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Trademark Appeal Case

燃焼方式の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第18003号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、商標の構成を「半乾留燃焼」の文字とし、指定商品を第11類に属する願書記載の商品として、平成7年6月21日に登録出願されたものである。指定商品については、平成11年8月4日付手続補正書により第11類「工業用炉,ごみ焼却炉」と縮減補正している。

2 原査定の拒絶理由

原審は、「 1. 本願商標は、『半ば乾留を生ずるように操作した燃焼』の如き意味合いを看取する文字を書してなるものであるから、これを本願指定商品「工業用炉、ごみ焼却炉」等の商品中上記照応の効果を有する商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の該商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。 2. 本願商標は、上記の意味合いを看取するのみの該文字を普通に用いられる方法で書してなるに過ぎないから、上記以外の指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨の拒絶理由を示し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張の要点

請求人は、大旨「本願商標である『半乾留燃焼』が一般的に『工業用炉、ごみ焼却炉』の取引過程で使用されている事実は全く存在しないとともに、各種の辞典、雑誌等を調べたが『半乾留燃焼』との語の記載を発見することができなかった。してみれば、本願商標は、商標権を与えても取引過程において不都合が生じさせることのない自他商品識別力のある商標である。また指定商品については、手続補正書を提出しこれを補正した。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当する商標でなく、特別顕著性を具有する商標であり、登録されるべきものである。」旨主張する。

4 当審の判断

(1) 本願商標は、その構成前記のとおり「半乾留燃焼」の文字よりなるところ、冒頭の「半」の文字は「二分の一、なかば」等の意味を、中間の「乾留」の文字は「空気を遮断して個体を加熱分解し、揮発分を冷却・回収する操作」の意味を、及び語末の「燃焼」の文字は「もえること」の意味をそれぞれ有する語(広辞苑より)であって、これら各文字を任意に羅列し結合したといえるものであるとしても、本願指定商品の分野に関連する者であれば、原審説示の如く全体として「半ば乾留を生ずるように操作した燃焼」の如き意味合いを看取するというのが相当である。

そうすると、本願商標をその指定商品「工業用炉、ごみ焼却炉」に使用する場合、これに接する取引者・需要者は、上記意味合いを理解し、当該商品がかかる意味合いの方式を特徴とする製品であること、すなわち商品の品質、機構を表示するものと把握するに止まり、商品の自他商品の識別標識として認識するものといい難く、また、半乾留燃焼式でない工業用炉又はごみ焼却炉について使用するときは、この種商品の取引者、需要者において商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

(2) ところで、ダイオキシン類抑制の焼却炉についての産業分野に関する新聞報道によれば、例えば、日刊工業新聞には、次のような記事がみられる。

(ア) 2002年10月7日付で、「前島工業所、ベトナム社にダイオキシン抑制焼却炉の製造技術を供与」を見出しとする記事において「・・・クスクス焼却炉は生ゴミを蒸し焼き状態で燃焼させる半乾留・負圧燃焼方式。ダイオキシン類の発生を燃焼過程で抑制するのが特徴で・・・」の報道

(イ) 2000年11月2日付で、「前島工業所、小型焼却炉が南極で採用される」を見出しとする記事において「・・・小型焼却炉が南極の昭和基地に採用されることになった。・・・『半乾留・負圧燃焼方式』を採用しているのが特徴。これは炉内をほぼ無酸素状態にしてゴミを300―500度Cの低温で蒸し焼きにし、そこで発生する熱分解ガスを灯油バーナーにより800度Cの高温で燃焼させてダイオキシンの発生を抑制する新燃焼システムで・・・」の報道

(ウ) 1999年12月28日付で、「丸紅、前島工業所製の小型焼却炉で販売権取得。ダイオキシンの発生を大幅に抑制」を見出しとする記事において「・・・製品は世界初の半乾留・負圧燃焼方式を採用し、・・・焼却方式は、空気を送り込む加圧方式とは異なり、空気を吸い込む負圧式を採用。酸化による燃焼と蒸し焼きを並行して行う半乾留方式にしたことで、ダイオキシンをほとんど発生させないという。・・・」の報道

(エ) 1999年5月25日付で、「前島工業所、自社開発の焼却炉で実証。焼却灰のダイオキシン、測定限界値以下」を見出しとする記事において「・・・クスクス焼却炉は半乾留・負荷燃焼という独自の方式を採用。・・・同社では『無酸素状態を保ちながら450度C以上で蒸し焼きにする独自の燃焼方式による』ものと見ている。」の報道

(オ) 1999年3月31日付で、「深層断面/政府、ダイオキシン基本指針を閣議決定。排出量4年内に9割削減」を見出しとする記事において「・・・特殊な差別化が逆風で脚光を浴び、売り上げを増やす事例もある。前島工業所(茨城県霞ヶ浦町)が電話帳や生ゴミなど燃えにくい廃棄物向けに開発した、負圧状態でじっくり半乾留させる一括投入式「クスクス炉」は・・・ 」の報道

(カ) 1999年3月3日付で、「前島工業所、半乾留・負圧燃焼の低ダイオキシン炉を多様化。4月に粗大ゴミ対応型」を見出しとする記事において「・・・半乾留(蒸し焼き)の負圧燃焼で、ゴミをじっくり完全燃焼させる一括投入炉の用途拡大に向け機種の多様化に乗り出した。・・・連続投入式は、投入口の扉を二重化して半乾留状態を確保。焼却灰を順次炉底から回収することで・・・」の報道

(キ) 1999年3月1日付で、「前島工業所、ダイオキシン類抑制焼却炉の技術輸出に本腰。韓国や台湾社と提携交渉」を見出しとする新聞記事において「・・・クスクス焼却炉は半乾留・負荷燃焼という独自の方式を採用。酸化燃焼と無酸素状態で蒸し焼きにした後、発生したガスを約八百度Cの高温で二次燃焼させ、未燃カーボンやダイオキシンなどを分解している。・・・」の報道

(ク) 1998年10月23日付で、「前島工業所、事業系ダイオキシン対策で一括投入炉を拡販。年間120基目指す」を見出しとする記事において「・・・燃焼を促進するために空気を強制的に送る従来型に代え、一次燃焼室は二次燃焼室の吸引機で負圧状態を保ち、炉底から引き込まれる空気だけで三百―五百度Cの半乾留状態で、ゴミ質により数時間から十数時間かけて灰にする。・・・」の報道

(ケ) 1996年2月5日付で、「前島工業所、再生紙を素材に汚物収納容器を開発」を見出しとする新聞記事において「・・・クスクスパックは同社の半乾留燃焼方式焼却炉で容器のまま処理できる。水分を含んだ汚物でも完全燃焼することが可能で、・・・」の報道

(3) さらに、インターネット上で「半乾留燃焼」の文字をキーに検索すれば、「エコ製品リンク−- ECO GOODS LINK /... 生ゴミ・汚泥等混合可 1 負圧燃焼方式とは 二次燃焼室側に設置したブロワーによるエゼクター効果で、一次燃焼室を負圧にして、火格子下部から空気を吸込んで雑芥物を燃焼させる方法です。 2 半乾留燃焼方式とは ... http://www.eco-webnet.com/search2/edit_goods.php?number=85 」の結果が得られ、その情報内容は、企業名を「福本興業株式会社」とし、製品名を「ダイオキシン対応型/クスクス焼却炉」とする商品を紹介するホームページであり、「製品特長/・・・2 半乾留燃焼方式とは エゼクター効果により、吸引される空気で、下層部分は安定な燃焼をしているが、酸欠状態の上層部は、燻燃状態(蒸し焼き)で下層から上層へ燃焼領域が徐々に移動して行き、最終的には、焼却物全体が完全燃焼し、真っ白い灰になります。このような『燃焼』と『燻燃』を同時進行させるプロセスです。」の解説がある。

(4) 以上の新聞報道及びインターネット上のホームページ情報は、いずれも請求人(出願人)の関連企業についての「焼却炉」に関する紹介等であるとしても、「半乾留燃焼(方式)」の文字は、焼却炉を取り扱う業界においては、当該製品の特徴を端的に表示したものと容易に理解され、かつ、新聞報道等で普通に用いられる文字とみて差し支えないものと認められる。

(5) してみると、本願商標は、「半乾留燃焼」の文字を表記してなるところ、その構成態様は、同じ大きさの普通に用いられる活字体(明朝体)で一連に表示されてなり、それを構成する各構成文字に相応して「半ば乾留を生ずるように操作した燃焼」の如き意味合いを看取するばかりでなく、請求人(出願人)或いはその関連企業の使用であるといえど、既に「焼却炉」について「半乾留燃焼」或いはこれを含む文字が、上記の如く商品の品質、機構を表示するものとして新聞報道等で使用されており、これら事情とを合わせみれば、「半乾留燃焼」の文字自体がたとい造語であるとしても、商品の品質、機構を端的に表現したものと理解されるに止まり、それをもって商品の出所識別の標識とは認識し得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。

また、これを「半乾留燃焼式」以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれが多分にあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものというべきである。

結局、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消す理由はない。

よって、結論のとおり審決する。

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