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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90773(T2002−90773/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4589137号商標の指定商品中の「化粧品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4589137号商標(以下「本件商標」という。)は、「グラマラス」の片仮名文字と「GLAMOROUS」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年8月1日登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成14年7月26日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標を構成する「グラマラス」、「GLAMOROUS」は、「魅力に満ちた、魅惑的な」の意味を有する語であり、本件商標の指定商品中の「化粧品」について、商品の用途、効能等を表示するものであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである旨申し立て、証拠方法として、資料1ないし資料6を提出した。

第3 取消理由通知の要旨

本件商標の登録査定前に発行、若しくはインターネットによる情報検索をしたと認められる申立人提出に係る参考資料1−(1)ないし(5)、同1−(7)ないし(10)、(12)、(13)、参考資料2、参考資料3−(1)ないし(18)及び参考資料6によれば、「GLAMOROUS」の語は、「魅力に満ちた、魅惑的な」の意を有する英語であることが認められ、また、「グラマラス」の語は、口紅、マスカラ、アイシャドウ等の化粧品を取り扱う分野において、「まぶしいツヤでグラマラスリップに」、「グラマラスな目元をつくる/魅惑と謎のブルー」などのように、該商品が「魅惑的なメイクに仕上げられる化粧品」であることを表示するためのものとして、普通に使用されている事実が認められる。

上記化粧品を取り扱う業界の実情よりすれば、前記した構成文字よりなる本件商標は、これを「化粧品」について使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「化粧品」については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

第4 商標権者の意見の要旨

1.本件商標は、審査段階において当初、「グラマラスなのにクールな魅惑の唇」、「色と煌めきグラマラス」(ヴァンサンカン25ans/2000年11月号、Ogg/2000年12月号等)のように、キャッチフレーズの一部として使用されている事実が存在することよりすれば、これを「口紅」等に使用しても、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標である旨認定されたものである。

すなわち、本件商標について、取消理由と実質的に同一の拒絶理由が通知されていたのである。その差異は、僅かに審査においてはキャッチフレーズと認定し、取消理由では、化粧品の品質表示と認定した点で相違するにすぎない。

しかしながら、審査における拒絶理由及び本件における取消理由で認定された「グラマラスなのにクールな魅惑の唇」、「色と煌めきグラマラス」、「まぶしいツヤでグラマラスリップに」、「グラマラスな目元をつくる/魅惑と謎のブルー」の内容は、実質的に同じであり、一方をキャッチフレーズ、他方を品質表示と区別することは到底できない。

本件商標は、「グラマラス」、「GLAMOROUS」なる単一の言葉であり、キャッチフレーズ、あるいは品質を表示するとされる上記使用例のような文章自体ではない。

したがって、本件商標は、単に「魅惑的な、グラマラスな」との意味、観念を生ずるにすぎず、特定の商品との関係においてその商品の品質を表示しているとは到底いうことができないものである。

2.商標権者は、異議2002−90901事件(以下「別件異議申立て」という。)において、「ベリーグラマラス」と「VERY GLAMOROUS」の各文字を上下二段に表記した態様からなる登録第4607428号商標(第3類「化粧品,せつけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品とする。以下「別件登録商標」という。)に対し、本件商標を引用して、商標法第4条第1項第11号を理由とする商標登録の異議申立てを行っている。

別件登録商標は、「グラマラス」、「GLAMOROUS」を強調する「ベリー」、「VERY」の語が前に付加されているにすぎない。

仮に本件商標が通知された取消理由によって登録が取り消された場合、別件登録商標は、本件商標が取消理由で認定したような品質表示であるとの理由の存否に関わりなく、登録維持となることは明らかである。かかる事態の発生は、場合によっては、本件商標権者の本件商標の使用が、別件登録商標の権利侵害を構成する可能性を残しており、商標権者には到底受け入れ難いところであり、法的安定性を欠くものといわざるを得ない。

第5 当審の判断

1.「グラマラス」、「GLAMOROUS」の語について

(1)「GLAMOROUS」の語は、平成15年4月25日付けの取消理由通知で認定したとおり、「魅力に満ちた、魅惑的な」を意味する英語であり、「グラマラス」の語は、化粧品を取り扱う分野において、本件商標の登録出願前より、商品の品質を表示するための語として、普通に使用されていたものである。

したがって、前記した構成よりなる本件商標において、「GLAMOROUS」の文字部分は、商品の品質表示語たる「グラマラス」の英語表記と理解されるにすぎないものであるから、本件商標は、これを「化粧品」について使用しても、構成全体をもって、需要者をして、単に商品の品質を表示したものと認識されるにとどまるものといわなければならない。

(2)商標権者は、本件商標に関し、審査段階における拒絶理由及び本件における取消理由において示された使用例は、実質的に同一であるのに、一方をキャッチフレーズと認定し、他方を品質表示と認定して区別することはできない旨主張する。

しかしながら、本件における取消理由において挙げた使用例は、提出された証拠中のわずかな一部分にすぎないものであって、審査段階における拒絶理由に挙げた使用例と必ずしも実質的に同一ものといえるかは疑問があるばかりでなく、たとえ、実質的に同一視できるものであるとしても、そもそもキャッチフレーズは、商品の品質、特徴等を簡潔に表現した宣伝文句であり、本件商標に接する需要者が、これをキャッチフレーズを表したと認識するか、あるいは商品の品質、効能等を表したと認識するかは、個々人により自ずと異なるものといわざるを得ず、化粧品の需要者を基準として本件商標を考察した場合、本件商標をキャッチフレーズを表すものとして認定するか、あるいは商品の品質表示語として認定するかについては大差がなく、いずれにしろ、本件商標が化粧品について自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるとする点において一致しているものというべきである。

また、仮に商標権者の上記主張が、審査段階における拒絶理由で本件商標がキャッチフレーズを表したと認定したのにもかかわらず、これが覆され、登録されたことは、実質的に同一の使用例もって、商品の品質表示とすべきでないとの主張であるのであれば、登録異議の申立て制度の趣旨に照らせば、その主張は理由がないといわざるを得ない。

すなわち、登録異議の申立て制度は、商標登録に対する信頼を高めるという公益的な目的を達成するために、登録異議の申立てがあった場合に特許庁自ら登録処分の適否を審理し、瑕疵ある場合にはその是正をすることを趣旨とするものであると解される。そして、その審理及び決定は、3人又は5人の審判官による合議体によって行われ(商標法第43条の3第1項)、審理した結果、第三者からの登録異議の申立てに理由があるときは、審査官による商標の登録査定に瑕疵があったものとして、商標登録を取り消す旨(同2項)の、理由がないときは商標登録を維持する旨(同第4項)の決定がなされるのである。

このような制度の趣旨や判断主体の相違からみれば、本件商標の登録について、登録異議の申立てにより、取消理由に示したような瑕疵があった場合にその登録が取り消されることは、制度自体予定するところであり、審査官の判断に拘束されるものではないから、上記に関する商標権者の主張は、採用することができない。

(3)さらに、商標権者は、本件商標は、「グラマラス」、「GLAMOROUS」なる単一の言葉であり、キャッチフレーズ、あるいは品質を表示するとされる使用例のような文章自体ではないから、単に「魅惑的な、グラマラスな」との意味、観念を生ずるにすぎず、特定の商品との関係においてその商品の品質を表示しているものではない旨主張する。

しかし、本件商標は、使用例のように文章ではないとしても、商標権者も認めているように、化粧品等の需要者に「魅惑的な、グラマラスな」を意味する語として理解され、かつ、化粧品の特徴を表現するために普通に使用されているところからすれば、その需要者に商品の品質、効能等を表示するために使用されていると認識されるにとどまるというべきである。

したがって、上記に関する商標権者の主張も採用することができない。

2.本件登録異議の申立てと別件異議申立てについて

商標権者は、別件異議申立てにおいてその登録の取消しを求めている別件登録商標は、本件商標が取り消されれば、品質表示語であるにもかかわらず、登録維持となり、その場合、商標権者の本件商標についての使用が別件登録商標の権利侵害を構成する可能性があり、商標権者には到底受け入れ難く、かつ、法的安定性を欠くものである旨主張する。

しかしながら、前記したとおり、本件については、登録異議の申立てにより、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして証拠が提出され、取引の実情等に照らし、個別具体的に審理をした結果、取消理由に示したとおり、本件商標は、「化粧品」について、本来的に自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものではないとの認定がなされたものであるから、別件異議申立てとは何ら関係を有するものではない。

仮に別件登録商標が登録要件を具備しない商標であったり、商標権者による本件商標の使用が別件登録商標の商標権を侵害するといった事態が発生する場合があるとしても、商標権者は、法の定めるところに従い、別途解決を得べきものであって、本件においては、別件登録商標の存在如何に左右されるものではない。

したがって、上記商標権者の主張も採用することができない。

3.以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の「化粧品」については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものといわなければならなず、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。

また、本件商標は、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものであるから、同第4項の規定により登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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