結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成9年審判第15175号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2211924号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和62年8月8日に登録出願され、「ミクロポーラス」の文字と「MICROPOROUS」の文字とを二段に横書きしてなり、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年2月23日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証、参考資料−1及び参考資料−2を提出した。
(1)本件商標「ミクロポーラス」は、その意味するところは「微細な孔の開いた」あるいは「多孔質の」という程の意味であり、より具体的には商標権者の業務内容からすれば、「電鋳法により製造した多孔質製品」の物理形態を意味するのである。つまり、当業界では普通名称化した言葉であって、本来的に特別顕著性はみられないものであって、もし使用しておれば請求人は当業者として当然に見聞きするものと考えられるところ、そのような事実はない。つまり、本件商標は使用されていないことが推測される。
請求人が商標権者と同じく電鋳法による製品製造を行っていることは、請求人の特許出願(甲第1号証)により明らかである。甲第1号証に云う「多孔質電鋳体」が本件商標の「ミクロポーラス」の1つの内容である。
したがって、本件商標は、その指定商品「産業機械器具」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項に該当し、同規定により取り消すべきである。
(2)答弁に対する弁駁。
▲1▼利害関係について
商標権者と請求人は、いわゆる同業者であり、同じ地域で営業しており、競業関係にあることはお互いに承知のことである筈であるが、そのような事実は全く無視して、今回の答弁書では、利害関係を否定している。
審判請求の際には、たまたま手元にあった特許公報類を利用したものであって、指摘の通り、極東技研は子会社であって、直接的な証明とはなっていないが、上述のような事実関係を同業者であれば周知であるので、そのままとしていたのであった。
▲2▼権利の濫用について
被請求人は、今回の請求に対して「もっぱら被請求人に損害を加えるために行った」あるいは「権利の濫用」との厳しい指摘を行っているが、これについては、次のような指摘を行って置く。
参考資料−1の「電気化学便覧」には、電鋳の適用事例として「マイクロポーラスクロムめっき」がJISの規定する技術用語として用いられている。ここに、「マイクロポーラス」が「ミクロポーラス」と同じ内容であることは説明を要しないであろう。
さらに、参考資料−2の「JIS電気めっき用語」においても、「マイクロポーラスクロムめっき」が技術用語であることが明記されている。
このような状況下から、当業界の一人として請求人は多大の迷惑をうけており、「ミクロポーラス」を1私人に独占させることは問題ありとして今回の審判請求に及んだものであり、商標制度の本来の趣旨からも、本件商標を存続せしめて置く必然性はない。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べた。
(1)請求人は、「本件商標『ミクロポーラス』は、......、当業界では普通名称化した言葉であって、本来的に特別顕著性はみられない」と主張しているが、これは請求人独自の誤った認識であり、否認する。本件商標は特別顕著性を備えている。
もっとも、本件は商標法第50条の取消審判であって、特別顕著性とは関係が無く、請求人の主張は本件審判を混乱させるだけであるから、詳しく応ずるまでもないと考える。
(2)甲第1号証の出願人は「株式会社極東技研」であって、請求人「極東精機株式会社」とは別法人であるから、何ら、請求人が電鋳法による製品製造を行っていることの立証になっていない。被請求人の知るところでは、請求人は、電鋳法による製品製造を行っていない。
平成8年改正商標法では、不使用取消審判の請求人適格が緩和され、「何人」にも認められることとなったが、当該審判の請求人がもっぱら被請求人を害することを目的としている場合には、かかる請求は権利濫用として認められないとする運用をすべきこととされている。ダミーによる請求や濫訴の弊害といった懸念をなくすためである。
本件のように、請求人自ら電鋳法による製品製造を行うことなく、しかも不当な証拠方法に基づいてなされた本件審判の請求は、もっぱら被請求人に損害を加えるために行ったものと十分に推察される。
よって、本件審判の請求は、権利の濫用であり、却下されるべきである。
被請求人は、本件審判の請求について「もっぱら被請求人に損害を加えるために行ったものと十分に推察されるから、これは権利の濫用であり、却下されるべきである。」旨主張しているのに対し、請求人は、参考資料−1及び参考資料−2を提出し、「参考資料−1の『電気化学便覧』には、電鋳の適用事例として『マイクロポーラスクロムめっき』がJISの規定する技術用語として用いられ、参考資料−2の『JIS電気めっき用語』においても、『マイクロポーラスクロムめっき』が技術用語であることが明記されている。このような状況下から、当業界の一人として請求人は多大の迷惑をうけており、『ミクロポーラス』を一私人に独占させることは問題ありとして今回の審判請求に及んだものである。」旨主張しているように、本件審判の請求は、被請求人に損害を加えるためのみにされたものとは認められないから、この点に関する被請求人の主張は認めることができない。
また、被請求人は、本件商標をその指定商品について使用していたことを何等立証していないばかりでなく、平成10年12月18日付けの審尋書において使用の事実及び立証を求めたのに対しても、その後、何等回答していない。
してみれば、本件商標は、被請求人により、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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