結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2002−90133(T2002−90133/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4523836号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年12月20日に登録出願、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,失禁用おしめ」、第16類「衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製幼児用おしめ, 印刷物,書画,写真,写真立て」及び第29類「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,豆乳,ローヤルゼリーを主成分とする顆粒状の加工食品」を指定商品として、同13年11月22日に設定登録されたものである。
当審において、平成14年11月25日付け取消理由通知書をもって商標権者に対して通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。
登録異議申立人の引用する登録第544761号商標(以下「引用商標」という。)は、昭和33年6月11日に登録出願、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品として、同34年11月24日に設定登録され、その後、平成13年3月14日付けで指定商品を第3類「香料類(薫料・香精・天然じゃ香・芳香油を除く。),香水類,フケ取り香水,香油,髪膏,おしろい,化粧下」及び第30類「食品香料(香精のもの・精油のものを除く。)」に書換登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
しかして、本件商標は、別掲(1)とおり、立体的な「ハートの図形」よりなるところ、これよりは、「ハート」の称呼、観念を生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、別掲(2)とおりの構成よりなるところ、ハート図形中の「ハート」の文字部分よりは「ハート」の称呼、観念を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標は「ハート」の称呼、観念において、類似するものというべきである。
また、本件商標の指定商品中の「香料類(但し、薫料を除く。),化粧品」と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「香料類(但し、薫料を除く。),化粧品」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(1)本件商標と引用商標とを対比すると、本件商標は陰影を付けて立体的に表されたハートの図形からなる商標であるのに対し、引用商標は3つのハートの図形を横に間隔を置いて一列に配置し、各ハートの図形に中にそれぞれ「ハ」「一」「ト」の文字を一宇ずつ配した態様からなるものであり、両者は図形の態様を異にし、外観において明らかに識別し得る非類似の商標である。
次に、称呼、観念についてみると、本件商標はその態様より、消費者、需要者に「陰影を付して立体的に表わされたハートの図形」と観念を抱かしめ、該観念より「立体ハート」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標は、その態様より3つのハートの図形とハートの文字より「3つのハート」の観念を生じ、「サンハート」と称呼されるものであるから、本件商標と引用商標とは称呼及び観念においても非類似の商標である。
(2)本件商標の「陰影を付けて立体的に表わされたハートの図形」は、商標としては従来見られない特異性のある図形であり、消費者、需要者の注意を喚起しうる識別性の高い商標である。取消理由は、本件商標を「立体的なハートの図形」と認定しながら単に「ハート」の称呼、観念が生ずるとして、認定した「立体的なハートの図形」である点を殊更に無視しているものである。そして、本件商標が単なる「ハート」のみの称呼、観念を生ずるものでないことは、本件の後願である登録第4575705号商標(以下「参考商標1」という。)が、本件商標と併存して登録されていることからも明らかである。すなわち、参考商標1は、英文字を左横書した「HEART」と片仮名文字を左横書した「ハート」の態様からなり、第3類「せつけん類,歯みがき,化粧品,香料類」を指定商品とするものであり、「ハート」の称呼、観念が生ずることは明白である。してみれば、仮に取消理由が言うように引用商標との関係において本件商標の登録が商品「香料類,化粧品」について取り消されたとしても、未だ尚本件商標は商品「せつけん類,歯みがき」については登録が存続し得るのであり、この「せっけん類,歯みがき」においては、参考商標1は本件商標と類似するものとして登録が許されなかったはずのものである。それにもかかわらず、参考商標1が「せっけん類,歯みがき」をも含んで登録されている所以は、参考商標1と本件商標とが類似しないと判断されたからに他ならず、その理由は本件商標が単に「ハート」のみの称呼、観念を生ずるものでなく、前述したような「陰影を付して立体的に表現したハートの図形」と認識され、「陰影を付して立体的に表わされたハートの図形」と観念並びに「立体ハート」との称呼が出るからに他ならない。
(3)取消理由では「引用商標は、ハートの図形中の『ハート』の文字部分よりは『ハート』の称呼、観念を生ずるものである。」と認定し、「ハート」の文字部分から「ハート」の称呼、観念が生ずるとし、「ハートの図形」からハートの称呼、観念が生ずるとは認定していないのである。すなわち、ハートの称呼、観念が生ずるのは、図形からではなく文字からであるとしているのである。そして、このことは、異議申立において引用された商標を本取消理由では引用していないことからも明らかである。すなわち、図形からは単に「ハート」の称呼、観念は生じないと判断したものであり、他の称呼、観念、例えば三つのハートの図形があることにより「3つのハーの図形」の観念及び「サンハート」の如き称呼が生ずる認定をしたと推測される。してみれば、ハートの図形に前述したような「陰影を付けて立体的に表現したハートの図形」は、商標としては従来見られない極めて特異性のある図形であり、消費者、需要者の注意を強く喚起することが出来、単に「ハート」の称呼、観念が生ずるとは到底言うことが出来ないものである本件商標は、引用商標とは非類似の商標であることは明らかである。
更に、本件商標と引用商標が非類似であることは、登録第3080426号商標「HEART MADA」、登録第4560764号商標「HEAR ハートの図形 CLICK」が、引用商標とは類似しない商標として登録されていることからも明らかである。
以上の通り、本件商標は引用商標とは類似しない商標である。
(1)商標権者は、本件商標は「立体的なハートの図形」であるので、これより「リッタイハート」の称呼、「陰影を付して立体的に表現したハート」の観念が生ずる旨述べている。
しかしながら、本件商標は、別掲(1)に示すとおり、格別に特異な構成のハートの図形とはいえず、むしろ、一般的に極めて親しまれた典型的なハートの図形の特徴を良くとらえた輪郭で描き、そして、そのハートの図形内を影らしきもので描いてなるとはいえ、一見して「ハート」の図形としか認識し得ない構成であるといわざるを得ない。
また、本件商標が、「リッタイハート」と称呼され、「陰影を付して立体的に表現したハート」の観念を有するハートの図形であると認識しなければならない格別の理由は存しないばかりか、そのように認識されているとする具体的証拠の提出もないものである。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ取引社会においては、 極めて親しまれた典型的なハートの図形の特徴を良くとらえた輪郭で描いてなる本件商標を「リッタイハート」(陰影を付けて立体的に表現したハート)の称呼・観念をもって、取引にあたるものとは到底いえないものであって、上記認定のとおり、単に、親しまれた「ハート」の称呼・観念をもって、取引に当たる場合が決して少なくないものといわざるを得ないから、この点に関する商標権者の主張は採用できない。
(2)商標権者は、先願及び後願の登録例をあげているが、これらの登録例における商標と本件商標とは、その構成その他において、本件事案とは自ずと事情を異にするものであり、また、上記取消理由において先願に係る他の登録例が、引用されていなかったという事実によって、本件商標と引用商標との非類似性が是認されたということもできない。
(3)以上のとおり、商標権者の主張は、いずれも採用することが出来ないものであり、本件商標と引用商標とは、上記2の認定のとおり、それぞれ「ハート」の称呼、観念を生ずるものであるから、両商標は、称呼、観念において互いに相紛らわしくその外観の点を考慮するとしても、なおその商品の出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標であるといわなければならない。
そして、上記の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標は、この取消理由によって本件登録異議申立てに係る指定商品中結論掲記の商品について、その登録を取り消すべきものである。
しかしながら、本件登録異議申立てに係るその余の指定商品については、登録を取り消すべき理由はないから、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。