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Trademark Appeal Case

不使用取消と商品区分

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第15354号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2566930号商標の指定商品中「肉製品、加工水産物(かつお節、削り節、とろろこんぶ、干しのり、焼きのり、干しわかめ、干しひじき、寒天を除く)」についてはその登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2566930号商標(以下「本件商標」という。)は、「思うつぼ」の文字を縦書きしてなるものであり、平成2年12月26日に登録出願、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令第1条別表に基づく第32類(以下、「旧第32類」という。)「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同5年8月31日に登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『肉製品、加工水産物(かつお節、削り節、とろろこんぶ、干しのり、干しひじき、寒天を除く。)』についての登録を取り消す」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対し次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(取消審判弁駁書に添付した「甲第1号証ないし甲第5号証」は、「甲第4号証ないし甲第8号証」と修正する。)を提出している。

(1)請求人は、商願平6−102260号の商標登録出願をしていたところ、本件商標を引用する拒絶理由通知書の送付を受けた。したがって、請求人は、本件審判を請求するについて正当な利害関係を有する。

(2)本件商標の登録原簿上からは、本件商標権者が第三者に使用権を許諾している事実は認められず、本件商標権者が自ら第32類の指定商品中、少なくとも「肉製品、加工水産物(かつお節、削り節、とろろこんぶ、干しのり、干しひじき、寒天を除く。)」について本件商標を過去3年間使用している事実を知らない。

(3)被請求人が使用している商品は、「栄養補助のため経口的に摂取するもの」、即ち「健康栄養補助食品」であり、主原料を一種類の水産物のみで加工されたものでなく、植物性のものを多用化した内容の商品となっていることから、むしろ、「その他の加工食料品」に属するものであり、「加工水産物」の概念から逸脱した商品というべきである。

乙第3号証の納品書のコピーは、業として商いを行う者の取引書類の複写にすぎず、かつ、取引に際し通常使用される単価、捺印が無く、一般的な取引書類としては、極めて不自然なものである。したがって、このような書類からは、商取引上実際に使用される納品書の体裁を備えた正規の取引書類と認めることができない。

さらに、販売事実を証明するものとして提出された乙第4号証をみても、あらかじめワープロで作成されたものに、通称三文判の印鑑で単に捺印されたものにすぎず、その信憑性は疑わしいものといわざるを得ない。

(4)被請求人の代表者は、その会社規模からみても、本件商品「思うつぼ」の販売開始までの状況を最もよく熟知していると解されるので、被請求人代表者の当事者尋問がなされることを希望する。

3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」旨の審決を求めると答弁し、その理由及び請求人の弁駁に対し次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。

(1)被請求人である本件の商標権者が頒布している販売広告用のパンフレットを提示する(乙第1号証)。このパンフレットは、商品「健康増進 思うつぼ《自然栄養食品》」(以下、「思うつぼ」という。)の販売広告用として使用しているもので、このパンフレットに基づいて商品「思うつぼ」を販売している。また、この商品「思うつぼ」は自然健康栄養食品であって、加工食品に属するものであり、この商品の成分は、「天然アミノ酸末、スピルリナ、コンブ末、ニンニク末、カキ肉エキス末、ハトムキ末、小麦胚芽油、骨粉(カルシュウム)、酸味料、クチナシ・紅花色素」であるため、水産加工食品に属する商品である。したがって、パンフレットから商標権者自身が本件商標を指定商品中の「加工水産物」について使用していることは明らかである。

乙第1号証に示すパンフレットに基づき、平成8年8月頃から商品「思うつぼ」の販売活動を行っていることを立証するため、乙第2号証ないし乙第5号証として提示する。乙第2号証ないし乙第5号証に示す事実については人証により行う。

なお、商標権者は、有限会社平成興産と登録原簿に記載されているが、平成興産株式会社に組織変更している。有限会社平成興産と平成興産株式会社とか同一組織(同一会社)であることを示す登記簿謄本の写しを乙第6号証として提示する。

(2)被請求人は、その主張事実を立証するため、「越後観光株式会社広告部SP課課長代理 内山徹夫」、「斉藤隆」に対し証人の尋問を申請する。

4 当審の判断

本件審判の請求をするについて当事者間に利害関係の有無につき争いがないので、本案に入って判断する。

被請求人(本件商標の商標権者)が本件商標を指定商品中の「加工水産物」に使用している証拠として提出した乙第1号証ないし乙第6号証をみるに、乙第1号証は、被請求人が頒布している販売広告用の商品「思うつぼ」に関するパンフレットであって、これには商品「思うつぼ」の成分として「天然アミノ酸末、スピルリナ、コンブ末、ニンニク末、カキ肉エキス末、ハトムギ末、小麦胚芽油、骨粉(カルシウム)、酸味料、クチナシ・紅花色素」が記載されていること、乙第2号証は、越後観光株式会社広告部が乙第1号証のパンフレットを作成し、被請求人に納品したことを証明する旨を記載した証明書であること、乙第3号証は、越後観光株式会社広告部が乙第1号証のパンフレツトを作成し、被請求人に納品した事実を示す納品書(写し)であること、乙第4号証は、斉藤隆が被請求人から乙第1号証に示す商品「思うつぼ」を平成8年8月26日に購入したことを証明する旨を記載した証明書であること、乙第5号証は、乙第4号証に記載した事実を示す領収書であること、乙第6号証は、被請求人の登記簿謄本であることが認められる。

ところで、本件商標は、旧第32類に属する「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として登録されたものである。

旧第32類は、主として生鮮食料品と、これを加工した食料品をまとめた類であって、「食肉」、「卵」、「食用水産物」、「野菜」、「果実」及び「加工食料品(他の類に属するものを除く。)」の概念に属する商品を集めて各商品群を構成し、さらに、「加工食料品(他の類に属するものを除く。)」については、「肉製品」、「加工水産物」、「加工穀物」、「加工野菜及び加工果実」及び「その他の加工食料品」に細分し、それぞれの概念に属する商品を集めて、各商品群を構成している。そして、この商品群の各概念下の一群の商品の構成よりみて、「さけ、にしん」等の未加工の魚介類及び「こんぶ、わかめ」等の未加工の海そう類は「食用水産物」の概念に属し、これらを加工処理した「かすずけ魚介類、水産物のかんづめ」等の食料品は「加工食料品」中の「加工水産物」の概念に属することとしたものである。また、加工食料品に属する各中概念(「肉製品」、「加工水産物」、「加工穀物」、「加工野菜及び加工果実」)に含まれない、種々雑多な加工食料品は「その他の加工食料品」の概念に属することとしたものである。

そこで、商品「思うつぼ」についてみるに、その成分(材料)は、前記に認定のとおり、「天然アミノ酸末、スピルリナ、コンブ末、ニンニク末、カキ肉エキス末、ハトムギ末、小麦胚芽油、骨粉(カルシウム)、酸味料、クチナシ・紅花色素」であることからすると、商品「思うつぼ」は、被請求人が主張する「加工水産物」の概念に属する商品というよりは、むしろ「その他の加工食料品」の概念に属する商品と認められるものである。

そうとすると、被請求人が本件商標を使用している証拠として提出した乙第1号証ないし乙第6号証をもってしては、被請求人は、本件商標をその取消に係る商品「加工水産物」について使用しているということはできず、他に、本件商標が、取消請求に係る商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていたと認めるに足る証拠は見出すことができない。

してみれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、取消請求に係る指定商品中のいずれかについて使用されていたものということはできない。

したがって、本件商標の登録は、平成8年法律第68号による改正前の商標法第50条の規定により、その指定商品中の「肉製品、加工水産物(かつお節、削り節、とろろこんぶ、干しのり、干しひじき、寒天を除く。)」についての登録を取り消すべきものとする。

なお、請求人が当事者尋問申請書を提出しており、また、被請求人が証人尋問申請書を提出しているが、本件については前記の認定のとおりであるから、当事者と証人のいずれの尋問についてもその必要を認めない。

よって、結論のとおり審決する。

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