結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30932号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第987819号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に示すとおり、「アルナ」の片仮名文字及び「ALNA」の欧文字を上下二段に表してなり、昭和45年4月6日に登録出願、第20類「家具、畳類、建具、屋内装置品(書画及び彫刻を除く)屋外装置品(他の類に属するものを除く)、記念カップ類、葬祭用具」を指定商品として、昭和47年11月4日に設定の登録がされ、その後、該登録に係る権利は、昭和58年1月27日及び平成4年11月27日の2回に亘って商標権存続期間の更新登録がされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求める、と申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証を提出した。
(1)請求理由
本件商標は、その指定商品中「家具、建具、つい立て、びょうぶ、ベンチ」につき継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められない。
また、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならないので、ここに請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の指定商品中、上記商品につき登録取消審判を請求する。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人提出の乙第1号証乃至同第6号証について反論する。
▲1▼乙第1号証は、阪急電鉄中津ホームに設置されている、いす(ベンチ)を平成10年11月2日に撮影したものにすぎず、阪急電鉄がいつ購入したものか不明である。
▲2▼乙第2号証は、社内報と思われるが、発行が昭和60年7月1日で、10年以上も前のものである。
▲3▼乙第3号証は、昭和59年8月23日付出願された物品「いす」に係る意匠の願書(写)であるが、提出の趣旨が不明である。
▲4▼乙第4号証は、被請求人の社内に設置された「つい立て」を平成10年11月12日に撮影したもので、このようなものが商標法に規定する「使用」に該当しないことは明らかである。
▲5▼乙第5号証乃至同第6号証に係る商品カタログは、「INFORMATION BOARD」(案内板)で、売上伝票の品名「シティーアイ(ボードカグ)」、その購入者が滋賀県バス協会とあるところから、「バスのりば案内図」で、これは家具ではなく「立て看板(掲示板)」に該当するものである。
以上、被請求人の提出した使用を実証する上記各書面は商標法第50条の要件を具備しておらず、これらの証拠書類により、本件商標を使用していたとは認められない。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第6号証を提出している。
(1)答弁の理由
被請求人は、登録商標の使用説明書(1)、(2)及び同書添付の乙第1号証乃至同第6号証に示すとおり、本件商標を「つい立て、ベンチ」について使用している。
本件商標は、「アルナ」の片仮名文字及び「ALNA」の欧文字よりなるものであって、第20類「家具、畳類、建具、屋内装置品(書画及び彫劾を除く)屋外装置品(他の類に属するものを除く)記念カップ類、葬祭用具」を指定商品とするものである。
ところで、商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について、当該審判の請求登録前3年以内に当該商標を使用していることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由が存することを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
これを本件についてみるに、被請求人(商標権者)は、本件商標をその指定商品中の「つい立て、ベンチ」について使用していると述べ、登録商標の使用説明書として、乙各号証を提出しているので、これについて検討する。
乙第1号証は、平成11年11月2日付撮影の写真4葉と認められる。同写真には、阪急電鉄中津駅ホームに設置された「金属製ベンチ」及びその背面支柱部に小さく青色楕円形内に「アルナ」の文字を白抜きで表示したプレートが貼付されていることが認められる。
乙第2号証は、昭和60年7月1日発行の阪急電鉄株式会社の社内報(写し)と認められる。同社内報には、上記乙第1号証に係る什器の紹介記事が認められる。
乙第3号証は、昭和59年8月23日付意匠登録出願(写し)と認められ、該出願に係る物品は乙第1号証に示す物品(いす)と同じものと推認し得るものである。
乙第4号証は、平成10年11月12日付撮影の写真3葉と認められる。同写真は、被請求人会社の社内事務室フロアーに設置されている状態の掲示目的用のボード(被請求人が「つい立て」と称するもの)及び当該ボード外枠に青色楕円形内に「アルナ」の文字を白抜きで表示したプレートが貼付されていることが認められる。
乙第5号証及び同第6号証は、被請求人会社に係る案内表示板ないしは掲示板等に関する製品パンフレット及び同製品に関し被請求人会社と社団法人滋賀県バス協会との間で取引のあった平成10年3月2日付取引伝票と認められる。これら製品パンフレット及び取引伝票には、「ALNA」の商標が認められる。
しかしながら、これら乙号証によっては、被請求人が本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に取消対象商品に使用していた事実は証明されない。
すなわち、乙第1号証乃至同第3号証からは、被請求人が昭和60年6月頃に腰掛け型ベンチ(いす)を当該鉄道会社に納品し、また、同ベンチに「アルナ」の商標が付されていたことは認められるとしても、その時点限りのものであって、その後の該商品の取引状況を明らかにし、又はその状況を窺わせるものではないから、本件審判請求の登録前3年以内の本件商標の使用事実は証明されない。
また、乙第4号証写真に示される掲示目的用のボードは、その構造、用途又は利用目的よりして、立て看板又は案内表示板ないしは掲示板とみるのが相当であって、本件審判の取消請求に係る商品「家具、建具、つい立て、びょうぶ、ベンチ」のいずれの商品概念にも属しない商品と認められるから、該ボードについての本件商標の使用をもって、本件審判の取消対象とする商品についての使用を立証し得るものとはいえない。
さらに、乙第5号証及び同第6号証は、前記乙第4号証の場合と同様、案内表示板ないしは掲示板又はこれに類する商品と認め得るものであって、本件審判の取消請求に係る商品「家具、建具、つい立て、びょうぶ、ベンチ」のいずれの商品概念にも属しない商品と認められるから、これら商品についての本件商標の使用をもって、本件審判の取消対象とする商品についての使用を立証し得るものとはいえない。
以上によれば、被請求人が本件商標を使用しているとして提出した乙各号証によっては、本件商標をその指定商品中の取消請求に係る「家具、建具、つい立て、びょうぶ、ベンチ」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたものとは認められない。
その他、この認定を覆すに足りる証左は見出せない。
また、被請求人は、請求人の弁駁(前述2(2))に対して、何ら答弁するところがない。
してみれば、本件商標は、商標法第50条の規定により、指定商品中の結論掲記の商品について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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