結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31045(T2002−31045/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
登録第3354333号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成7年6月30日登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて」を指定商品として、平成9年10月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
1.請求の理由
本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。
2.答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証(本件商標の商標登録原簿)について
乙第1号証は、本件商標の使用証明の証拠とはなり得ない。
(2)乙第2号証(平成14年4月3日付注文書(注文者;海野宝飾)(写))について
乙第2号証には本件商標の記載は見当たらない。したがって、乙第2号証は、何ら本件商標の使用を証明していない。
(3)乙第3号証(海野宝飾より(株)ディモデルジャパンへのブランド名に関するメモ)について
乙第3号証には、片仮名文字にて「メレリオ&ベルナール」の記載があるのみである。本件商標は、縄状の楕円の内部に星状の図形、欧文字「MELLERIO & BERNARD」及び片仮名文字「メレリオ&ベルナール」を三段に表した図形からなる商標である(甲第1号証)ところ、乙第3号証における片仮名文字のみでの「メレリオ&ベルナール」の表記は本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
別件商標にかかる裁判例(東京高裁昭和55年(行ケ)第337号;甲第2号証)において、「いずれを主要部分とし、いずれを補助的(附記的)部分とするかとの判断を不能ならしめるほどの分かちがたい」構成からなる商標は、「図形部分のみを抽出して、それを商標として使用したとしても、その使用は、もはや本件商標の使用であるということはできない」と判示している。本件商標においても、上記のように欧文字、片仮名文字及び図形部分が有機的に結合した構成の商標であるところ、その一部分にすぎない片仮名「メレリオ&ベルナール」の表記のみでは本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
なお、乙第3号証は、商品の企画段階におけるブランド名の検討メモであり、単なる内部文書にすぎない。このような内部文書によっては、本件商標の使用された商品が、商取引の目的物として一般市場で流通に供されていることは客観的に証明されていない。一般流通過程に供されない状態での商標の使用態様では、商標の本来的機能である自他商品識別機能を発揮した状態での商標の使用とはいえず、本件商標の使用を証明する証拠とはなりえない。
したがって、乙第3号証によっては、本件審判請求の予告登録日前3年以内に日本国内において指定商品についての登録商標を使用をしていることは証明されていない。
(4)乙第4号証の1ないし4(納品書控)について
乙第4号証の1、2及び4には、本件商標の記載は見当たらないから、これらの証拠は、何ら本件商標の使用を証明していない。
また、乙第4号証の3には、乙第3号証と同様に、単に片仮名文字で「メレリオ&ベルナール」の記載があるのみである。上述したように片仮名文字のみでの「メレリオ&ベルナール」の表記は、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
以上のことから、乙第4号証の1ないし4によっては、本件審判請求の予告登録日前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品についての登録商標を使用をしていることは証明されていない。
(5)乙第5号証(トルマリンブレス時計の写真)について
乙第5号証は、その撮影日が明らかにされておらず、また写真自体も不鮮明であり、どのような態様の商標が使用されているのは判別できない。
また、被請求人は、「7月29日納品分のトルマリンブレス時計100個については、本件登録と社会通念上同一と認められる『MELLERIO&BERNARD』が使用されている。上記トルマリンブレス時計の写真を、乙第5号証として提出する」と述べているが、平成14年7月29日付納品書(乙第4号証の3)と乙第5号証の関連については何ら証明がなされておらず、また、前記のように、乙第4号証の3においては片仮名文字の「メレリオ&ベルナール」の記載があるのみである。
これら片仮名文字「メレリオ&ベルナール」単独又は欧文字「MELLERIO&BERNARD」単独の表記は、上述のように本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
したがって、乙第5号証によっても、本件審判請求の予告登録日前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品についての登録商標を使用をしていることは証明されていない。
(6)むすび
以上のことから、被請求人の主張及びその提出に係る証拠をもってしても、被請求人が「審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていること」を証明しているということはできない。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。
1.本件商標は、株式会社ロイエンタープライズ所有のところ、平成10年1月26日同社より株式会社ベアーに権利移転登録がなされたが、平成13年8月9日付で株式会社ベアーが破産したのに伴い、被請求人である株式会社ディモデルジャパンがその権利の譲渡を受け、平成14年5月22日に商標登録原簿(乙第1号証)のとおり、権利移転登録が行われている。
2.被請求人は、平成13年夏にトルマリンブレス時計の製造・販売を計画し、同年8月に商品の試作を行った。同商品の商標名として「SOMETIME」及び「MELLERIO&BERNARD」の2つが採択され、前記試作より後、引き続きこれら2つの商品の製造が本格的に開始された。
ここで一例を挙げると、平成14年4月3日付注文書(注文者、海野宝飾;乙第2号証)により、このトルマリンブレス時計400個が発注されている。商品の発注に至るまでの経緯を示す書面として平成14年3月15日付の「海野宝飾より(株)ディモデルジャパンへのブランド名に関するメモ」を、乙第3号証として提出する。
前記の注文品は、平成14年5月30日、6月28日、7月29日、及び8月30日の計4回に分けて100個ずつ納品された(乙第4号証の1ないし4)が、このうち7月29日納品分のトルマリンブレス時計100個については、本件商標と社会通念上同一と認められる「MELLERIO&BERNARD」が使用されている。これらは、平成14年4月3日付の注文直後に製造されている(乙第4号証の3及び乙第3号証参照)。
上記トルマリンブレス時計の写真を、乙第5号証として提出する。
1.被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標をその指定商品中の「トルマリンブレス時計」について使用している旨主張し、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出しているので以下検討する。
(1)乙第1号証(本件商標の商標登録原簿)によれば、本件商標の商標権者は、当初株式会社ロイエンタープライズであったが、その後、株式会社ベアーに移転され(平成10年1月26日登録)、さらに本件の被請求人である株式会社ディモデルジャパンに移転された(平成14年5月22日登録)。そして、本件において本件商標の使用者が上記株式会社ディモデルジャパンであることについては、当事者間に争いがない。
(2)乙第2号証は、茨城県土浦市在の「海野宝飾」が「(株)ディモデルジャパン」に宛てた平成14年4月3日付けの注文書(材料支給伝票)と認められるところ、「品名(メーカー品番)」欄等には、「トルマリンブレス時計」、「A丸/200個」、「B角/200個」、「ロゴ/SOMETIME」などの文字が記載され、「備考」欄には、「5月末100ケ」、「6月末100ケ」、「7月末100ケ」の記載がある。
(3)乙第3号証は、「海野宝飾」が「(株)ディモデルジャパン」に宛てた平成13年8月に試作した「トルマリンブレス時計」に関する、平成14年3月15日付けの覚書と認められるところ、これによれば、該時計は製造する方向であるが、商標その他の事項について正式に決定していないこと、該時計に使用する商標は、「サムタイム」か「メレリオ&ベルナール」かの決定が遅れているので、試作費用の請求を猶予して欲しい旨が記載されている。
(4)乙第4号証の1ないし4は、「海野宝飾」に宛てた4通の納品書(控)である(いずれも発行者の記載はない。)ところ、平成14年5月30日付けのものには、「品名」欄に「角、金色、白文字盤」などの文字が記載され、文字盤の合計数量が100となっており、「摘要」欄に「サムタイム」の文字が記載されている。
同14年6月28日付けのものには、「品名」欄に「角、金色、白文字盤」などの文字が記載され、文字盤の合計数量が100となっており、「摘要」欄に「トルマリン時計/サムタイム向」の文字が記載されている。
同14年7月29日付けのものには、「品名」欄に「トルマリン時計 角、金色」などの文字が記載され、その合計数量が100となっており、「摘要」欄に「メレリオ&ベルナール」の文字が記載されている。
同14年8月30日付けのものには、「品名」欄に「トルマリン時計 角、金色」などの文字が記載され、その合計数量が100となっており、「摘要」欄に「サムタイム」の文字が記載されている。
そして、乙第4号証の1ないし4に記載された商品の単価は、いずれも「9,200円」である。
(5)乙第5号証は、時計の写真のコピーと認められるところ、その文字盤には、横書きした「MELLERIO」の文字、「&」の符号及び横書きした「BERNARD」の文字を三段にして表示されている。
2.(1)前記1.で認定した事実を総合すると、平成13年8月に本件商標の使用者たる被請求人に「トルマリンブレス時計」の試作を依頼した「海野宝飾」は、平成14年3月15日の時点において、該時計に使用する商標について、「サムタイム」にするのか、あるいは「メレリオ&ベルナール」にするのか未だ決定していなかったが、同14年4月3日には、ロゴを「SOMETIME」とするトルマリンブレス時計400個を被請求人に注文したことが認められ、また、注文書における「備考」欄の「5月末100ケ」、「6月末100ケ」、「7月末100ケ」の記載より、「SOMETIME」のロゴを使用した時計は、5月末に100個、6月末に100個、7月末に100個納入するべく指示がなされているものと推認されるところ、これに対応すると認められる納品書によれば、5月末である平成14年5月30日及び6月末である平成14年6月28日に、それぞれ「サムタイム(向)」の文字盤が100個ずつ「海野宝飾」に納品されたが、7月末である平成14年7月29日には、注文書と異なる「メレリオ&ベルナール」の時計100個が「海野宝飾」に納品されており、8月末である平成14年8月30日には、再び「サムタイム」の時計100個が「海野宝飾」に納品されていることが認められる。
そうすると、平成14年7月29日付けの納品書に記載された商品は、注文書に記載された商品と異なる商品が記載されていることになり、注文者である「海野宝飾」の注文をした商品と異なる商品が納入されたと推認することができ、これは、通常の商取引から考えて極めて不自然であり、平成14年7月29日付けの納品書には、疑問があるといわざるを得ない。
(2)使用に係る商標についてみるに、乙第5号証に示された時計の文字盤に表示された商標は、前記認定のとおり、横書きした「MELLERIO」の文字、「&」の符号及び横書きした「BERNARD」の文字を三段にした構成よりなるものである。
これに対し、本件商標は、別掲のとおり、縄状の横長楕円輪郭内に、小さな菱状の図形、及びその下に「MELLERIO & BERNARD」と「メレリオ&ベルナール」の各文字を上下二段に横書きした構成よりなるものである。
してみると、文字盤に表示された商標と本件商標とは、外観上大きく異なるものである。また、欧文字よりなる商標の読みを特定する場合、我が国においては、英語読みにする場合が多いところから、文字盤に表示された商標から生ずる自然の称呼は、「メレリオアンドバーナード」であるというのが相当であるから、「メレリオアンドベルナール」の称呼が生ずる本件商標とは、称呼においても同一のものということはできない。
そうすると、文字盤に表示された商標は、本件商標と社会通念上同一の範囲内の商標ということはできない。
なお付言すれば、納品書に記載された「メレリオ&ベルナール」の表示が本件商標と外観において大きく異なるものであることはいうまでもない。
したがって、使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一の範囲内のものと認めることはできない。
(3)以上によれば、乙第2号証ないし乙第4号証の1ないし4からは、被請求人が、「海野宝飾」との間で、本件審判の請求の登録前3年以内に、乙第5号証に示された時計を取り引きしたとの事実を認めることは極めて困難であるといわざるを得ない。
仮に、被請求人が「海野宝飾」との間で、実際に本件審判の請求の登録前3年以内に、乙第5号証に示された時計の取引をしたとの事実があったとしても、乙第5号証に示された時計の文字盤に表示された商標は、本件商標と社会通念上同一とは認められないものであるから、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により使用されていたということはできない。
3.以上のとおりであるから、被請求人は、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国において、本件商標をその指定商品のいずれかについて使用していることを証明したものとは認めることができない。また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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