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Trademark Appeal Case

略語と普通名称の結合

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−17650(T2000−17650/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「SMDフィーダ」の文字(標準文字)を横書きしてなり、第7類「機械部品・電子部品等を自動的に整列しながら搬送する装置」を指定商品として、平成11年5月27日に登録出願されたものであるが、指定商品については、同12年8月16日付け手続補正書により「表面実装用に設計された機械部品・電子部品等を自動的に整列しながら搬送・供給する装置」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『SMDフィーダ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるが、出願人が平成12年6月6日に提出した意見書によれば、その構成中の『SMD』の文字が『表面実装部品』を意味する英語『Surface Mount Device』の略語として当業者間で普通に使用されている技術用語であること、及び『フィーダ』の文字は、機械工学の分野において『操作ユニットへ原料を送るための装置、供給装置』を意味する語(マグローヒル科学技術用語大辞典:株式会社日刊工業新聞社発行)であり、『Sheet Feeder』『パーツフィーダ』等のように広く一般に使用されているものであるから、本願商標は全体として『表面実装部品を供給する装置』の意味合いを認識させるに止まるものといわざるを得ない。したがって、願書に添付された商品説明書を勘案した本願指定商品に本願商標を使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められるから、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.本願商標は、前記したとおり、「SMDフィーダ」の文字よりなるものであるところ、その構成中の「SMD」の文字部分は、出願人(請求人)の提出に係る平成12年6月6日付け意見書及びこれに添付された参考資料1(工業材料大辞典)によれば、「表面実装部品(表面実装用に設計された電子部品)のこと」を意味する「surface mount device」の略語として、当業者間で普通に使用されている技術用語であることが認められる。

また、同じく「フィーダ」の文字部分は、平成12年8月16日付け意見書及びこれに添付された参考資料4(マグローヒル科学技術用語大辞典)及び同5(JIS工業用語大辞典)によれば、英語「feeder」の片仮名表記と認められ、電気の分野においては、「1.送信機とアンテナの間で用いる送電線。2.電力配電系統で発電所,変電所,給電点などを接続する導体。3.構内配線系で主配電所を二次あるいは枝配電所とつなぐ導線群。」を意味するものであり、機械の分野においては、「1.ばら荷,小包などの荷物の送り速度を制御するコンベヤー。あるいは,物を仕分けしたり,集めたりする装置。2.操作ユニットへ原料を送るための装置。供給装置。」などを意味するものであり、さらに、地質に関する分野においては、「大きな鉱脈と合体する小さな鉱石産出脈。」を意味する語であることが認められる。

2.ところで、本願商標は、前記したとおり、その指定商品を「表面実装用に設計された機械部品・電子部品等を自動的に整列しながら搬送・供給する装置」であるところ、願書に添付された「商品説明書」(補正前の商品)によれば、「コントローラでボウルへの振動を微調整することにより、ボウル内側の螺旋にそって各種部品がボール下方に移動し、部品の配置・間隔等を揃えてシュート等に送出すことができ、様々の自動組付け機械に各種の部品を自動的に整列・供給する装置」であることが認められ、補正後の商品にあっても、「表面実装用に設計された」(表面実装部品)なる形容詞的語句が付加されたものであるから、装置自体の基本的用途においては変更がないものといえる。

してみると、本願の指定商品は、いわゆる部品供給装置の一種と認められ、製造機械の範疇に属する商品であるということができる。

3.一方、当審で行った職権による証拠調べの結果、製造機械等を取り扱う分野において、「フィーダー」(本願商標中の「フィーダ」とは、英語「feeder」の片仮名表記上の相違で、実質的に同一のものである。)の語が「供給装置」などを意味するものとして普通に使用されていることは、以下の事実より明らかである。

(1)1988年9月29日付け日刊工業新聞(22頁)に、「ホープ精機、エンボステーピングマシンを開発。・・・」の見出しのもと、「同装置は部品を供給するフィーダーと・・・」なる記載がある。

(2)1989年6月2日付け日刊工業新聞(11頁)に、「TDK、チップ自動装着機用部品供給パック発売。・・・」の見出しのもと、「この装着機は自動的に部品の装着順序、フィーダー(部品供給部)の配置を決めるため、・・・」なる記載がある。

(3)1990年1月16日付け日刊工業新聞(9頁)に、「ロボティックス、超小型の直進フィーダー開発」の見出しのもと、「微小部品を整列供給する超小型の直進フィーダーを開発した。・・・従来のフィーダーに比べ大幅な小型化を実現し、・・・同社では各種接点の自動供給、半導体関連などでの需要に期待している。」なる記載がある。

(4)1991年1月28日付け日刊工業新聞(13頁)に、「JUKI、最高80種類を搭載できる汎用表面部品装着装置を発売」の見出しのもと、「部品の供給はテープ、スティック、トレーまで広範囲に対応する豊富なフィーダーをそろえている。」なる記載がある。

(5)1997年8月7日付け日刊工業新聞(17頁)に、「第27回機械工業デザイン賞(7)三洋ハイテクノロジー、チップ型電子部品実装装置」の見出しのもと、「横のサイズを大幅に短縮、また部品供給部のフィーダーを一括交換方式にし、・・・」なる記載がある。

(6)1997年11月6日付け日刊工業新聞(15頁)に、「三洋ハイテクノロジー、電子部品自動装着装置を発売」の見出しのもと、「販売実績の高い『TCM−3100S』の改良タイプで、部品供給部のフィーダーをパレットごと一括交換にし、・・・」なる記載がある。

(7)1998年10月16日付け日刊工業新聞(11頁)に、「オーム電機、電子部品実装機を完成。・・・」の見出しのもと、「同実装機は電子部品を吸装着するヘッドと部品供給するフィーダー、・・・を用途に応じて自由に組み合わせることが可能。・・・」なる記載がある。

(8)2001年11月7日付け日刊工業新聞(13頁)に、「01国際ロボット展/・・・」の見出しのもと、「万能ミニ知能ロボット・・は、段ボールに入った電子部品やハンガーに吊るされた板金部品、かごに納められたバラ積みワークなどを取り出すことができる。このため、ロボット導入の際に必要とされてきた専用の整列供給機器(フィーダー)が不要となり、・・・」なる記載がある。

(9)2003年4月17日付け日刊工業新聞(13頁)に、「ミツテック、微小部品安静搬送の新型フィーダー発売」の見出しのもと、「・・・微粉体や微小部品を安静搬送し、高精度な計量供給ができる新型フィーダーを開発、発売した。」なる記載がある。

4.前記1.ないし3.で認定した事実を総合すると、本願商標は、「表面実装部品(表面実装用に設計された電子部品);surface mount device」の略語として、当業者間で普通に使用されている「SMD」の語と「供給装置」を意味するものとして、製造機械等を取り扱う分野において普通に使用されている「フィーダ」の語を結合したものと容易に理解され、全体として、取引者、需要者に「表面実装部品の供給装置」なる意味合いを認識させるにとどまるものといわなければならない。

そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。

5.(1)請求人は、当審で行った証拠調べの結果に対し、工業・機械に関する情報が辞典・辞書、文献等の書籍、雑誌、新聞、ニュースレター、リーフレット、電気通信によるインターネット、テレビ・ラジオ放送、学会関係、研究機関の紀要、特許実用新案の明細書等々の膨大な情報が溢れている中で、同証拠調べにより明らかになった事実はすべて日刊工業新聞一紙の記事にすぎず、かつ、「フィーダー」の語のみの使用ではないので、一般には「フィーダー」が「供給機」の意味合いで使用されていない旨主張する。

しかし、「フィーダー」の語のそれ自体の有する意味は、請求人の提出した資料(辞典)より明らかであり、同じような意味が記載されている辞書類を多数挙げたところで、さほどの意味を有するものではないのみならず、当審で行った証拠調べは、製造機械等を取り扱う分野において、「フィーダ(ー)」の語が「供給機」を意味するものとして普通に使用されているという実情を明らかにしたものである。そして、「SMD」の語が、請求人主張のとおり、「表面実装部品(表面実装用に設計された電子部品)のこと」を意味する「surface mount device」の略語として、当業者間で普通に使用されている技術用語であることに加え、「フィーダ(ー)」の語が「供給機」を意味するものとして、当業界で普通に使用されている実情を併せ考えれば、「SMDフィーダ」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであることは前記したとおりである。

(2)請求人は、甲第1号証ないし甲第14号証を提出し、請求人は本願商標を1999年10月25日ころより使用し、新聞、雑誌に頻繁に掲載された結果、本願商標は、請求人の製造、販売に係る商品を表示するものとして、その取引者、需要者に認識されているばかりでなく、競業他社の使用はなく、競業他社との間のトラブルが発生したことがない旨主張し、さらに、「FEEDER」又は「フィーダ(ー)」の文字を含む登録例を挙げ、本願商標は、登録されるべきである旨主張する。

しかしながら、「SMD」及び「フィーダ(ー)」の語が、それぞれ前記した意味を有するものとして、機械を取り扱う分野において普通に使用されている実情からすれば、甲第1号証ないし甲第14号証における「SMDフィーダ(ー)」の使用が、その取引者、需要者に、必ずしも商標としての使用であると認識されていたかは極めて疑わしいといわざるを得ない。

また、請求人の挙げた登録例は、「フィーダ(ー)」の語と結合された他の語が特定の商品の品質等を具体的に表示するものといえないものであって、商標全体としても特定の意味合いを看取させるものとはいえないから、これらの登録例は、本願商標と事案を異にするものといわざるを得ず、前記認定、判断を左右するものではない。

(3)したがって、請求人の上記(1)及び(2)主張はいずれも理由がない。

6.以上のとおり、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められるから、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断した原査定は、妥当であって、取り消す理由はない。

よって、結論のとおり審決する。

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