結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30753(T2002−30753/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1832778号商標(以下「本件商標」という。)は、「HEIKO」の欧文字を横書きしてなり、第19類「台所用品、日用品」を指定商品として、昭和58年7月4日登録出願、同61年1月24日に設定登録され、その後、平成8年6月27日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『台所用品、日用品(プラスチック製ごみ収集用袋及びこれに類似する商品を除く。)』についてその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1.請求の理由
本件商標は、継続して過去3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中の「台所用品、日用品(プラスチック製ごみ収集用袋及びこれに類似する商品を除く。)」について使用されていないものであるから、商標法50条1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
2.答弁に対する弁駁
(1)「紙製手提袋」が属する区分について
特許庁により公表されている特許電子図書館データベースによれば、「紙製手提袋」は、第16類及び類似群18C04に属するとされており、これらは類似商品・役務審査基準改訂第9版上の「紙製包装用容器」が属する区分及び類似群と同じである。
したがって、紙製手提袋は、昭和34年法の商品区分第18類(同商品区分については、以下「旧」の文字を付して表示する。)・現行第16類の「紙製包装用容器」に含まれるものと考えるのが自然であり、そのように考えることによる不都合はないといえる。一方、被請求人が主張するように紙袋の購入又は頒布の方法によって商品が異なると解すれば、商品の区別が困難となり、物理的に同一の紙袋が非類似の商品になるとの不都合が生じかねない。
また、被請求人は、紙製手提袋が旧第19類に属すると主張するが、類似商品審査基準改訂第6版において、紙製手提袋は、旧第19類の商品として例示されていない上、旧第19類の商品には類似群18C04に属する商品は存在しない。よって、被請求人のかかる主張を肯認することはできない。
以上より、「紙製手提袋」は旧第18類に属すると解するのが相当である。
(2)「合成樹脂製手提袋」が属する区分について
上述のとおり、紙製手提袋は、紙製包装用容器に含まれると解されるところ、合成樹脂製手提袋は、旧第18類「プラスチックス製包装用容器」に含まれると解するのが相当である。
(3)登録第1538647号の1商標(以下「ミストラル商標」という。)の指定商品について
ミストラル商標の指定商品において、「紙製及び軟質合成樹脂製手提袋」が旧第19類の商品とされているのは、現在、紙製手提袋が類似群18C04に属するとされていることと矛盾する。
ただし、「紙製及び軟質合成樹脂製手提袋」が旧第19類に属すると判断されたのは、商品審査基準改訂第6版において「買物かご」が旧第19類の商品として例示されていたために生じた過誤であるといえる。
そうとすれば、ミストラル商標の指定商品において、「紙製及び軟質合成樹脂製手提袋」が旧第19類の商品として記載されていて、その更新登録が認められたことは、本審判における判断に何等の影響を与えるべきものではない。
(4)乙第2号証及び乙第4号証の信憑性について
被請求人が提出した証拠方法のうち、本件商標が表示されているものは乙第2号証及び乙第4号証のみである。これらの証拠方法は、本件商標が記されたバーコードシールを付した商品の写真について、被請求人の取引先企業が証明するという体裁を採っている。
しかしながら、上記各証に付された写真には撮影時期を示す部分が全くないため、いつ撮影されたものであるかは明らかでない。また、写真中の商品に付されたバーコードシールは短期、かつ、容易に製造できるものであることから、本件審判が請求された後であっても、上記各証に付されているような写真を撮影することは可能である。
加えて、被請求人の取引先企業は、紙袋及びプラスチック袋製品の大手製造者たる被請求人によって多大な圧力を受け得る立場にあり、被請求人から依頼があった場合に客観的な証明を行うことは困難であると推測される。
以上を総合すれば、乙第2号証及び乙第4号証の信憑性は疑わしいといわざるを得ず、少なくとも証拠として採用するに足る客観性を備えていない。
(5)まとめ
乙各号証を総合的にみて、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかが、本件商標を旧第19類「台所用品、日用品(プラスチック製ごみ収集用袋及びこれに類似する商品を除く。)」について使用していることを証明していない。
したがって、被請求人の主張及び証拠方法によっては、本件商標の不使用を免れることはできないものであるから、本件商標は、その指定商品中の「台所用品、日用品(プラスチック製ごみ収集用袋及びこれに類似する商品を除く。)」についての登録は、商標法50条1項の規定により取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1.本件商標の商標権者は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を指定商品中の「紙製手提袋」、「合成樹脂製手提袋」について使用している事実がある。
なお、被請求人は、株式会社シモジマに商号を変更し、登録名義人の表示変更の登録が平成14年7月19日になされた。
2.使用の事実
(1)紙製手提袋について
上記商品を販売した取引先の一つである有限会社竹内商店(以下「竹内商店」という。)へ販売した(乙第1号証及び乙第2号証)。
上記竹内商店は、平成13年12月26日に被請求人より、「PBスムースM−1 シコン」なる商品を仕入れ、同社にて販売した。この商品の底面に、本件商標が使用されている。
この「PBスムースM−1 シコン」という商品は、被請求人の通信販売用のカタログ「Telephone order Yellow Catalogue 8」(乙第5号証)の92頁最下段に掲載されている「シコン #3136204」であり、コート紙を素材とする「紙製手提袋」である。
(2)合成樹脂製手提袋について
上記商品を販売した取引先の一つである株式会社桜井商店(以下「桜井商店」という。)へ販売した(乙第3号証及び乙第4号証)。
上記桜井商店は、平成13年10月26日に被請求人より「アイバッグ ワイン1本 B」なる商品を仕入れ、同社にて販売した。この商品の底面に、本件商標が使用されている。
この「アイバッグ ワイン1本 B」という商品は、前掲のカタログ(乙第5号証)の91頁中段に掲載されている「ワイン1本 #7571031」であり、ポリプロピレンを素材とする「合成樹脂製手提袋」である。
3.ところで、被請求人の所有するミストラル商標の指定商品は、旧第19類「紙製および軟質合成樹脂製手提袋、その他本類に属する商品、但し、シャワー用ホース、シャワー用ノズルその他のシャワー器具、その他の浴そう類を除く」である(乙第6号証)。
さらに、ミストラル商標の商標権更新の際の使用証明は、「軟質合成樹脂製手提袋」について行なっている(乙第7号証)。この商品は、前掲のカタログ(乙第5号証)の95頁上段に掲載されている「ミストラルバッグ」である。
以上のことから、旧第19類に「紙製手提袋」と「合成樹脂製手提袋」が属することは明白である。
ちなみに、旧第18類に「紙製包装用容器」があり、この中に「紙袋」が記載されている。この商品は、消費者が商品を購入した際、販売店がサービスで商品を入れる袋であり、販売店が大量に購入し用意しておく性格の商品である。
これに対し、旧第19類の「紙製手提袋」や「合成樹脂製手提袋」は、消費者が文房具店等で、お金を払って購入する一点物の性格の商品である。前掲カタログ(乙第5号証)の95頁最下段に掲載されているような什器に陳列して、販売されている。
4.以上のとおり、本件商標の商標権者が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を指定商品中の「紙製手提袋」、「合成樹脂製手提袋」について使用していた事実は明らかである。
1.乙第1号証ないし乙第5号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)乙第1号証は、発行日を「2/1/31」とする被請求人が竹内商店に宛てた請求書(営業所控)であり、「月日」の欄に「12/26」の、「品名」欄に「PBスムースM−1 シコン」の記載がある。
(2)乙第2号証は、竹内商店の代表取締役である竹内博が被請求人の代表取締役である下島淳延に対してした平成14年8月29日付けの証明書であり、その内容は、竹内商店は、底部に、本件商標と同一態様の文字からなる「HEIKO」の文字、「PBスムースM−1」、「シコン」、「#3136204」などの文字、記号が記載された紙製手提袋を、平成13年12月26日に被請求人から仕入れ、販売したということを証明したものである。
(3)乙第3号証は、発行日を「1/11/20」とする被請求人が桜井商店に宛てた請求書(営業所控)であり、「月日」の欄に「10/26」の、「品名」欄に「アイバッグ ワイン1ポン B」の記載がある。
(4)乙第4号証は、桜井商店の代表取締役である桜井為則が被請求人の代表取締役である下島淳延に対してした平成14年8月29日付けの証明書であり、その内容は、桜井商店は、底部に、本件商標と同一態様の文字からなる「HEIKO」の文字、「アイバッグワイン1本」、「B(ブルー)」、「#7571031」などの文字、記号が記載された合成樹脂製手提袋を、平成13年10月26日に被請求人から仕入れ、販売したということを証明したものである。
(5)乙第5号証は、表紙に「Telephone order Yellow Catalogue 8」との表題があるカタログであるところ、その92頁下段の「PBスムース」の項目に、「シコン #3136204」との文字及びその商品写真がある。また、同91頁の「アイバッグ」の項目に、「B(ブルー)」として「ワイン1本 #7571031」との文字及びその商品写真がある。さらに、同95頁の「チャームバッグ用什器」の項目に、「二段(横型)」、「二段(フック型)」の文字と、2台の陳列台に多数の手提袋を下げた状態の写真がある。そして、同534頁には、「編集発行 シモジマ商事(株)企画部 平成13年10月初版発行」の記載がある。
2.前記1.で認定した事実を総合すると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成14年7月17日)前3年以内である平成13年(2001年)12月26日に竹内商店に対し、本件商標を表示した紙製手提袋を販売したこと、及び同じく本件審判の請求の登録前3年以内である平成13年(2001年)10月26日に桜井商店に対し、本件商標を表示した合成樹脂製手提袋を販売したと推認し得るところである。
3.そこで、使用に係る商品である紙製手提袋及び合成樹脂製手提袋が、本件請求に係る指定商品中に含まれる商品であるか否かについて検討する。
旧第18類の包装用容器の概念は、消費者がある特定の商品を購入することによって、必然的にその外側の包装用容器をも手に入れるような性格を持つ容器であって、その需要者が一般の消費者であることは極めて少ない商品であるのに対し、旧第19類は、生活用品として、日常使用される器具的なものをまとめた類である(「商品区分解説」昭和55年3月31日 改訂版)ところ、旧第19類の日用品の範疇に属する「買物かご」は、用途において特定の商品を入れる物ではなく、汎用性のある入れ物として使用されるというのが相当であり、その需要者は一般の消費者である。
これを本件についてみるに、使用に係る商品である紙製手提袋及び合成樹脂製手提袋のうち、少なくとも紙製手提袋は、用途が限定されているものとは認めることができず、また、その販売方法も、乙第5号証(カタログ)の95頁に掲載の手提袋陳列台等に陳列されて販売されているものと推認され、このような販売方法が採られる場合は、その需要者を一般の消費者とする商品とみるのが相当であって、その用途も汎用性がある日常的に使用される商品ということができる。
そうすると、本件使用に係る商品中、紙製手提袋は、その用途、販売形態、需要者などを総合的にみれば、旧第18類の包装用容器の概念に属する商品というよりは、旧第19類の日用品の「買物かご」の範疇に属する商品というのが相当であるから、本件請求に係る指定商品中に含まれる商品であるといわざるを得ない。
4.請求人の主張
(1)請求人は、紙製手提袋は旧第18類・現行第16類の「紙製包装用容器」に含まれるものであり、紙袋の購入又は頒布の方法によって商品が異なるとすれば、商品の区別が困難となり、物理的に同一の紙袋が非類似の商品になるとの不都合が生じかねない旨主張する。
しかし、昭和34年法の商品区分(商標法施行規則別表)は、用途主義、販売店主義に重きを置いている結果、物の用途によっては、同一の物が2つの類にまたがって例示されている場合もあり、したがって、紙袋といっても、専ら小売店等が自己の取扱いに係る商品の包装用に使用するものであれば、旧第18類に属する商品であることは明らかである。そして、本件使用に係る紙製手提袋は、前記認定のとおり、その用途、販売形態、需要者などから、旧第19類の日用品の範疇に属するというが相当である。また、請求人は、商品の類否について言及するが、商品の区分は、商品の類似の範囲を定めるものではないのみならず、本件審判においては、登録商標を請求に係る指定商品について使用しているか否かを判断すれば足りるものである。したがって、請求人の主張は採用することができない。
(2)請求人は、乙第2号証及び乙第4号証について、添付の写真には撮影時期なく、また、写真中の商品に付されたバーコードシールは、容易に製造できるものであるから、本件審判が請求された後であっても、上記各証に付されているような写真を撮影することは可能であるし、証明書は、被請求人の取引先企業の作成したものであるから、乙第2号証及び乙第4号証の信憑性は疑わしい旨主張する。
しかし、乙第2号証及び乙第4号証の写真が本件審判の請求日以降に作成されたものであるとしても、これは、乙第1号証及び乙第3号証の取引があった商品について、本件商標が使用されている状態を示したにすぎないものであるから、写真の撮影時期は、使用の事実に直接に関わる事柄ではないし、証明書が虚偽によるものであるとの証左は見出せない。したがって、上記請求人の主張は理由がない。
5.以上によれば、被請求人は、被請求人が本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件請求に係る指定商品中の「紙製手提袋」について使用していたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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