Trademark Appeal Case
原材料名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90059(T2003−90059/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4618539号商標(以下「本件商標」という。)は、「Leo」及び「キシリトール」の文字を二段に横書きしてなり、平成13年10月22日に登録出願、第30類「キシリトールを配合した菓子及びパン」を指定商品として、平成14年11月8日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標法第4条第1項第7号、第10号、第11号、第15号並びに第19号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は商標法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである。
(1)本件商標は、昭和51年7月8日に登録出願、「キシリトール」及び「XYLITOL」の文字を二段に横書きしてなり、第30類「菓子、パン」を指定商品として、同59年6月21日に設定登録された登録第1692144号商標(以下「引用商標」という。)と称呼及び外観において類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)また、引用商標は、既に日本国において周知となっている。すなわち、1997年の発売以来、申立人の主力商品の一つとして強力な販売活動の下に盛大かつ積極的に使用されてきた。
証拠資料から明らかなように、国内において膨大な商品宣伝と販売実績の結果として引用商標は、少なくとも本件商標の出願時には周知というよりむしろ著名な存在となっている。したがって、このような著名商標が本件商標に取り込まれることにより、両商標が需要者にとって類似の商標と理解されることは明らかである。そうとすれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号の規定に該当し、その結果、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標として、同法第4条第1項第15号の規定にも該当する。
(3)さらに、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録されたものである。
すなわち、引用商標が著名な存在となっていたことを、出願人は、本件商標の出願(平成13年10月22日)時点において充分認識していた筈であり、他人の著名商標を自らの商標に取り込むという行為よりして明らかに不正の目的を持っていたものであり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して行われたものである。
(4)そして、このような本件商標の登録が許されるとすれば、引用商標の著名性や周知性は著しく損なわれ、引用商標の価値は、消失することになりかねず、これは、商標法第1条の法の精神にも反する。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号の規定に違反することにもなる。
3 当審の判断
本件商標の指定商品は、上記のとおり「キシリトールを配合した菓子及びパン」であるところ、「キシリトール(xylitol)」とは、キシロースに水素を添加し炭素1位の還元性基をアルコールに変えて得られた糖アルコールのことをいい、多数開発されている低エネルギーの糖質甘味料の一つである(株式会社同文書院発行「総合食品事典 ハンディ版」平成10年4月5日第六版第5刷発行)。
また、東洋経済新報社発行の「現代商品大辞典 新商品版」(昭和61年10月18日発行)によれば、「キシリトール(xylitol)」は、「食品添加物としてのその他の糖質甘味料の一つ」として掲載されている。
さらに、1998年2月10日発行の日本食糧新聞によれば、「キシリトールは、イチゴやプラムなどに含まれる五単糖の糖アルコールで、工業的に白樺の木などから作る。口中で溶けると冷涼感がある甘さが広がるのが特徴だ。糖アルコールでは、最も砂糖に近い甘さがある。国内では、医療品、化粧品の原料として20年以上も前から使用されていた。この優れた特性から、菓子業界は、5年前から食品添加物として申請していたもので、97年4月17日に厚生省が食品添加物として指定した。」との掲載記事がある。
以上の事実によれば、本件商標中の「キシリトール」の文字部分は、その指定商品である「キシリトールを配合した菓子及びパン」との関係においては、原材料(配合甘味料)の表示であるとみるのが相当であり、独立して自他商品の識別標識として機能するものとは認められない。
そうすると、本件商標にあっては、構成中の「Leo」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たし、「キシリトール」の文字部分は、本件商標の指定商品の原材料(配合甘味料)を表示するものといわなければならない。
そして、本件商標中の上記の「Leo」の文字部分と、「キシリトール」及び「XYLITOL」の文字を二段に横書きしてなる引用商標とは、その外観、称呼及び観念が全く異なるから、本件商標は、引用商標と非類似の商標であり、また、これをその指定商品に使用しても申立人など他人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれのないものといわざるを得ない。
また、本件商標は、構成中に原材料(配合甘味料)を表示する「キシリトール」の文字を有するから、不正の目的をもって使用するもの、あるいは、商標法第1条に規定する法の目的に反し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標と認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、第10号、第11号、第15号及び第19号に違反して登録されたものでない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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