Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90051(T2003−90051/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4618350号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成13年11月29日に登録出願、第9類「録音・録画済みのデジタルビデオディスク」を指定商品として、同14年11月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の引用する登録第4339368号商標(以下、「引用商標」という。)は、「NOW」の文字を標準文字により書してなり、平成9年7月17日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年11月26日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、全体として特定の観念を生ずるものではなく、これより生ずる称呼も冗長なものである。また、構成中の「dvd」が「デジタルビデオディスク」を意味する語であり、「on」は単なる前置詞であるから、本件商標からは「now」の文字部分に相応して「ナウ」の称呼をも生ずるものである。
他方、引用商標からも「ナウ」の称呼を生ずる。
したがって、本件商標と引用商標とは、「ナウ」の称呼を同じくする類似の商標であり、指定商品も同一又は類似のものである。
(3)商標法第4条第1項第15号の該当性について
引用商標は、申立人の関連会社である東芝イーエムアイ株式会社の販売に係る録音済みコンパクトディスク(CD)の商標として広く知られているから(甲第3号証ないし甲第13号証のオリコン年鑑等)、本件商標がその指定商品に使用された場合には、申立人と経済的・組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、後掲のとおりの構成よりなるところ、構成各文字は、同書、同大、同間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ナウオンディブイディ」の称呼もさほど冗長という程のものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。加えて、その構成中の「now」の語は、「今、目下、現在」等の意味を表す英語として一般になじみが深く、極めて親しまれて用いられるものであって、他の語と結合して「〇〇〇の今」のごとき記述的な意味合いを表すものとして用いられている語であり、また、「デジタルビデオディスク」を表す場合は、通常、大文字の「DVD」の文字が用いられている実情にあることをも併せ考慮すれば、本件商標構成中の「now/ナウ」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の理由があるものとはいい難い。
そうとすれば、本件商標は、その構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが自然であるから、該構成文字全体に相応して「ナウオンディブイディ」の称呼のみを生ずるものであって、単に「ナウ」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から、単に「ナウ」の称呼をも生ずるものとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は、採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点よりしても何ら紛れるおそれのない、非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出した甲各号証によれば、申立人及びその関連会社である請求外「東芝イーエムアイ株式会社」が洋楽を収録したコンパクトディスクのタイトル名として、引用商標を「NOW1、NOW2、NOW3、・・・NOW2001」のように使用し、引用商標が洋楽の分野において、一定程度知られていたことは認められるとしても、「now」の語が上記のように解される成語であることとも相まって、「now」の語を含む他の商標との関係において、直ちに出所の混同を生じさせる程までに周知、著名なものとまではいい得ないものである。
してみれば、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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