品である「帽子その他の被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」に使用された場合に強い識別力を発揮する語であるとはいえない。一方、「TOD’S」(トッズ)は、清新で躍動感のある覚えやすい語であるうえ、その意味が一般に知られているとはいい難く、商品に使用されたときには、ブランドを示すために案出された造語であると認識される可能性の高いものである。しかも、「TOD’S」が請求人のブランドとして高い知名度を有するに至っていることは前記認定のとおりであり、本願商標を構成する「TOD’S」の文字部分が請求人TOD’S商標と実質的に同じ字体であること及び本願商標の指定商品である「帽子その他の被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」の需要者の多くは流行に敏感な消費者であることも考慮すると、本願商標が使用される商品は、「TOD’S」の文字部分に着目し、そこから生ずる観念及び称呼をもって識別されると考えるのが相当である。
そうすると、本願商標の指定商品の分野において、本願商標を付した商品と単なる「COMPETITION」の欧文字又はこれと「コンペティション」を併記したものからなる商標を付した商品との間に出所の誤認混同が生じる可能性は極めて低いというべきである。
(3)以上によれば、本願商標は、各引用商標と相紛れることのない商標であって、各引用商標とは非類似の商標であると認めるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号には該当しないものであるから、これを理由として拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消すべきである。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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