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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−12521(T2001−12521/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ACRO CHILLER」の文字(標準文字)を横書きしてなり、第11類「冷凍機械器具,暖冷房装置」を指定商品として、平成12年3月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『最高の,先端の』等の意味を有する英語と認められる『ACRO』の欧文字と、本願指定商品との関係においては、『冷却(冷凍)装置』を表す英語と認められる『CHILLER』の欧文字とを、一連に普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、高品質の冷凍機械器具である旨を認識するにすぎず、単に商品の品質を表示するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たすことができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「ACRO」と「CHILLER」の文字間に間隔を置いて「ACRO CHILLER」と書してなるところ、その構成中の後半部の「CHILLER」の文字は、「冷却〔冷蔵〕装置」の意味を有し、新聞記事をみても、例えば、(1)2003年7月25日付け日本工業新聞の9頁には、「荏原冷熱 業務用熱源供給装置、新シリーズ発売へ 低価格、省スペース型」の見出しの下に「荏原の全額出資子会社で冷熱事業を手がける荏原冷熱システム(社長〜氏、東京都大田区)は二十四日、工場などの空調に使う低価格・省スペース型の業務用熱源供給装置『モジュラッチ』の新シリーズを開発、今秋から販売すると発表した。空調効率を高めたほか、従来比で約一〇%のコストダウンを実現、設置面積も平均で二〇%程度小さくした。新シリーズは、空調用の送風機に冷水などの熱源を供給する『チラー』と呼ぶ装置で、必要な能力に応じて同型機種を最大五台まで連結運転できるモジュラータイプ。らせん状の回転機構を備えた中・小型クラス向けのスクリュー式圧縮機を心臓部に採用し、冷媒を高圧力タイプに変えることで圧縮機自体の小型化を実現した。」と、(2)2003年5月20日付け日本工業新聞の16頁には、「東電、神鋼など小型冷水発生用冷凍機を開発 エネルギー効率5.6を達成」の見出しの下に「東京電力と関西電力、中部電力、神戸製鋼所は十九日、冷却能力五〇〇キロワットクラスで業界最高のエネルギー効率(COP)五・六を達成した小型の冷水発生用冷凍機(チラー)=写真=を共同開発、十月から神戸製鋼所が受注活動に乗り出すと発表した。」と、(3)2003年4月23日付け日刊工業新聞の15頁には、「ダイキン、空冷ヒートポンプチラー発売−冷却能力19%向上」の見出しの下に「ダイキン工業は、年間を通して冷暖房の負荷に応じ、冷水・温水を1台で同時に自動供給する熱回収式空冷ヒートポンプチラー『チェスバック』をフルモデルチェンジ(写真)し、7月に発売する。・・・空冷ヒートポンプチラーと熱交換器・ケーシングを共通にしたことに加え、圧縮機と一体取り付けできる電動三方弁を開発、小型化を実現した。」と、(4)2003年2月5日付け日刊工業新聞の12頁には、「日立プラント、制御システム実験で年間20%の冷房エネを削減」の見出しの下に「日立プラントは02年6月から大塚ビルで実証試験に着手。理論解析シミュレーションにより、冷凍機や空調機など各機器を最適なバランスで運用し、過去3年間に比べ、月平均で15%以上の省エネ効果を実証した。・・・同社では対象となる冷凍機を吸収式、ターボ式、空冷式チラーからさらに拡大する考えで、ビルエネルギー管理システム(BEMS)機能も新たに追加。」と、(5)2002年11月20日付け化学工業日報の12頁には、「ダイキン工業、完全HFC化を実現、空冷ヒートポンプ新シリーズ販売」の見出しの下に「同社は、大型チラー分野の新冷媒採用の機種を業界に先駆けラインアップした。一方で、中小規模の病院や住宅の一般空調熱源として使用される空冷ヒートポンプチラーなどの新冷媒化も求められていた。今回、このR407Cを使った『空冷ヒートポンプチラー』と『空冷冷専ウォーターチリングユニット』を開発、チリングユニット全シリーズの完全HFC化を完了した。中・小型のヒートポンプ標準機および特別シリーズ全二十九機種を来春から順次発売する予定。」と、(6)2002年8月5日付け日刊工業新聞の14頁には、「レイケン、チラー水用赤サビ・はく離処理装置を発売」の見出しの下に「レイケン(東京都中央区〜社長〜)は冷却装置(チラー)・冷温調機用の水処理装置『ダイナクリーンD・Cシリーズ』を発売した。媒体冷水(チラー水)を処理する装置で、特殊な高周波電気分解で錆の発生を防止すると同時に、熱交換器や配管に付着した赤錆・沈殿物(スケール)も溶解・剥離する。・・・同社は、プラスチック成形業界を中心に自社開発のチラー・冷温調機と組み合わせた『エコウォーターシステム』も展開しており、システムで年間100セットの販売を見込む。」とあるとおり、その指定商品を取り扱う業界においては、指定商品自体(冷凍・冷却装置など)や指定商品(空調装置など)の部品・構成品を指称するものとして普通に用いられているということもできるものである。

一方、その構成中の前半部の「ACRO」の文字は、「研究社 新英和大辞典」(発行所 株式会社研究社)によれば、「acro−」について「次の意味を表す連結形:1『先端、始め』:acronym.2『頂点、高さ』:acropetal,acrophobia.3『(身体の)末端』:acromegaly.」との記載はあるが、我が国で親しまれた語とは到底いうことができないものである。しかも、同辞典に「acro−」を連結形として用いた語として例示された「acronym」の語が「頭文字語、頭字語を組み合わせて造った語」、同じく「acropetal」の語が「求頂的な」、同じく「acrophobia」の語が「高所恐怖(症)」、同じく「acromegaly」の語が「先端巨大(症)」を意味するものであり、これらの語の意味合いを踏まえると、「acro−」を連結形として用いたからといって、直ちに、該文字部分について、原審が説示するような品質の誇称表示として認識される「最高の」といった意味合いになるということもできない。そうすると、本願商標の前半部の「ACRO」の文字については、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては、原審が説示するような品質の誇称表示として認識されるということはできず、特定の意味合いを看取し得ない一種の造語として認識されるとみるのが自然である。

してみれば、本願商標は、たとえ、その後半部の「CHILLER」の文字が「冷却〔冷蔵〕装置」の意味を有するものであるとしても、前半部の「ACRO」の文字が一種の造語として認識されるものであり、全体としては、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということができないから、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するということはできない。

また、本願の指定商品は「冷凍機械器具,暖冷房装置」であるところ、上記の新聞記事にもあるとおり、それらの商品は「チラー(chiller)」が意味する「冷却〔冷蔵〕装置」自体やそれを部品・構成品として用いる商品であり、本願商標をいずれの指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるということはできないから、本願商標を商標法第4条第1項第16号に該当するということもできない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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