Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出と略称
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90044(T2003−90044/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4615303号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲(1)に示したとおりの構成よりなり、平成13年11月7日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年10月25日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第4044568号商標(以下、「引用A商標」という。)は、後掲(2)に示したとおりの構成よりなり、平成7年12月21日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年8月15日に設定登録されたものである。
(2)登録第4095809号商標(以下、「引用B商標」という。)は、「Beetle」の文字を横書きしてなり、平成8年4月5日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年12月19日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
イ 本件商標と引用A商標との比較
本件商標の図形部分と引用A商標とは、3つの曲線による簡明な構成がその造形的特徴を決定し、印象付けるものであるから、部分的な相違は外観上の微差に止まるものである。加えて、引用A商標は、「Beetle(ビートル:甲虫)」の愛称で親しまれた申立人の自動車の特徴的な形状を簡素化し抽象化して描き出したものにほかならないから、本件商標は、需要者・取引者一般に該自動車を容易に連想・想起させずにはおかず、僅かな図形構成の相違点も、引用A商標を前提とする常套的な変形・修正処理の域を脱していない。
ロ 本件商標と引用B商標との比較
本件商標構成中の「BEETLE」は、申立人の製造・販売に係る自動車の愛称「Beetle(ビートル:甲虫)」に照応しており、後半部の「CHOOSE」は我が国世人にも親しまれ既に外来語として日本語化している英語「choose(選ぶ)」に照応するものである。
かかる社会的認識の下では、「BEETLE」の文字が強く注意を惹き、需要者・取引者の多くは、該欧文字部の全体が世人に理解容易な英文「ChooseBEETLE!」の倒置構文「BEETLE choose!」である旨を理解・認識すると考えなければならない。そして、このような認識が避けられない以上、本件商標からは、その自然的称呼の一つとして「BEETLE」の部分に基づく略称「ビートル」が生じることは、経験則に照らして明らかなところであり、この略称が引用B商標の自然的称呼と共通する点で引用B商標と類似することは免れない。
してみれば、本件商標がそのマーケットで使用された場合、これに接する需要者・取引者は、欧文字構成中の「BEETLE」から広く認識・記憶されている申立人の自動車を直観・想起すると考えなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用A商標との類否について
本件商標の図形部分は、後掲(1)に示したとおり、左端が細く尖り、右方向に行くにつれ次第に太くなる扇平状の短い曲線を適宜の間隔を置いて二つ配置し、それら曲線をそれらの上部略中央位置で、より大きい同様の形状をした曲線で結合した構成からなるものである。
これに対して、引用A商標は、後掲(2)に示したとおり、下方に開く半円形の曲線を適宜の間隔を置いて二つ配置し、それら曲線をそれらの上部略中央位置で、より大きい半楕円状の曲線で結合した構成からなるものであって、いずれの曲線も同じ太さで表し、全体として左右対称に構成されているものである。
しかして、両商標は、いずれも、3つの曲線状図形からなるところを共通にするとしても、上記したとおり、両商標の曲線状図形の描写方法には明らかな差異があるばかりでなく、その表現方法の違いから、本件商標は、全体として流れるような動的印象を与えるのに対して、引用A商標は、全体として安定した静的印象を与えるものである。
そして、これらの差異は、三つの曲線状図形という簡潔な構成よりなる両商標の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象を著しく異にするものであるから、これを時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、引用A商標からは、特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、両商標は、称呼及び観念については、比較すべくもない。
なお、申立人は、本件商標の図形部分から、申立人の自動車を連想、想起する旨主張しているが、本件商標の図形部分から、直ちに、自動車のボディラインあるいはフェンダーラインを想起するものとはいえないから、この点に関する申立人の主張も採用の限りではない。
したがって、本件商標と引用A商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、何ら紛れるおそれのない、非類似の商標である。
(2)本件商標と引用B商標との類否について
本件商標の文字部分は、後掲(1)のとおりよりなり、その構成各文字は、同書、同大、等間隔をもって外観上まとまりよく、一体的に表現されており、特に、軽重の差を見出すことはできないものである。
また、これより生ずる「ビートルチューズ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものであり、他に構成中の「BEETLE」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体をもって、一体不可分の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが自然であるから、該構成文字全体に相応して「ビートルチューズ」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
してみれば、本件商標から単に「ビートル」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用B商標とが、該称呼において類似するものとする申立人の主張は、採用できない。
その他、本件商標と引用B商標とを類似のものとすべき理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用B商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、何ら紛れるおそれのない、非類似の商標である。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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