結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31075号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1353436号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和49年8月1日に登録出願、「フルーベル」の片仮名文字を横書きしてなり、第4類「せっけん、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、同53年10月31日に設定登録、その後、同63年9月26日及び平成10年11月17日の二度にわたり存続期間の更新の登録がされているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「せっけん、化粧品、香料類」についての登録を取り消すとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)平成11年12月28日付け被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人とその関係会社である株式会社フルベール、株式会社クラブコスメチックス及び曽田香料株式会社についての記述は認めるが、その余の主張は全て否認する。
(ア)乙第2号証の商品カタログについて
(a)乙第2号証として提出されたカタログには、「カタログの内容等は1999年4月21日現在のもの」と記載されているが、カタログの印刷年月日、印刷場所、発行部数等が不明である。請求人が入手した、記載内容が2000年5月21日現在のフルベール化粧品のカタログによれば、「フルベールフルーベル」シリーズの商品は掲載されていない(甲第2号証)。
(b)株式会社フルベールのインターネットホームページを検索したところ、1998年から1999年の商品には、「フルベールフルーベル」シリーズは紹介されていない(甲第3号証)。
(c)請求人代理人の職員が、株式会社フルベールの東京支店(東京都渋谷区渋谷1丁目7番6号青山タイヨービル、電話番号:03ー3486ー0077)に電話にて、平成12年6月22日及び7月27日に「フルベールフルーベル」商品について照会したところ、そのような商品は、1998から1999年に販売したことはない旨の回答を得ている。
(d)乙第2号証が1999年4月21日現在のカタログであるならば、本件答弁書提出期限内にすみやかに提出することができるはずであるところ、平成11年12月28日に追って補充して提出されているところから判断するに、このカタログは、本件審判が請求された後に作成されたものであることを疑うに充分な根拠がある。
(e)以上総合するに、乙第2号証のカタログは、その信憑性に欠けるものであり、本件商標の使用の事実を証明することのできないものである。
(イ)乙第3号証の2の売上伝票について
(a)被請求人は、『「株式会社フルベール」が商品の製造を「株式会社クラブコスメチックス」(製造業者)に発注し、そこで製造された化粧品等が「株式会社フルベール」に納品され、その商品を支店、販社、販売店を通じて美容部員によって訪問販売しているところである。』と述べているが、株式会社フルベールからその販社、販売店に対する販売伝票が示されていないので、この乙第3号証の2の伝票のみでは、これに記載されている販売の事実の証明とはなり得ない。
(b)平成9年の年商が120億円の株式会社であるなら、支店、販社、販売店には、美容部員が「フルーベル」の商品を販売した際の納品書、請求書又は売上伝票があるはずである。
(c)提出された売上伝票に記された筆跡であるが、品名、数量及び梱数の欄の文字と単価及び金額の欄の文字では、その筆跡が明らかに相異し、かつ種類の異なるペンで記載されたものであることが明らかであり、乙第3号証の2の売上伝票は証拠として信憑性に欠けるものである。
(ウ)乙第7号証の登録商標の使用説明書について
乙第7号証は、本件審判においては、誰が何のために作成したものであるかの証明がなされていない。また、これに添付されている写真の撮影日は、本件審判請求の日前の平成11年1月25日となっているが、この写真が何の目的のために撮影されたものであるか、撮影者のシード・磯貝氏が実際に撮影したものであるかということが証明されていないので、乙第7号証は使用を示す証拠としては価値のないものである。
(エ)乙第4号証の1の原料調査票及び同号証の2の品質規格書について
乙第4号証の1の原料調査票の「1.商品名(パッケージ表示名)」の欄には、「フルーベル C−4119」とあるが、「4.製造元」及び「5.発売元」の欄によれば、この商品を製造し、株式会社クラブコスメチックスに納入しているのは、曽田香料株式会社大阪支店である。株式会社クラブコスメチックスと曽田香料株式会社との関係は不明であるが、原料調査票の趣旨から、その調査票の記載は、株式会社クラブコスメチックスから曽田香料株式会社に調合香料を発注し、その注文に基づいて曽田香料株式会社が製造し、納入する調合香料についての組成、仕様、包装、保存条件等の記述である。
すなわち、「調合香料」について、本件商標「フルーベル」を使用しているのは曽田香料株式会社であって、被請求人又はその使用権者の何れによるものではない。
(オ)乙第5号証の入庫伝票について
(a)乙第5号証の1ないし5における入庫伝票によって入庫されているのは、曽田香料株式会社の商品である。
(b)乙第5号証の1、同号証の2及び同号証の3における入庫伝票の日付がそれぞれ、乙第5号証の1では「平成10年1月16日」が「1月19日」に、同号証の2では「平成10年3月18日」と太いペンで、同号証の3では「平成10年7月31日」が「8月4日」にそれぞれ訂正されていることから、これらの訂正は、出納管理簿の日付と合致させるためにわざわざ訂正したものであることがうかがわれる。
(c)乙第5号証の1ないし5の入庫伝票には、上部中央に受付番号が表示されている。
一見時系列的な番号と見受けられる。平成10年1月19日付及び同年3月18日付の伝票用紙は、右下段の記載から1990年5月に作成されたものである。平成2年に作成した伝票用紙を平成10年になっても使用していることはいかにも不自然であり、伝票の記載事項が事実に反するものであることを自白しているものと考えられる。
(d)5枚の伝票の中央上部、受付の文字に重ねて「玉置」の印が押してあるが、いづれも同じ場所に同じ濃さで同じ傾きを以て押されている。このことは、これら5枚の伝票の全てに同日に同一人が押印したものであることを示している。また、5枚の伝票のうち、最初の2枚には倉庫係の欄に、「橋本」の印があるが、他の3枚からは倉庫係の印が消されている。
(e)そうすると、5枚の伝票を通じ、品名「フルーベル C−4119」及びその下部に記されている「直送分」の文字は、その書体が同一であることから、これらの文字は同一人によって記入されたものであることがわかる。
(f)しかし、平成10年1月19日付の伝票(乙第5号証の1)についてみるに、「Cー4119」の「4」の文字はその下部「1/4」の「4」の文字と明らかに書体を異にし、同一人の記載であるとは認め難い。このほか、書体を異にした数字がいくつか見受けられる。
(g)以上総合して判断するに、乙第5号証の1ないし5として提出された伝票は、真正に作成されたものと言い難く、その成立は否認される。
(カ)乙第6号証の倉庫出納管理簿2について
被請求人は、乙第6号証は、株式会社クラブコスメチックスの倉庫の出納管理簿である旨主張しているが、出納管理簿にはどの会社のものであるか表示されていないため、株式会社クラブコスメチックスの倉庫における出納管理簿であるという証拠とはいえない。
したがって、被請求人又は株式会社クラブコスメチックスが調合香料を販売した事実の証明は全くなされていない。
(キ)以上詳述したとおり、被請求人提出に係る証拠によっては、本件商標がその指定商品中「せっけん、化粧品、香料類」について、被請求人又はその使用権者の何れにによっても使用された事実が証明されていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標については、被請求人は「株式会社フルベール」と通常使用契約を結び、その指定商品中「スキンローション」、「ミルクローション」、「クリーム」、「調合香料」等の商品について、「フルーベル」の商標を付して現在使用中のものである。
(ア)被請求人である「中山太陽堂興産株式会社」と通常使用権者である「株式会社フルベール」とは、「株式会社クラブコスメチックス」のグループ関係である関連会社であって、「株式会社フルベール」は、1973年に設立し、以降「フルベール」の商標を付した商品を訪販品として販売しているところであり、化粧品等の商品については、「株式会社クラブコスメチックス」が一括して商品を製造している。
(イ)その商品の流通機構とは、「株式会社フルベール」が商品の製造を「株式会社クラブコスメチックス」(製造業者 )に発注し、そこで製造された化粧品等を「株式会社フルベール」に納品され.その商品を支店L販社、販売店を通じて美容部員によって訪問販売している。
(ウ)平成9年度における「株式会社フルベール」の年商は120億であり、このことは会社概要(乙第1号証)により明らかである。同社が「フルベール」又は「フルーベル」の商標を付した商品の「カタログ」(乙第2号証)であって、そのカタログに表示されている商品の値段は、平成11年4月21日以前のものであるから、本件審判の請求の日前のものである。
(エ)「登録商標の使用説明書」に添付されている「株式会社フルベール」が「フルーベル」の商標を付して使用中の商品である「スキンローション」、「ミルクローション」及び「クリーム」等の包装箱、容器の写真は、いずれも平成11年1月25日に撮影されたものである。
(オ)本件審判請求の日前3年以内に使用していたことを立証するものとして、「株式会社フルベール営業部」より「株式会社クラブコスメチックス」宛の平成10年11月30日付け「2・3月度仕入予定の件」及び「商品発注書」(乙第3号証の1)、「株式会社クラブコスメチックス」より「株式会社フルベール」宛平成11年1月20日発行の「売上伝票」(乙第3号証の2)を提出する。
(カ)化粧品の製造の原料である「調合香料」については、「フルーベルCー4119」と表示した商品を「曽田香料株式会社野田工場」に発注したことを示す平成7年4月13日付けの「原料調査票(写真コピー添付)」(乙第4号証の1)及び「曽田香料株式会社野田工場」より「株式会社クラブコスメチックス」宛の平成7年4月14日付けの「品質規格書」(乙第4号証の2)を提出する。
(キ)化粧品の原料となる「調合香料」については、「フルーベルC4119」を表示した商品を「曽田香料株式会社」に発注したことは、入庫伝票及び株式会社クラブコスメチックスの倉庫課の出納管理簿2により、保管し調合香料を使用している事実を立証する。
(ク)以上のごとく、乙各号証におけるそれぞれの日付は、本件審判請求の日前3年以内に使用されていたものであり、同期間中に本件商標をその指定商品中「スキンローション」、「ミルクローション」、「クリーム」及び「調合香料」について使用していた事実を立証するものである。
(2)請求人による弁駁に対する平成13年7月31日付け答弁
(ア)商品カタログについて
(a)請求人が入手した2000年5月21日現在のカタログ(甲第2号証)によれば、「フルベールフル−ベル」シリーズの商品は掲載されていないということであるが、オプション的扱い商品である「フルベールフル−ベル」は、それまでの「フルベールマーデリフ」の商品を廃番として「フルベールフルーベル」の商品とし、その後「フルベールピーターラビット」シリーズにしているために、甲第2号証のカタログには掲載されていないのである。
(b)インターネットホームページ(甲第3号証)を検索したところ、「フルベールフルーベル」シリーズの商品は紹介されていないとのことであるが、全ての商品をインターネットのホームベーンに載せるわけではないため、載せない商品もある。
(c)電話で照会したところ、「フルべールフルーベル」の商品の販売はしたことがないとのことであるが、先に記載したごとく売上げがかんばしくないために廃番となったので、販売の記憶がなかったものと思われる。
(d)カタログの提出が遅れたことについては、中山太陽堂興産株式会社、株式会社クラブコスメチックス、株式会社フルベールの各社はグループ会社ではあるが、別会社組織のため手配に時間がかかったためである。
(イ)乙3号証の2の売上伝票について、
売上伝票が1通であったとしても、株式会社クラブコスメチックスが株式会社フルべールに販売したという事実である。また、売上伝票に記載されている文字については、一人が記入するものではないので、同一のように記載することは不可能であり、この記入自体も不自然のものとはいえないところである。
なお、株式会社クラブコスメチックスから株式会社フルべール宛の売上伝票20015の前後である伝票番号20011ないし20019までの売上伝票(乙第8号証の1ないし同9号証)を提出する。
(ウ)乙第4号証ないし乙第6号証「調合香料」について
株式会社クラブコスメチックスと曽田香料株式会社との関係については、中山太陽堂興産株式会社と曽田香料株式会社が平成4年2月1日付の本件商標使用に関する契約書(第9号証)により、「調合香料」については通常使用権の契約をなしているものである。
したがって、株式会社クラブコスメチックスが曽田香料株式会社に「調合香料」の製造を発注し、その製品を曽田香料株式会社より調合香料「フルーベル−C4119」として納入されているものであるから、曽田香料株式会社は株式会社クラブコスメチックスの指示で「フルーベルC−4119」の「調合香料」を使用しているものであるから、当然「調合香料」については通常使用権者により使用しているところである。
(エ)入庫伝票ならびに倉庫課の出納管理簿2について
請求人は、種々述べているが、入庫伝票の日付の訂正は、株式会社クラブコスメチックスが指定する伝票は納入業者が記入しているため、記入日と納品日にズレが生ずるため、ここに納品日として修正されるものであって、通常の業務上のことである。
また、納入品目の多い業者は伝票が新しくなるが、少ない業者にはかなり古い伝票を使用しているのが実情である。伝票の記載の文字が多少相違するものであったとしても、人それぞれによって書体を異にして表示する場合もあり、その場の状態によって必ずしも同一のものとして表示するとは限らないものである。
(オ)他業者より入庫伝票を乙第10号証の1より乙第12号証の8として提出する。
これらにより、この倉庫の出納管理簿の2は、株式会社クラブコスメチックスのものであることは明かである。
(カ)したがって、本件商標を指定商品中「スキンローション」、「ミルクローション」及び「クリーム 」について使用しているものであり、「調合香料」についても、通常使用権者により使用されているものであるから、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
被請求人提出の乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)被請求人(中山太陽堂興産株式会社)と通常使用権者(株式会社フルベール)、株式会社クラブコスメチックスとは、グループ関係にある会社である(乙第1号証)。
また、被請求人と曽田香料株式会社とは、平成4年2月1日付けの本件商標使用に関する契約書(乙第9号証)をもって、指定商品中の「香料類」について通常使用権の契約を締結している。
(2)化粧品の使用について
乙第2号証(フルベール化粧品のカタログ)には、「フルベール フルーベル」シリーズの商品の写真が掲載されており、その写真の真下には、「フルーベル スキンローション100ml 2000円」、「フルーベル ミルクローション80ml 2500円」、「フルーベル クリーム 30g 3000円」との記載がある。
そして、該カタログには、「記載の表示価格は全て税抜小売価格、内容は1999年4月21日現在のものです」との記載がある。
また、これら化粧品は、「登録商標の使用説明書」(乙第7号証)に添付の商品「フルーベル スキンローション、フルーベル ミルクローション、フルーベル クリーム」についての写真と同一のものと認めることができる。
さらに、平成10年11月30日付けの通常使用権者が株式会社クラブコスメチックスに宛てた「2・3月度仕入れ予定の件」(乙第3号証の1)及び1998年11月30日付けの「商品発注書」(乙第3号証の1)及び発行年月日を平成11年1月20日付けとする株式会社クラブコスメチックスが通常使用権者に宛発行した「売り上げ伝票」(乙第3号証の2)によれば、平成10年11月30日から平成11年1月20日の間に、上記化粧品が株式会社クラブコスメチックスによって製造され、販売されたことが認められる。
そうとすれば、被請求人の通常使用権者及び株式会社クラブコスメチックスが、本件商標を取消請求に係る「スキンローション」、「ミルクローション」及び「クリーム」に、本件審判請求の登録日(平成11年9月1日)前3年以内に日本国内において使用していたものと認められる。
(3)香料の使用について
乙第4号証の1は、株式会社クラブコスメチックが商品名(パッケージ表示名)「フルーベル Cー4119」と記載した「調合香料」を曽田香料株式会社に発注し、その注文に基づいて曽田香料株式会社が製造し納入する調合香料についての組成、使用、包装、保存条件等を記載した「原料調査票」である。
また、乙第4号証の2は、曽田香料株式会社野田工場から、株式会社クラブコスメチックスに宛てた品名「フルーベル Cー4119」についての「品質企画書」である。
そして、平成10年1月19日、平成10年3月18日、平成10年8月4日、平成11年7月12日及び平成11年8月25日付の「入庫伝票」(乙第5号証の1ないし5)、並びに98年4月6日及び98年10月6日付け「出納管理簿2」の抜粋(乙第6号証の1ないし2)によれば、上記の「原料調査票」及び「品質企画書」に基づいて、商品名(パッケージ表示名)「フルーベル Cー4119」と記載した「調合香料」を曽田香料株式会社が製造し納入したものと認められる。
してみれば、本件商標の通常使用権者である曽田香料株式会社が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る商品中の「調合香料」について、本件審判請求の登録日前3年以内に日本国内において使用していたということができる。
(4)そして、「スキンローション」、「ミルクローション」及び「クリーム」は、本件の指定商品中の「化粧品」に属し、「調合香料」は、同じく「香料類」に属する商品である。
(5)したがって、本件商標の指定商品中取消請求に係る商品「せっけん,化粧品,香料」の登録については、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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