Trademark Appeal Case
商標の周知性と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90156(T2003−90156/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4630781号商標(以下「本件商標」という。)は、「スピード ラーニング」及び「SPEED LEARNING」の文字を二段に横書きしてなり、平成14年1月23日に登録出願され、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその付属品の貸与,映写フイルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」を指定役務として、平成14年12月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、語学学習教材の開発、製造及び販売を目的として1984年5月10日に設立された株式会社である。申立人は、1989年6月、独自の理論に基づいて開発した英語学習教材に「スピードラーニング」というネーミングを付して販売を開始し、現在もその販売を継続している。この英語学習教材「スピードラーニング」は、ネイティブスピーカによって話される英会話及びその日本語訳を録音したカセットテープあるいはコンパクトディスクと、これらの英文及び日本語文を記述した教材テキストとからなる。
申立人は、上述した英語学習教材の発売当初から、「スピードラーニング」の片仮名文字あるいはこれを欧文字化した「SPEED LEARNING」をこの教材に使用してきた。教材テキストの表紙のデザイン、あるいはカセットテープやコンパクトディスクのラベルのデザインは時代の変遷に応じてマイナーチェンジを重ねてきたものの、自らの商品を表象する「スピードラーニング」及び「SPEED LEARNING」という標識は一貫して使用し続けてきた。
また、申立人は、各種媒体を通じて英語学習教材「スピードラーニング」を積極的に広告してきた。そして、申立人の積極的な広告戦略と教材自体の洗練されたカリキュラムの魅力とにより、販売当初からの累計で約68万件の購入申込み数を獲得するに至っており、「スピードラーニング」といえば申立人の販売する英語学習教材を示す標識であるとの認識が需要者に形成された。「スピードラーニング」の広告は、専ら新聞や雑誌といった活字媒体を通じて行われてきた。教材購入者の実際の体験談を織り交ぜながらその効能を説明するいわゆる記事広告のスタイルは、申立人が英語学習教材「スピードラーニング」の販売を開始した当初から一貫するものである。
しかして、本件商標の出願日は、平成14年1月23日であるところ、商標「スピードラーニング」は、申立人による使用の結果、遅くとも本件商標の出願時には、取引者・需要者の間に周知・著名な商標と認識されており、その周知、著名性は現在においても維持されていると考えるのが相当である。そして、この周知、著名化は、商標「スピードラーニング」あるいは「SPEED LEARNING」(以下「引用商標」という。)が付された英語学習教材自体の魅力もさることながら、広告宣伝活動に専ら負うところである。
本件商標は、引用商標とその外観、称呼及び観念を同一にするものであるから、本件商標をその指定役務について使用した場合においては、申立人が継続的に使用し、既に周知著名な商標として需要者に認識されている引用商標との関係において出所の混同を生じるおそれがあるとするのが取引の経験則に照らし相当であり、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである
3 当審の判断
申立人の提出した証拠によれば、申立人は、自己の販売する英語学習教材に引用商標を使用し、1989年以降、本件商標が登録されるまでに新聞(全国紙、地方紙、スポーツ新聞)、週刊誌等を通じて、この商品について相当多量の宣伝広告を継続して行った事実が認められる。
しかし、「スピードラーニング」及び「SPEED LEARNING」の文字は、英語学習教材との関係において「速いスピードで学習する」との意味を容易に想起させるものと認められ、本来的に自他商品の識別機能が強いというものではない。そして、申立人の英語学習教材の宣伝広告においても、「高速英語学習法『スピードラーニング』」などと英語学習方法であるかのような説明も多くなされており、また、広告中の「スピードラーニング」の文字も通常の書体により表されているものであって、括弧内に記載されている場合が多いがそうでない場合もあり、格別に需要者の注意を惹く態様のものではなく、加えて、本件商標の指定役務のうち、英語学習教材と関連があるといえるのは、「知識の教授」などほんの一部にすぎず、他の多くはほとんど関連がない役務といえるものである。
そうすると、本件商標は、その指定役務について使用した場合、これより需要者が申立人の引用商標を想起して、それが申立人の業務に係る役務であるかのように、その出所につき混同を生じるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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