Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90232(T2003−90232/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4639873号商標(以下「本件商標」という。)は、「JOIE DE VIVRE」の文字を標準文字とし、平成14年5月10日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年1月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、以下(a)ないし(c)に示す登録商標と「ジョア」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「食用油脂,乳製品」は、引用各商標の指定商品と同一又は類似である。
(a)「ジヨア」の片仮名文字と「Joie」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、昭和45年3月5日登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和48年3月2日に設定登録された登録第1002275号商標(以下「引用商標1」という。)
(b)「ジョア」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和56年9月11日登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年11月25日に設定登録された登録第1634939号商標(以下「引用商標2」という。)
(c)「Joie」の欧文字を横書きしてなり、昭和56年9月11日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年11月25日に設定登録された登録第1634940号商標(以下「引用商標3」という。)
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が商品「発酵乳」について長年にわたり使用した結果、申立人の商標として、広く知られている引用商標1及び引用商標3と同一の英文字「JOIE」を含み、引用各商標の称呼「ジョア」を含んでいるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおり、「JOIE DE VIVRE」の文字よりなるものであるところ、該文字は、同書同大で外観上軽重の差なく書されているものであるから、その構成中の「JOIE」の文字部分のみが看者の注意を強く惹くものではない。
そして、本件商標は、その指定商品を「乳酸菌生産物質・酵母・デキストリンを主原料とする粉末状・顆粒状・液状・錠剤状の加工食品,加工野菜及び加工果実,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」とするものであるところ、その主たる需要者は、一般の消費者ということができるから、一般の消費者が「JOIE DE VIVRE」の文字よりなる本件商標に接する場合、これを正確な発音をもって、称呼するものとは考えにくく、ローマ字読み風に「ジョイエデビブレ」なる称呼をもって商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ジョイエデビブレ」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を想起させない造語よりなるものといわなければならない。
他方、引用各商標は、前記した構成よりなるものであるところ、後記のように、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の取扱いに係る商品「発酵乳」について使用され、「ジョワ」の称呼をもって乳製品等食品の分野において、その需要者に知られているものといえるから、これより「ジョワ」の称呼を生ずるものである。また、「JOIE」又は「ジョワ」の語は、フランス語で「喜び」などを意味する語であるとしても、我が国の一般国民が直ちにその意味を理解するものとは認め難いところであるから、造語を表したと理解されるというのが相当である。
そうとすれば、本件商標より生ずる「ジョイエデビブレ」の称呼と引用各商標より生ずる「ジョワ」の称呼とは、構成する音数、音質等の差により、それぞれを全体として称呼した場合においても、明らかに聴別し得るものである。
また、本件商標と引用各商標は、いずれも造語よりなるものであるから、観念上比較することはできない。
さらに、本件商標と引用各商標は、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲第5号証ないし甲第100号証を総合すれば、「Joie」及び「ジョア」は、申立人の業務に係る商品「発酵乳」を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、乳製品等食品の分野で、その需要者の間に広く認識されていた商標であることを認めることができる。
しかしながら、前記したとおり、本件商標は、その構成中の「JOIE」の文字部分が独立して把握、認識されるものではなく、一般の消費者が「発酵乳」という商品から離れて、なおかつ、前記した構成態様からなる本件商標に接した場合、その構成中の「JOIE」を直ちに「ジョワ」と称呼して、申立人の「Joie」及び「ジョア」商標を想起することは極めて少ないというのが相当である。
したがって、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずる蓋然性は極めて低いというべきである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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