Trademark Appeal Case
「健康フーズ」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−10676(T2001−10676/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「健康フーズ」の文字(標準文字)を書してなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、平成12年2月9日に登録出願されたものである。
2 原審の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『健康に良い食品』の意を容易に理解させる『健康フーズ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願の指定商品に使用しても、これに接する取
引者、需要者は、前述の理解に止まり、何人かの業務に係る商品であると認識することができないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「健康フーズ」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「健康」の文字部分は、「身体に悪いところがなく心身がすこやかなこと。達者。丈夫。壮健。また、病気の有無に関する、体の状態。」(岩波書店発行「広辞苑第5版」)を意味する語であり、また、「フーズ」の文字部分は、指定商品との関係より、「食べ物。食料品。」(株式会社三省堂発行「官公庁のカタカナ語辞典第2版」)を意味する英語「foods」を表すものというのが相当であって、いずれも日常的に使用されている語であるといえる。
そうすると、本願商標を構成する「健康フーズ」の文字からは、「健康によい食品」、あるいは「健康食品」の意を容易に理解させるものであるといえる。
ところで、近時、日本人の食生活は、日常の生活の多様化などの生活環境の変化に伴う不規則な食事の増加や、ファストフード(fast food)など調理済み食品やインスタント食品等への依存度の増加、あるいは過度のダイエット志向による偏食等によって引き起こされる肥満、糖尿病、がん、高血圧症といった生活習慣病の増加が深刻化する一方で、食物繊維、ビタミン類、カルシウムなどの栄養成分の不足が叫ばれて久しい実情にある。例えば、カルシウムの不足は、骨折しやすい、骨粗鬆症といった健康への重大な障害を引き起こす原因となることや食物繊維が不足することによって大腸がんが発生する率が高くなるということは、一般の需要者の間にもよく知られているところである。
このようなわが国の食生活を取り巻く社会的状況において、乳製品、菓子、加工食料品等の食品分野において、鉄分やビタミンC、あるいは食物繊維やカルシウムなどの栄養成分を添加したことを付加価値とした健康志向食品と称される商品や特定の栄養素あるいは食品成分の摂取を目的とした栄養補助食品、などのいわゆる健康食品、さらに、カロリーや糖分等を押さえた清涼飲料、ビール等が多数市場に出回っていることは周知の事実である。
また、一方で、化学肥料、農薬、ホルモン剤等を使用しないで育てた農産物や畜産物、食品添加物を使用しない自然食品などの健康食品への消費者の関心が高まっている実情にもある。上記食品分野における、いわゆる取引の実情よりすると、「健康フーズ」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「健康を維持することを配慮した商品」なる意味合いをもって、該商品が「健康によい食品」であることを表したと認識するにとどまり、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないとみるのが相当である。
してみると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、何人かの業務に係る商品であると認識することができないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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