Trademark Appeal Case
図形商標の外観・称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90106(T2003−90106/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4625026号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年12月10日に登録出願され、第6類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年11月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和57年3月2日に登録出願され、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年5月30日に設定登録された登録第1769709号商標及び別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成6年5月24日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年10月3日に設定登録された登録第3349829号商標(以下これらを合わせて「引用商標」という。)と、その外観、称呼において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品中の「金属製彫刻」と引用商標の指定商品中の「彫刻」も類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、映画会社である登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標及び略称(UA)として、広く一般に知られている。また、本件商標と引用商標とは、「ユーエー」の称呼、UAの文字をやや図案化した点で、類似のものであるので、本件商標が、その指定商品に使用された場合、当該商品はあたかも申立人もしくは申立人と関連する企業によって提供されたものであるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、同法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標と引用商標とは、類似する。また、商標権者は、「UA」の世界的著名性を利用して不正の利益を得る目的をもって本件商標を使用するものであるから、同法第4条第1項第19号に該当する。
(4)本件商標は、「UA」の著名性に依拠し、これを模倣して出願したもので、国際信義を損なう商標であるから、同法第4条第1項第7号に該当する。
(5)「UA」は、申立人の著名な略称である。本件商標は、「UA ロゴ」からなるが、権利者は、申立人よりその登録について承諾を得ていないから、同法第4条第1項第8号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、別掲(1)ないし(3)のとおりの構成よりなるところ、本件商標は、その構成より直ちに特定の欧文字をモノグラム化したものとは看取し得ず、一種の幾何図形よりなるものとみるのが相当である。
そうであれば、引用商標の図形部分が「U」と「A」のローマ字2字を組み合わせたモノグラムよりなるものとみられるところがあるとしても、本件商標と引用商標を構成する線の太さ、外観上の印象の差異は明らかであり、本件商標と引用商標の図形部分とは、その構成全体としては異なった印象を与えるものである。
したがって、本件商標と引用商標の図形部分とは、その構成の軌を同じくするものとはいえないから、それぞれの商標を、時と処を異にして接した場合でも外観上相紛れるおそれはないものといわざるを得ない。
また、本件商標は、その構成全体より直ちに特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、本件商標と引用商標とは、称呼、観念において比較すべくもない。
そして、本件商標と引用商標とは、他に類似するところがない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念において類似するものとすることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、引用商標と類似しないものであって、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見出し得ないものであり、また、申立人の提出に係る証拠を検討するも、引用商標が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る役務「映画の制作又は配給」の商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものとするに充分な証拠とは認められない。
したがって、本件商標をその指定商品に使用した場合、引用商標を直ちに連想又は想起するとは認められず、該商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとすることはできない。
(3)商標法第4条第1項第7号、同第8号及び同第19号について
本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが商取引の秩序・国際信義に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。
また、申立人の提出に係る証拠によれば、「UA」の文字よりなる標章が本件商標の登録出願時に、申立人の業務に係る役務「映画の制作又は配給」の分野において取引者、需要者の間において一定程度知られていたとしても、それらの標章が、本件商標の指定商品を取り扱う分野において広く認識されていたものとまでは認め難いから、本件商標が申立人の略称を表示したものと認識されることはないといわざるを得ず、本件商標は、他人の著名な略称よりなる商標に該当するものとは認められない。
さらに、本件商標は、申立人の使用に係る商標の著名性を利用して不正の利益を得る目的をもって本件商標を使用するものとの証拠はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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