sokuhyo

Trademark Appeal Case

トロンサウナの品質表示

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第9349号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、後掲に示すとおり、「トロンサウナ」、「THORONSAUNA」の文字を上下二段に横書きしてなり、第11類「業務用サウナ風呂設備」を指定商品として、平成9年10月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は『遠赤外線とトロンエネルギーを利用したサウナ』を表す『トロンサウナ』および『THORONSAUNA』の文字よりなるものであるから、出願人がこれをその指定商品中、前記照応する商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の理由により、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、その構成後掲したとおり、「トロンサウナ」、「THORONSAUNA」の各文字よりなるところ、構成中前半の「トロン」、「THORON」の各文字部分は「トリウム系列の気体の放射性核種に対する共通の名。ラドンの同位元素。」を意味する文字(語)であり(株式会社日刊工業新聞社発行「マグローヒル科学技術用語大辞典第2版」より)、また、同後半の「サウナ」、「SAUNA」の文字部分は、「熱気と蒸気によって汗をかかせる。蒸し風呂。」を意味するものであって、その指定商品である「業務用サウナ風呂設備」の用途、品質を表示したものと容易に理解されるものである。

ところで、「トロン」(THORON)に関し、ホテル等の温泉施設の提供に係るいわゆるインターネット情報によれば、以下の状況が見受けられる。

(イ)・・・トリウム元素が放出するエネルギーを「トロン」と呼びます。このエネルギーを最も多く含んでいる鉱石は「モザナイト」といい、非常に珍しい鉱石です。「トロン」は地球上で最もイオン化作用(生体の活性作用)の強いエネルギーの一つと言われ、欧米の物理学療法には、盛んに取り入れられています。(http://www.frontia.co.jp/newgrand/kinuura/onsen-j.html)

(ロ)・・・ 天然の薬石(モナザイト)・・・は、常時不思議な力を放出しています。この不思議な力は「トロン」といって、地球上でもっともイオン化作用(生体活性作用)が強く、特に人体の「痛み」に対して、素晴らしい効力を発揮します。(http://www.avis.ne.jp/~finest/hotel/sanraku.htm)

さらに「トロンサウナ」に関する各種温泉施設に係るインターネットの紹介情報によれば、以下の状況が認められる。

(ハ)『トロンサウナって一体何?』−−−トロンサウナとは、室内温度は50°C前後と低く遠赤外線の”やきいも効果”(皮はそのままで中身をほくほくにする遠赤外線の特殊な熱エネルギー効果のことで、つまり表面温度を上げずに内部だけを温めるシステム)とトロンエネルギーの活性作用により体の内部を効果的に暖めて発汗させるものです。さらに短時間での発汗を可能にします。(http://www.yone.ac.jp/~misako/sauna.html)

(ニ)トロンサウナ"TORON−SAUNA"・・・わずか50度の室温で抜群の発汗効果が得られる、といわれております。トロンサウナの発汗システムは、遠赤外線の「やきいも効果」とトロンエネルギーの活性作用により、体の内部を効果的に暖めて発汗させるシステムです。従来のサウナが苦手な人も、これなら快適。と評判のようです。(http://www.shiawase.co.jp/ven/vkd044.htm)

このほか、「トロンサウナ」を標榜するホテル、旅館、健康施設等の施設は、当該インターネット情報によるもののみで国内各地に20箇所を越える数が散在している。(例えば、スポーツ合宿センター 士別inn翠月(北海道士別市)、テルメ柏陵健康温泉館(山形県大江町)、富士山天母の湯(富士宮市)、六呂師高原 トロン温泉 うらら館(福井県大野市)、阿蘇いこいの村(熊本県阿蘇郡阿蘇町)等)

また、サウナ風呂関連機器の一般的構造及び製品事情についてみると、例えば、東洋経済新報社昭和61年発行 現代商品大辞典 新商品版「サウナ風呂」の項によれば「乾燥した高温空気浴で発汗により新陳代謝を促進するもので、日本では木箱状の個人用サウナが売られている。箱の内部を110°C程度に保つため、コイル状のニクロム線をガラス管に入れた赤外線ヒータを用いて箱内空気温度を上げるとともに赤外線浴もできるようにしたものが多い。個人用とはいうものの、公衆浴場、ビジネスホテル、運動施設の浴室に設けられるものも多い。」と解説され、また、一般に、サウナ設備はサウナストーブ、香花石、サーモユニット、制御板、照明器具、温度計、防熱板、火災報知器等が装備され、販売されている状況が認められる。

以上の事実からすれば、本願商標「トロンサウナ」、「THORONSAUNA」からは、全体として「トロン元素の作用・効果を利用したサウナ」の意味合いを容易に看取し得るものであり、かつ、該文字はその効能特性(遠赤外線の放射熱とトロンのエネルギーによって体の内部を活性化し無理なく発汗させ、特に人体の「痛み」に対して効果があるとされる。)又はサウナ施設の種別を表示するものとして、該入浴施設の提供に係るサービスについて取引上普通に使用されているものであって、その指定商品である「業務用サウナ風呂設備」の取引分野においては、当該サウナ設備機器の特徴、構造又は機能(効能)を端的に示したものと容易に理解されるとみるのが相当である。

してみると、本願商標を、その指定商品「業務用サウナ風呂設備」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、その品質(機能又は効能)、用途又は構造を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、かつ、前記トロンの活性作用を有しない商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

請求人は、本願商標「トロンサウナ」、「THORONSAUNA」は、商品「業務用サウナ設備」について請求人が命名したオリジナルブランドであり、かつ該商標或いは「トロン温泉」の文字を有する登録商標が他に存在する等の理由を述べるとともに、登録例(甲第1号証ないし同第3号証)を挙げて本願商標の登録適格性を主張しているが、本願商標はそもそも指定商品の品質を表すものであること前述のとおりであり、また、過去の登録事例はその商標の具体的構成及び指定商品において本願商標とは事案を異にするものであり、かつ、昨今の温泉施設等における温浴サービスの実情並びに温泉設備機器の取引の実情に照らしてみれば、本願については前記認定を相当とするものであって、それら事例をもって現在における本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でないから、その主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。