Trademark Appeal Case
効能・品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第1148号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「AROMA」欧文字と「REFRESH」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き,洗濯用柔軟剤」を指定商品として、平成9年6月19日に登録出願されたものであるが、指定商品については、同11年6月28日付け手続補正書をもって、第3類「香料類,化粧品,洗濯用柔軟剤」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「1.本願商標は、『甘い香り、甘美な香り、芳香』程の意味合いを容易に認識させる、人口に膾炙された英語成語の“aroma”(芳香)と、“refresh”(爽やかにする、清涼にする)とを結合して、『AROMA』と、『REFRESH』の欧文字を二段に普通に用いられる方法で書してなるにすぎないものであるから、該文字の如き需要者の意図に適応し、さわやかな香りを付加してなる商品が供給されている実情に鑑みれば、このような商標を本願指定商品中、前記文字に照応する商品に使用しても、単に、指定商品の効能、品質としての意味合いを把握し、直観し、認識させるに止まり、何ら自他商品を区別する標識としての機能を果たすことができないものと認めるを相当とする。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。2.本願商標は、登録第545791号商標と同一又は類似であって、その指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「AROMA」欧文字と「REFRESH」の欧文字を二段に書してなるところ、構成中上段部「AROMA」の文字は、「芳香、香料」の意味を、下段部「REFRESH」の文字は、「気分をさわやかに一新すること」の意味を有する英語として、また、外来語(「広辞苑」株式会社岩波書店 第5版)として、「アロマ」と「リフレッシュ」のいずれの語も良く知られているものである。
ところで、昨今、芳香(アロマ/aroma)作用を利用した健康療法、美容法に関心が高まっており、該「アロマ/aroma」の語と組み合わせた用語が、例えば、次のように辞書に挙げられている。
(a)「アロマセラピー【aromatherapy】」→「花・香草などの香りをかいでストレスを軽減し、心身の健康をはかる療法。芳香療法。」(広辞苑 株式会社岩波書店 第5版 100頁)。
(b)「アロマテラピー[aromatherapy]」→「アロマ(芳香)による療法。...1920年代、フランスの科学者ガットフォセが精油について深く研究し、アロマテラピーという表現を初めて使った。...脳の中心部に直接働きかけて心身をリラックスさせたり活性化する。具体的には精油を...バスオイルに用いる、パックや化粧水に配合するなど。」(現代用語の基礎知識 2003年 自由国民社 1201頁〜1202頁)
(c)「アロマコロジー(aromacology)」→「芳香心理学(aroma psychology)。香りの持つリラックス効果などを研究する。」(現代用語の基礎知識 2003年 自由国民社 1419頁)
(d)「アロマバス(aroma bath)」→「芳香風呂。」(現代用語の基礎知識 2003年 自由国民社 1419頁)
さらに、「アロマ」の文字(語)、「リフレッシュ」の文字(語)及び両者を一連にした「アロマリフレッシュ」の文字(語)が、以下のよう、新聞紙上、インターネットのホームページに具体的に用いられて報道、掲載されている。
(e)「[遊!!ホテル]北野料理長フェア リフレッシュサロン/滋賀」の見出しの下に、「夏の疲れをリフレッシュ、ロイヤルオークホテルは、期間限定でアロマリフレッシュ専用客室を利用した『アロマのおへや』をオープン。...」(2002年8月8日 毎日新聞 地方版/滋賀)。
(f)「コーセー 体と心に効く化粧品」の見出しの下に、「コーセーは植物の働きでフェースラインとボディーラインの肌を引き締め、香りで心をいやす化粧品『セルフコンシャス』を発売した。...フェース用化粧液の...『アロマリフレッシュ』」(1997年2月26日 繊研新聞)。
(g)「人をリフレッシュし、元気にするアロマ」の表題で、「ほのかに香るアロマが、心身をリフレッシュ!」(http://ww32.tiki.ne.jp/yell/yellphoto/aromasa.pdf)。
(h)「無題ドキュメント」の表題で、「Welcome to WAKABA MONOGATARI...千葉市若葉区のタウン情報です。...アロマリフレッシュ。リラクゼーション効果のあるアロマオイルマッサージ。...」(http://www.bekkoame.ne.jp/i/jbna/wakaba/menu.html)。
(i)「ハニックアロマハミガキ」の表題で、「ハニックアロマ歯磨き(薬用)...アロマリフレッシュ歯磨 ローズマリー...気分を爽やかにリフレッシュな香りが、...」(http://www.hanix.co.jp/aroma.htm)。
(j)「リラックス」の表題で、「Relaxation&癒し、...アロマリフレッシュコース(50分)芳香により嗅覚を刺激しながら副交感神経を高めていくハンドテクニックによるデコルテまでの活性マッサージでリフレッシュ。...」(http://www.m−in.com/relax.html)。
(k)「ナリス化粧品」の表題で、「訪販商品・化粧品〔アロマハーブ〕アロマの香りでリラックスを贈ろう...〔カラーアロマ〕リフレッシュ効果・リラックス効果のある色と香りをセット。...」(http://www.naris.co.jp/goods/goo2fh.html)。
(l)「フジサワネット//―湘南ホテル」の表題で、「...(宿泊者専用)タラソ&アロマ リフレッシュスペース...」(http://town.fujisawa.ne.jp/1362/)。
(m)「ヘアエステ サーナカペリ」の表題で、「...ローズマリーエキス...保湿作用とアロマリフレッシュ作用があります。...」(http://www.homeo−jp.net/page9.html)。
以上の実情よりすれば、「AROMA」欧文字と「REFRESH」の欧文字のよりなる本願商標は、これをその指定商品「香料類、化粧品、洗濯用柔軟剤」に使用するときは、これに接する取引者、需要者が「芳香(aroma/アロマ)を利用して気分をさわやかに一新すること(refresh/リフレッシュ)のできる香料類、化粧品、洗濯用柔軟剤」のごとき意味合いを容易に認識、理解するものであるから、商品の品質、効能を表示するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであって、全体として商品の品質を普通に用いられる方法により表示した標章のみからなるものといわざるを得ない。
また、本願商標は、「芳香(アロマ)を利用してリフレッシュできる上記商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
なお、請求人は、「aroma」の語が「気品」、「芸術」等の意味を有し、「refresh」の語が「元気づける」、「飲食して休憩する」等の意味を有するものであるから、本願商標を上記2の意味合いにのみ限定して、単に指定商品の効能、品質を表したものとすることには承服できない旨主張する。
しかしながら、上記のとおり、「aroma」及び「refresh」の語は、一次的意味として、前者が「芳香、香料」、後者が「気分をさわやかに一新すること、生気を与え元気づけること」(「広辞苑」株式会社岩波書店 第5版)とあり、さらに、本願商標の指定商品中の「香料類、化粧品」を取り扱う業界及び芳香作用を利用した健康法、美容、に関心のある需要者は、同じく上記のとおり、「アロマセラピー【aromatherapy】」(花、香草などの香りをかいでストレスを軽減し、心身の健康をはかる療法:「広辞苑」株式会社岩波書店 第5版)、「アロマコロジー(aromacology)」、「アロマバス(aroma bath)」(現代用語の基礎知識 2003年 自由国民社)とあるように、それぞれ「aroma」が「芳香、香料」、「refresh」が「気分をさわやかに一新すること、生気を与え元気づけること」という意味を想起し、全体として、「芳香、香料(アロマ)を用いて気分をさわやかに一新すること」の意味合いを認識、理解するものといえるものであるから、この点についての請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、「AROMA」、「アロマ」の文字を構成中に有している商標が「化粧品、香料」を指定商品として、登録されている事例が多数存在する旨主張するが、これらの事案の登録になった時点と、現審決時とでは自他商品の識別力の判断時点が相違し、上記のように取引の実情も変動し、本願商標と事案を異にするものであるから、結局、前示のように判断するを相当とする。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとする原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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