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Trademark Appeal Case

傘図形商標の類否と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90150(T2003−90150/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4628860号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4628860号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年12月27日に登録出願、別掲(a)のとおりの構成よりなり、第6類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年12月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

(1)本件商標は、1998年8月3日スイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成11年2月3日に登録出願、別掲(b)のとおりの構成よりなり、第9類、第16類及び第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年8月16日に設定登録された登録第4594994号商標(以下「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)異議申立人「シティコープ(CITICORP)」(以下「申立人」という。)は、世界最大の総合金融グループである「シティグループ(CITI GRUPE)」の一員である。

そして、引用商標の傘図形は、申立人の企業グループのシンボルマークとして使用され、世界的に周知・著名となっているものである。

したがって、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品と誤認され出所混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)本件商標は、著名な引用商標を一部に含むものであり、取引上の信義則に反する目的で使用する意図でなされたものといわざるを得ないから、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲(a)のとおり、広げた傘を端的に表したといえる黒塗りの図形(以下「傘図形」という。)の下に、擬人化された蛙と思しき図形(以下「蛙図形」という。)を配し、その傘図形と蛙図形の間で、傘の柄の部分に重ねるように、曲線と音符を描き、さらに傘図形の上部に雨滴の如き図形を付加してなるものであるのに対し、引用商標は、別掲(b)のとおり、傘図形を描いてなるものである。

しかして、本件商標は、傘図形と蛙図形とが一体的にまとまりよく描かれており、しかも、傘の柄の部分に曲線と音符が描かれていることから、上部の傘図形と下部の蛙図形とがより一層緊密なものとして看者に印象付けられるものというべきである。そして、本件商標は、傘図形の部分のみが特に強く看者の目に映り、傘図形部分のみが独立して自他商品の識別標識として機能し得るとする格別の事由はないと判断するのが相当である。

さらに、本件商標よりは特定の称呼、観念は生じ得ないというべきである。

そうすると、本件商標と単に傘図形のみからなる引用商標とは、看者に与える印象を著しく異にし、その外観、称呼及び観念のいずれからしても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)申立人は、引用商標の傘図形は、世界最大の総合金融グループである申立人の企業グループのシンボルマークとして使用され、世界的に周知・著名となっているものであり、本件商標をその指定商品に使用した場合には、商品の出所の混同を生ずるおそれがある旨主張し、書証として甲第3ないし第12号証(枝番含む)を提出している。

しかし、甲各号証に示された使用例は、傘図形が「citigroup」の文字の後に描かれ、「citigroup」の文字と一体的に使用されているものであり、傘図形のみが独立して使用されている例は殆ど見あたらない。また、甲各号証によっては、「CITI GRUPE」の著名性が認められ得るとしても、引用商標の傘図形が単独で本件商標の出願前より著名性を獲得していたという事実を証するには不十分であるというべきである。

そして、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない別異の商標であることを併せ考慮すれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、引用商標を連想、想起するようなことはなく、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当である。

(3)加えて、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものとは認められないところである。

(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではない。

よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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