結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成9年審判第3689号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第477761号商標(以下「本件商標」という。)は、「SOFTEE」と「ソフテイー」の文字を上下2段に横書きしてなり、第36類「メリヤス製被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和30年5月21日登録出願、同31年3月10日に設定登録され、その後、同51年6月17日、同61年5月21日、平成8年9月27日の3回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(1)本件商標は、その指定商品中、「手袋及びその類似商品」について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用をしていない。従って、本件商標はその指定商品中「手袋及びその類似商品」について取り消されるべきである。
(2)被請求人が本件商標の使用の事実を示すものとして提出した乙第2号証ないし同第5号証は、「Tシャツ」,「タンクトップ」,「カーディガン」に係るものであり、取消の対象とした商品「手袋及びその類似商品‐詳しく列挙すれば、手袋(ゴム手袋,絶縁用ゴム手袋を含む。),靴下,足袋,えり巻き,マフラー,スカーフ,ネッカチーフ,ショール,ネクタイ,ゲートル,足袋カバー,エプロン,おしめ,おしめカバー,毛皮製ストール,バンダナ,耳覆い」とは非類似の商品である。
また、乙第6号証は、「商標使用許諾契約書(写)」であるが、契約書締結の日付は、本件審判の請求日より4ヶ月近くも後であり、この契約書を以て商標の使用事実を示すことができない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める。」と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証を提出している。
(1)本件商標が被服分野において、使用された事実を提示する。
乙第1号証は、カタログによる通信販売として著名な(株)セシールが1995年2月6日に発行したカタログ(エルフィーヌ)であり、その第14頁、第42頁に乙第2〜5号証より示されているように、商標権者である栄工業株式会杜の縫製、受注、販売に係るAH−176,AH−193、AH−194、が記載されており、これには乙第3〜5号証に見られるように親ネームとして「Softee」を用いていることが明らかである。
しかも、乙第3〜5号証における各縫製明細書は何れも平成6年11月作成で、そこに示されるAH−176,AH−193、AH−194は乙第2号証より受注実績を有しており、販売に供されたことも明らかである。
(2)本件商標の指定商品に包含される「手袋」に関し、通常使用権を許諾する旨の契約を住友ゴム工業株式会杜との間で締結した。この契約の締結日は平成9年7月1日となっているが、これに関する交渉は平成8年末頃より始まり、数度の話し合いを経て締結にこぎつけたものである。即ち、この契約は本件商標に対する取消審判請求とは関係なく、かつ、これが送達され、知り得る以前より進められたものである。
(3)本件商標は、旧商標法施行規則(大正10年農商務省令第36号)第15条の規定による商品類別、第36類に記載のすべてを対象とするものである。
してみれば、取消の対象とした商品「手袋、靴下、足マフラー、ネッカチーフ」などの大部分の商品は上記本件商標の指定商品に含まれている。
そして、現在においては「Tシャツ、カーディガン」などと「靴下、手袋、ネッカチーフ」などは素材面はもとより、生産分野、販売店においても共通している点が多いことは日常各方面で知見されるところである。
さらに、乙第7号証「類似商品・役務審査基準」及び同第8号証「商品類別集」からも、被請求人の使用している商品と請求人の取り消し対象とする商品は本件商標の指定する商品と類似するといえるものである。
乙第1号証ないし同第5号証によれば、被請求人は、本件商標と社会通念上同一と見られる「Softee」の商標を本件審判請求の登録前3年以内に「Tシャツ、タンクトップ及びカーディガン」(以下「使用商品」という。)について使用しているものと認められる。
乙第6号証によれば、被請求人は本件商標を「歯科用手袋及びその他の医療用手袋」についての使用許諾契約を締結したことが認められるほか、その締結日からすれば、本件審判請求の登録前から交渉を行い、締結に至ったものと推定できるとしても、乙第6号証は、使用許諾契約の締結の事実を示すのみで、本件商標が現実に使用されていたことを何ら示していないから、乙第6号証によって、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標を「歯科用手袋及びその他の医療用手袋」に付いての使用を証明したものとは認められない。
次に、使用商品が本件審判の取消請求に係る商品「手袋及びその類似商品」に含まれるか否かについて検討する。
本件商標は、大正10年の商標法(大正10年法律第99号)に基づき出願及び登録されたものであるところ、同法の下で適用されていた商品類別では、「手袋」は「被服、手巾、釦紐及装身具用ピンの類」の概念の下に一括りで例示されていた。
本件商標が出願された当時は、昭和28年4月改訂の類別により取り扱われていたものといえるところ、該類別によると、「手袋(皮革製、メリヤス製及ゴム製等の手袋)。」は、「肌衣類」の概念の下に、「襯衣、ズボン下類(シャツ、ズボン下、ホワイトシャツ、オーバースウエター、コンビネーション、猿股、蛙股、海水着、パンツ、襦袢、肌着)。」「足巻紐類(足巻紐、腿帯子)。」「足袋(木綿製、絹製、メリヤス製、コールテン製、ビロード製及皮革製製等足袋、足袋カバー)。」「靴下(絹、木綿、毛メリヤス製の下着)。」等と共に例示され、該概念の下に含まれる商品は一応類似商品であると「推定」するとの取扱いがされていた(特許庁商標課編「商品類別集」(1997年(平成9年)3月24日第7版発明協会発行)参照)。
さらに、昭和34年の商標法(昭和34年法律第127号)により採用された商品区分(昭和61年3月改訂)によれば、「手袋(ゴム手袋,絶縁用ゴム手袋を含む。)」は、「くつ下、たび、えりまき、マフラー、スカーフ、ネッカチーフ、ショール、ネクタイ、ゲートル、たびカバー、エプロン、おしめ」と同一の群に属し、原則として互いに類似商品であると「推定」されるとしている(特許庁商標課編「類似商品審査基準[改訂版]」(昭和61年3月28日改訂第6版発明協会発行)参照)ことからすれば、「セーター類、ワイシャツ類、下着、ねまき類」の見出しの下に例示された商品は、「手袋」とは別の群に属するものとされ、互いに非類似商品として取り扱われているものというべきである。
しかして、現在においては、使用商品と「手袋及びその類似商品」とは、原材料を異にすることにより、生産者をも異にする場合が多いといえるばかりでなく、商品の用途、機能等においても、明らかに相違するものであるから、両者は、非類似の商品とみるのが相当である。
ところで、「手袋」の「類似商品」という場合において、類似する商品であるか否かは、取消を求めている審判における判断時を基準に検討すべきであるところ、上記のとおり、「手袋」と「くつ下、たび、えりまき、マフラー、スカーフ、ネッカチーフ、ショール、ネクタイ、ゲートル、たびカバー、エプロン、おしめ」とは類似するものと認められるが、これらの商品と使用商品とは非類似の商品といえるものである。
そうすると、被請求人が本件商標の使用の事実を立証しようとしている商品「Tシャツ、タンクトップ及びカーディガン」は、本件審判の取消請求に係る商品「手袋及びその類似商品」に含まれない商品といわなければならない。
したがって、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を、その請求に係る指定商品について使用していることを証明し、または、使用していないことについても正当な理由があることを明らかにしていないものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「手袋及びその類似商品」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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