Trademark Appeal Case
著名商標の類似と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90275(T2002−90275/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4540541号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年3月29日に登録出願、第25類「被服、運動用特殊衣服」を指定商品として、同14年2月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、以下の引用する登録商標中引用商標1、14、17、19、及び21とその商標が類似し、かつその指定商品が同一又は類似のものであり、またこれらの引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていているものである。
本件商標は、申立人が化粧品、被服、カバン類、ベルト、靴、時計、宝飾品等の商品に使用して著名なものとなっている各引用商標、いわゆる「シャネルマーク」とその構成及び態様が極めて酷似し、申立人の「シャネルマーク」を容易に連想されるもので、その流通経路や取引者・需要者を同じくするものであることから、本件商標がその指定商品に使用された場合は、これに接する取引者・需要者は、恰も申立人又は申立人と何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。そして、この著名な各引用商標に化体した高い信用・評価・名声にフリーライドするものであり、またその高い信用・評価・名声を希釈化させ公正な商取引の秩序を乱し又は不正の目的をもって使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号、同第7号及び同第19号に該当し、取り消されるべきものである。
<引用商標>
(1)別掲(2)のとおりの構成よりなる商標である、
ア 登録第1263242号商標(平成13年3月29日に登録出願、同14年2月1日に設定登録、以下「引用商標1」という。)は、第25類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
イ 同登録第1285553号商標(昭和48年4月26日に登録出願、同52年7月20日に設定登録、以下「引用商標2」という。)は、第17類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
ウ 同登録第1314571号商標(昭和48年4月26日に登録出願、同52年12月2日に設定登録、以下「引用商標3」という。)は、第16類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
エ 同登録第1318709号商標(昭和48年4月26日に登録出願、同53年1月10日に設定登録、以下「引用商標4」という。)は、第21類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
オ 同登録第1318710号商標(昭和48年4月26日に登録出願、同53年1月10日に設定登録、以下「引用商標5」という。)は、第22類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
カ 同登録第2071356号商標(昭和59年10月8日に登録出願、同63年8月29日に設定登録、以下「引用商標6」という。)は、第23類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
(2)別掲(3)のとおりの構成よりなる商標である、
ア 登録第1531366号商標(昭和53年9月6日に登録出願、同57年8月27日に設定登録、以下「引用商標7」という。)は、第21類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
イ 同登録第1727592号商標(昭和54年1月29日に登録出願、同59年11月27日に設定登録、以下「引用商標8」という。)は、第22類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
ウ 同登録第1806610号商標(昭和54年1月29日に登録出願、同60年9月27日に設定登録、以下「引用商標9」という。)は、第4類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
エ 同登録第3106543号商標(平成4年8月18日に登録出願、同7年12月26日に設定登録、以下「引用商標10」という。)は、第18類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
オ 同登録第3326557号商標(平成6年8月26日に登録出願、同9年6月27日に設定登録、以下「引用商標11」という。)は、第24類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
(3)別掲(4)のとおりの構成よりなる商標である、
ア 登録第1811253号商標(昭和57年10月13日に登録出願、同60年9月27日に設定登録、以下「引用商標12」という。)は、第22類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
イ 同登録第1932457号商標(昭和57年10月13日に登録出願、同62年2月25日に設定登録、以下「引用商標13」という。)は、第21類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
(4)別掲(5)のとおりの構成よりなる商標である、
登録第2051383号商標(昭和58年6月3日に登録出願、同63年6月24日に設定登録、以下「引用商標14」という。)は、第17類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
(5)別掲(6)のとおりの構成よりなる商標である、
登録第1774788号商標(昭和57年1月21日に登録出願、同60年5月30日に設定登録、以下「引用商標15」という。)は、第21類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
(6)別掲(7)のとおりの構成よりなる商標である、
ア 登録第4258117号商標(平成9年11月27日に登録出願、同11年4月2日に設定登録、以下「引用商標16」という。)は、第9類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
イ 同登録第4507077号商標(平成12年10月18日に登録出願、同13年9月14日に設定登録、以下「引用商標17」という。)は、第28類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
(7)別掲(8)のとおりの構成よりなる商標である、
ア 登録第4376832号商標(平成11年2月19日に登録出願、同12年4月14日に設定登録、以下「引用商標18」という。)は、第9類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
イ 同登録第4376900号商標(平成11年6月4日に登録出願、同12年4月14日に設定登録、以下「引用商標19」という。)は、第25類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
ウ 同登録第4475741号商標(平成12年5月17日に登録出願、同13年5月18日に設定登録、以下「引用商標20」という。)は、第4類に属する商標登録原簿に記載されている商品を指定商品とするもの。
(8)別掲(9)のとおりの構成よりなる商標である、
登録第4567433号商標(平成12年5月17日に登録出願、同13年5月18日に設定登録、以下「引用商標21」という。)は、第3類、第9類、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載されている商品及び役務を指定商品及び指定役務とするもの。
3 当審において通知した取消理由
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、逆向きでやや右傾斜させた黒塗りのハート形の図形内に、二つの「C」字状の図形の一方を180度回転させて背中合わせ状に表した白抜きの図形(以下、この二つの「C」字状の図形部分を「C字状図形」という。)を配してなるものである。
申立人提出の甲第67号証ないし同第82号証の雑誌又は書籍における記事及び甲第86号証ないし同第94号証の審決において認定されている事実からして、申立人は、別掲(2)ないし(5)に示すとおりの構成よりなる商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)を香水等の化粧品、被服、ハンドバック、ベルト、靴、時計、アクセサリー等の宝飾品等の商品について使用し、本件商標の登録出願時には、取引者、需要者の間に広く認識され周知著名なものとなっていたものと認められる。
しかして、引用商標は、いずれも二つの「C」字状の図形の一方を180度回転させて左右対称に背中合わせに交差させて表した図形(以下「シャネルマーク」という。)に特徴があるものである。
そこで、本件商標のC字状図形とシャネルマークとを比較すると、両者は、二つの「C」字状の図形が交差しているか否か、線の太さが一様であるか否か、左の「C」字状の図形の終端部が下部に折れているか否かなどの差異を有するものであるが、二つの「C」字状の図形を左右対称的に背中合わせに表した図形の基本的な特徴において共通にする構成の軌を一にするものと認められる。
また、シャネルマークの使用に係る商品「被服、ハンドバック、ベルト、靴、時計、宝飾品」は、装うもの、装飾的な身の回り品又は装飾品であるのに対し、それらの商品と同一の商品を含む本件商標の指定商品「被服、運動用特殊衣服」は、いずれも身にまとうもので、両者の商品は、いずれも装うものであって、ファション性の高いものであり、需要者層も共通にしているものといえる。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、シャネルマークが「被服、ハンドバック、ベルト、靴、時計、宝飾品」の商品において周知著名なものであることを考慮すると、これに接する取引者、需要者は、ハート形の図形に較べてより強く印象に残るC字状図形の部分に着目して、これより直ちにシャネルマークを連想、想起し、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように混同を生じさせるおそれがあるものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあることから、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
4 商標権者の応答
前項の取消理由を通知し、相当な期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
5 当審の判断
本件商標は、前項3のとおりの取消理由により商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認める。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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