Trademark Appeal Case
著名商標と結合商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第12164号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、後掲のとおり、「MICHAEL UNGARO(Eの文字にはドイツ語でいうところのウムラウトの記号が付されている。以下、いずれも、この記号を省略して表示する。)」の欧文字と「ミシャエルウンガロ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、第18類「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成8年11月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中にフランス国パリ所在の『ソシエテ エマニュエル ウンガロ』が商品『婦人服、紳士服、ネクタイ』等に使用して著名な商標『UNGARO』の文字を有してなるものであるから、これを出願人がその指定商品に使用するときは、恰も該商品が前記会社又はその関連会社の生産・販売又は取扱いに係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、商標法第4条第1項第15号の規定に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張の要点
本願商標は、「MICHAELUNGARO」の欧文字及び「ミシャエルウンガロ」の片仮名文字を上下二段に、夫々同書、同大、等間隔に一連に綴られたものであるから、一連に称呼されるべきものであり、かつ「MICHAEL/ミシャエル」と「UNGARO/ウンガロ」とに軽重の差がないので、殊更に「UNGARO/ウンガロ」のみを切り離して称呼しなければならない格別の理由はない。
これに対し、「UNGARO/ウンガロ」の著名性を仮にわが国において認めたとしても、あくまで、「UNGARO/ウンガロ」のみの場合のものであるため、本願商標と「UNGARO/ウンガロ」とは、非類似といわざるを得ない。
したがって、本願商標が「UNGARO/ウンガロ」のみのものと経済的、組織的に何等かの関係があるとの判断は現実的ではない。
また、平成11年7月からの運用基準の変更がされたといっても、今までの審査基準をいとも簡単に変更し、その構成中に含んでいるからといって拒絶するということは認め難い。
よって、本願商標は、商標法第4条第1項第15条には該当しない。
4 当審の判断
本願商標は、後掲のとおり、「MICHAEL UNGARO」の文字と「ミシャエルウンガロ」の文字とを二段に横書きしてなるところ、その構成中の「UNGARO/ウンガロ」の文字は、フランスのデザイナーである「Emanuel Ungaro(エマニュエル ウンガロ)」の略称を表すものとして、また、ソシエテ エマニュエル ウンガロが扱う「婦人服、紳士服、ネクタイ」等の商標として、本願商標の登録出願前から広く知られていたものであり、その著名性は、現在まで継続しているものと認められる。
このことは、各種辞典類において、数多く取り上げられていることからも首肯し得るところであり、例えば、「小学館ランダムハウス英和大辞典(株式会社小学館1999年1月10日第2版発行)」の「Ungaro」の項には「Emanuel,ウンガロ(1933−):フランスで活躍するイタリアの服飾デザイナー」と記載されており、「世界人名辞典(株式会社岩波書店 1997年11月21日第1刷発行)」の「ウンガロ」の項には「ウンガロ,エマニュエル(・マフェオルティ)Ungaro,Emanuel(Maffeolti)(仏 1933−)ファッション・デザイナー、・・・1965年、自身の会社を開き、・・・初めて既製服を生産した。」と記載されており、「英和商品名辞典(株式会社研究社 1991年第3刷発行)」の「Ungaro ウンガロ」の項には「Emanuel Ungaro」の項を見るように指示する矢印が付けられており、その「Emanuel Ungaro」の項には「フランスのデザイナーEmanuel(Maffeolti)Ungaro(1933−)がデザインした衣料品、その店。・・・1965年に独立して店を持ち、1968年のコレクションで発表したプリントの重ね着『レイヤードルック』で一躍名が売れた。同年、現在の店を開く。婦人服はプリントデザイナーのSoniaKnappeとの共同作業により、美しい色彩のプリント地を駆使した作品が多い。1975年ごろより紳士用衣料品も手がけ、ネクタイ、ベルト、靴、ハンドバッグ、ライター、時計などのデザインも行っている。」と記載されており、「日本語大辞典(株式会社講談社 1989年11月6日第1刷発行)」の「ウンガロ」の項においても「EmanuelUngaro フランスの服飾デザイナー。」と記載されているところである。
更には、「舶来ブランド事典 ’84ザ・ブランド(サンケイマーケティング発行)」、「ファッションブランド年鑑’92及び1996年版(株式会社チャネラー発行)」、「世界の一流品大図鑑’87年版(株式会社講談社発行)」、「世界のブランド大全集’95(株式会社東京企画発行)」等の事典、年鑑、図鑑類における掲載事項、紹介記事等によっても裏付けられるところである。
この点について、請求人は、「UNGARO/ウンガロ」の著名性を仮に認めたとしても、本願商標は一連に理解されるべきものであるから、「UNGARO/ウンガロ」とは非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、本願商標は、「MICHAEL」の文字と「UNGARO」の文字との間に半文字程度の間隔を有し、視覚上、2語からなるものと容易に理解・認識されるものであり、かつ、「MICHAEL UNGARO/ミシャエルウンガロ」の文字全体をもって、一般に親しまれた特定の熟語や特定の人名を表すものとして周知であるなどの事情も認められない。
そして、本願商標の指定商品中には「かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、傘、ステッキ」等のファッション関連商品といえるものが多数含まれており、これらの商品は、ソシエテ エマニュエル ウンガロの業務に係る「婦人服、紳士服、ネクタイ」等の商品と密接な関連を有するものである。
してみれば、本願商標は、その構成中に、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える「UNGARO」の文字を含むものであるから、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、「UNGARO/ウンガロ」の文字部分に注意を惹かれ、著名な「UNGARO」の商標を連想・想起し、その商品が、ソシエテ エマニュエル ウンガロあるいは同社と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、平成11年7月からの運用基準の変更に言及しているが、著名商標の保護の強化については、国際的なすうせいであるばかりでなく、それ以前から、工業所有権の保護に関するパリ条約の趣旨に添った運用を行ってきたところであり、また、そもそも、商標の類否・混同等の判断は、各商標につき個別具体的に判断されるべき性質のものであるから、過去において、一体的構成の人名として登録された事例があるからといって、本願商標についての前記判断を左右することにはならない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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