結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30181(T2002−30181/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2447143号商標(以下「本件商標」という。)は、「MASCOT」の欧文字と「マスコット」の片仮名文字を横二段書きした構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年3月13日に登録出願され、平成4年8月31日に商標権の設定登録がされたものである。また、平成14年3月19日に商標権存続期間の更新登録がされている。
なお、指定商品については、平成14年7月24日に指定商品の書換登録がされ、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿 」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」として書き換えられている。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「被服(運動用特殊被服を除く)」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出している。
1.請求の理由
本件商標は、請求人の調査したところによると、その指定商品中「被服(運動用特殊被服を除く)」について、商標権者もしくは使用権者によって、継続して過去3年以上に亘り使用されている事実を発見することができなかった。
2.弁駁の理由
(1) 商品「サウナスーツ」について
被請求人は、本件商標を商品「サウナスーツ」に使用しているとしているが、取消請求に係る商品「被服(運動用特殊被服を除く)」に該当するか疑問である。
この商品はもともとはボクサーの減量用に開発された商品で、最近ではウォーキングやジョギングの際に着用すると、その密閉性の高さから発汗を促すので、いわゆるダイエット用として広く一般に用いられている商品(甲第2号証)である。その機能、用途からいっても、「運動用品」といえる。最近、例えば、ジャージなどを街着として着るところから、運動用特殊衣服と被服の区別は難しいところであるが、この「サウナスーツ」を一般の街着、すなわち「被服」とするのはいささか強引すぎると思える。
この 「その気密性から、たちまち大量の発汗を促し、悪臭発生機」とも化すものを街着とするのは一般常識からいってもいきすぎと思えるからである。「サウナスーツ」はあくまでも「運動用の特殊被服」であり、取消請求に係る商品「被服」には属するものではないと考える。
(2) 使用証拠について
当該サウナスーツが取消請求に係る指定商品であると仮定して、被請求人提出の使用証拠が実際の「使用」を証明するものかをみる。
(ア) 乙第1号証は、本件商標が商品に付された状態を示す写真である。これらの証拠は形式的には「使用」の要件を満足するものである。商標法第2条第3項第1号(当該条項は、平成14年9月1日に施行の同14年法律第24号により一部改正されているが、それらは直接、本件審理に影響はないので、全てに「改正前」の文字を付して旧条項号のまま表示する。以下同じ。)の使用に該当するからである。
しかし、改正前同第1号の「使用」とは、単に商品の包装に商標を付する行為であり、上述の実際の使用の前段階の行為といえるものであって、これだけでは本件商標と同一の標章が付された商品が1個存在することを証明するだけの証拠であり、本件商標が付された商品が実際、市場に流通していることを示すものではないといえる。
(イ) 乙第2号証ないし乙第4号証は、いずれも売上伝票であって、これは取引書類に該当するので、これらの証拠により主観的には改正前商標法第2条第3項第7号の「使用」の事実を証明するために提出した証拠と思われる。
しかし、これらの証拠は、改正前同第7号の「使用」の事実を証明するものとは認められない。
なぜなら、これらの書類には、例えば、商品コード「SNS816−M」「SNS816−S」、品名「サウナスーツ」、サイズ「Mサイズ」といった記載はみられるが、これらの書類のどこにも本件商標「MASCOT/マスコット」が存在しないのである。そうすると、これらの書類は、「標章が付された取引書類」ではないので、これらの証拠は形式的にも改正前同第7号のいわゆる「広告的使用」の要件を満足するものではない。
逆にいえば、これらの「サウナスーツ」が商標名「MASCOT/マスコット」を目印として取引されず、もっぱら品番・品名で商品を特定し、取引されていた事実を証明しているといえるものである。
(ウ) 乙第5号証は、商品のカタログであって、これも取引書類となり得るが、上記乙第2号証ないし乙第4号証で述べたことと同様のことがいえる。すなわち、これらの証拠についても、改正前商標法第2条第3項第7号の「使用」の事実を証明するものとは認められない。
なぜなら、商品「サウナスーツ」の頁(P18)はもとより、このカタログのどこにも商標「MASCOT/マスコット」は存在しない。そうすると、このカタログも、「標章が付された取引書類」ではないので、これらの証拠は形式的にも改正前同第7号のいわゆる「広告的使用」の要件を満足するものではない。
そして、このカタログも、「サウナスーツ」が商標名「MASCOT/マスコット」を目印として取引されず、もっぱら品番・品名で商品を特定し、取引されていた事実を証明しているといえるものである。
(エ) 以上の結果、被請求人提出の証拠書類のうち、商標の「使用」(改正前商標法第2条第3項)を一応証明しているといえるものは、乙第1号証の写真だけである。
しかし、この証拠は、単に不使用取消を免れるためだけの目的で名目的な使用をするかのような外観を呈するにすぎない行為を示すもののように思われるし、この証拠だけでは実際の商標の使用の事実を証明するには不十分であると考える。
(オ) 以上のとおり、被請求人は本件商標を取消請求に係る商品に使用しているか疑問であるし、そして、被請求人提出の証拠によっては、本件商標が被請求人等によって審判請求登録前3年以内に本件取消請求商品に使用されたことは証明されているとはいえないものと考える。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙5第号証(枝番を含む。)を提出している。
1.商品「サウナスーツ」について
商品「サウナスーツ」は、外衣として使用するほか、以下に説明するように、その材質の特性により、冬場の防寒着又は防風着として、雨天時のレインウェアとして、また、発汗促進効果のあるウオーキングウェアやジョギングウェアとして着用するのに適した衣服である。
当該商品「サウナスーツ」の形態は、乙第1号証の3、同4及び乙第5号証に示されるように、前開きのジャケットとパンツとのセットからなる上下セパレーツの通常の衣服の形態をなすものである。そして、その表地はポリウレタンコーティング地であって保温性及び非透水性に優れており、スーツ内の汗や熱気を逃さないようになっている。また、裏地はポリエステルナイロン地であるため汗をかいても肌にべとつかずサラッとしているため快適な着用感を備える衣服である。
したがって、当該商品「サウナスーツ」は、本件商標の指定商品中の「被服」の概念に属する商品である。
2.商標の使用について
上記商品「サウナスーツ」には、織りネーム及び下げ札に「MASCOT」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が使用されている。
すなわち、上記商品「サウナスーツ」には、乙第1号証の1ないし同5に示されるように、襟部内側に織りネームが縫着されており、乙第1号証の5に示す当該織りネーム部の拡大写真から、当該織りネームに「MASCOT」の文字が表示されている。
また、該商品「サウナスーツ」には、乙第1号証の1ないし同6に示されるように該商品の説明を記載した下げ札が取着されており、乙第1号証の6に示す当該下げ札の拡大写真から、当該下げ札の左上部に「MASCOT」の文字が明確に表示されていることが明らかである。
以上のことから、被服の概念に属すること明らかな被請求人(商標権者)の取り扱いに係る商品「サウナスーツ」について、本件商標と社会通念上同一のものと認識される商標が使用されている。
3.商品の販売について
被請求人(商標権者)は、前述したように本件商標と社会通念上同一のものと認識される商標を付した商品「サウナスーツ」を平成4年10月から品番SNS716として販売開始し、その後、平成12年9月に素材及びデザインを変更した新商品を品番SNS816として販売し、現在に至ってる。
前記販売の事実を立証するため、被請求人は、上記商品(品番SNS816)の売上が示されている伝票の一部を提出する。乙第2号証の1ないし同6は平成13年3月の売上伝票、乙第3号証の1ないし同14は平成13年6月の売上伝票、乙第4号証の1ないし同13は平成13年12月の売上伝票である。
(1) 乙第2号証の1には、平成13年3月21日にベンゼネラル株式会社東京支店へ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」1着を販売した事実が示されている。
乙第2号証の2には、平成13年3月21日にパーソナル商事株式会社へ商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」2着を販売した事実が示されている。
乙第2号証の3には、平成13年3月22日にゼット株式会社へ商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」1着を販売した事実が示されている。
乙第2号証の4には、平成13年3月22日にキノヤ株式会社へ商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」2着を販売した事実が示されている。
乙第2号証の5には、平成13年3月22日に竹田商店へ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」1着を販売した事実が示されている。
乙第2号証の6には、平成13年3月30日に名古屋ヒロウン株式会社へ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」1着を販売した事実が示されている。
(2) 乙第3号証の1には、平成13年6月1日に株式会社アサイ大阪店へ商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の2には、平成13年6月1日に株式会社ザナックス東京支店へ商品「サウナスーツLLサイズ(品番SNS816−LL)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の3には、平成13年6月1日に株式会社ナカムラへ商品「サウナスーツLLサイズ(品番SNS816−LL)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の4には、平成13年6月1日に株式会社ジャパンヘルスへ商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」2着、商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」2着、商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着、商品「サウナスーツLLサイズ(品番SNS816−LL)」1着をそれぞれ販売した事実が示されている。
乙第3号証の5には、平成13年6月1日に株式会社三鷹へ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」2着、商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着をそれぞれ販売した事実が示されている。
乙第3号証の6には、平成13年6月4日にアシックス中部販売株式会社へ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」1着、商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」1着をそれぞれ販売した事実が示されている。
乙第3号証の7には、平成13年6月5日に株式会社エスエスケイ東京流通センターへ商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の8には、平成13年6月8日に株式会社スポーツタカハシヘ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」1着を、商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」2着、商品「サウナスーツLLサイズ(品番SNS816−LL)」2着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の9には、平成13年6月11日に名古屋ヒロウン株式会社へ商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の10には、平成13年6月11日にゼット株式会社東京店へ商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の11には、平成13年6月12日にゼット株式会社へ商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の12には、平成13年6月15日に株式会社山下体育社へ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」1着、商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の13には、平成13年6月19日にヤバネスポーツ株式会社へ商品「サウナスーツLLサイズ(品番SNS816−LL)」1着を販売した事実が示されている。
乙第3号証の14には、平成13年6月20日に株式会社エスエスケイ大阪物流センターへ商品「サウナスーツLLサイズ(品番SNS816−LL)」1着を販売した事実が示されている。
(3) 乙第4号証の1には、平成13年12月3日に株式会社ジャパンヘルスへ商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の2には、平成13年12月5日に株式会社ケンコー社へ商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」2着、商品「Mサイズサウナスーツ(品番SNS816−M)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の3には、平成13年12月5日に株式会社イモトへ商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の4には、平成13年12月6日にゼット株式会社へ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の5には、平成13年12月10日にヤバネスポーツ株式会社へ商品「サウナスーツLLサイス(品番SNS816−LL)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の6には、平成13年12月11日に三共スポーツ株式会社仙台店へ商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の7には、平成13年12月11日に株式会社ザナックスへ商品「サウナスーツLサイズ(品番SNS816−L)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の8には、平成13年12月12日に株式会社イモトへ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M」1着、商品「サウナスーツLLサイス(品番SNS816−LL)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の9には、平成13年12月13日に株式会社ダイオス前橋営業所へ商品「サウナスーツLLサイズ(品番SNS816−LL)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の10には、平成13年12月13日に株式会社スポーツタカハシへ商品「サウナスーツMサイズ(品番SNS816−M)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の11には、平成13年12月17日に株式会社イモト福岡支店へ商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の12には、平成13年12月18日にベンゼネラル株式会社福岡営業所へ商品「サウナスーツLLサイズ(品番SNS816−LL)」1着を販売した事実が示されている。
乙第4号証の13には、平成13年12月19日に株式会社三鷹へ商品「サウナスーツSサイズ(品番SNS816−S)」1着を販売した事実が示されている。
(4) 以上のことから、被請求人は、前記「2.商標の使用について」の項で述べたように本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した商品「サウナスーツ」を、少なくとも平成13年3月、同年6月、及び同年12月に販売したことが明らかである。
4.商品の広告について
被請求人は、前述した本件商標と社会通念上同一のものと認識される商標を付した商品「サウナスーツ」を、被請求人が顧客に配布する商品カタログに掲載している。被請求人の前記商品カタログは毎年発行しているもので、商品「サウナスーツ」については、平成4年の発売当初から品番SNS716として商品カタログに掲載し、新商品の開発後は品番SNS816として掲載し、現在に至っている。乙第5号証として平成14年の商品カタログを提出する。
当該商品カタログには、モデルの着用した状態についての商品「サウナスーツ」が示されており、襟部内側に縫着されている織りネームがモデルの首によって隠れているため、商標の使用を確認することはできないが、当該商品カタログに掲載の商品「サウナスーツ」が、上記1.の「商品『サウナスーツ』について」において述べた品番SNS816の商品である。
本件商標は、「MASCOT」の欧文字と「マスコット」の片仮名文字を横二段書きした構成よりなるところ、本件審判は前記書換登録前の請求にかかるものであって、本件商標の設定登録時の指定商品中「被服(運動用特殊被服を除く)」について、商標法50条第1項の規定によりその登録の取り消を求めるものであり、その審判請求の登録は平成14年3月13日にされているものである。そこで、被請求人が、本件商標を本件審判の取消対象商品について所定の時期において使用していた事実を証明するものとして提出した乙第1号証の1ないし同第5号証によって、その事実を証明し得たものであるかについて判断する。
1.商品「サウナスーツ」について
被請求人の提出に係る乙第5号証は、本件商標の使用に係る商品「サウナスーツ」を始め、竹ふみ、フィットネスビデオ、歩行用ステッキ、お香等の各商品について、ジャンルを健康用品として掲載しているほか、トレーニング用品、ウォーキング用品、アクティブスポーツ用品、測定用品及びサポーター用品を各ジャンルとして、発売元を被請求人とする2002年(平成14年)の商品カタログであって、体力又は健康面を維持ないしは増進するための直接又は間接的な各種商品が掲載されているものである。
そして、「サウナスーツ」は、該商品カタログの18頁において掲載されているところ、当該「サウナスーツ」は「表面:ポリウレタン100%、裏面:ナイロン100%」を素材とすること、また、掲載写真における外観的なスタイルもウィンドブレーカー、ジョギングスーツ等とさほど異なるような特殊なところは見出し得ず、当該商品が各種スポーツをする際に限って着用するような特殊な衣服ともいい得ないものである。
この点を請求人は、商品「サウナスーツ」は取消請求に係る商品「被服(運動用特殊被服を除く)」に該当するか疑問であるとし、その理由について、この商品はもともとはボクサーの減量用に開発された商品で、最近ではウォーキングやジョギングの際に着用すると、その密閉性の高さから発汗を促すので、いわゆるダイエット用として広く一般に用いられている商品(甲第2号証)であり、その機能、用途からいっても「運動用品」といえる旨述べている。確かに、「サウナスーツ」は、請求人提出に係るインターネット上のホームページ情報によってもウォーキングやジョギングの際に着用し、その密閉性の高さから発汗を促し、いわゆるダイエット用として用いられることからして、健康のためにからだ動かすための関連商品であり、抽象的な概念としての「運動用品」とすることを必ずしも否定するものではない。
しかしながら、請求人が述べるように「サウナスーツ」は、もともとはボクサーの減量用に開発された商品であって、専らボクサーが試合に着用すべく衣服でなく、これが商標法施行規則等で例示するところの「運動用特殊衣服」の概念になる商品、例えば、野球のユニホームように試合をする際に着用すべき商品とは自ずと異なるものである。
そして、「トレーニングパンツ」「ランニングシャツ」等は、スポーツ以外日常一般にも用いるし、現在では特殊なものでないとして被服に属するものとしているところである(昭和55年4月7日特許庁商標課編集・社団法人発明協会発行の「商品区分解説」(改訂版))61頁参照)。
また、現行商標法施行規則の別表において、「被服」に属する商品として「ジョギングパンツ」「スウェットパンツ」「スキージャケット」「スキーズボン」及び「水泳着」等が例示列挙されており、さらに、特許庁ホームページにおける「商品・役務名リスト」上に「ウォームアップスーツ」「ジョギングスーツ」及び「スウェットスーツ」とする商品名表示が「被服」に属する商品として該リストに掲載されている。
そうすると、上記したような、スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服といい得ないものは、「被服(運動用特殊被服を除く)」の範疇に属する商品として取り扱われていると解することができ、これらと同様に、「サウナスーツ」についても、スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服といい得ないこと上記のとおりであるから、本件商標の使用に係る当該商品「サウナスーツ」は、「被服(運動用特殊被服を除く)」に属する商品とみて差し支えないというべきものである。
2.使用証拠について
(1) 被請求人提出に係る乙第1号証は、当該「サウナスーツ」の包装状態、拡大した織りネーム部、及び取り付けられた下げ札等の状態を示す6葉の写真であって、上記1.で認定した該2002商品カタログにおいて掲載された商品と同一と認め得るものである。
そして、これよりは織りネーム部及び下げ札の左上部にそれぞれ赤色で彩色し冒頭の文字から順次小さく湾曲させて表した「MASCOT」の商標が付されていることが確認でき、該「MASCOT」商標は、本件商標と称呼及び観念を同じくし、かつ、外観においても取引上実質的な差異はないものと認められ、本件商標とは社会通念上同一ということができる。
してみれば、上記のように使用していたことは、本件商標を商品「サウナスーツ」に使用していたものといえる。
(2) 同じく、乙第2号証ないし乙第4号証は、いずれも売上伝票であって、これは取引書類に該当し、これらの書類には、例えば、商品コード「SNS816−M」「SNS816−S」、品名「サウナスーツ」、サイズ「Mサイズ」といった記載がみられるものであって、上記1.商品カタログにおいて掲載され当該「サウナスーツ」、及び6葉の写真に示された当該「サウナスーツ」と「商品コード」「品名」等を同じくするものである。
そうすると、これら取引書類からは、当該商品「サウナスーツ」について、商標権者と売上伝票上の各取引先との間において商取引がされたと推認できるものである。
そして、商取引された時期は、該商品カタログが被請求人(商標権者)により2002年度(平成14年度)発行されたこと、及び各売上伝票の年月日(平成13年3月、同年6月、及び同年12月)とから、本件審判請求の登録前3年以内であることが確認できる。
3.まとめ
以上、1.及び2.で認定した点を総合して判断すれば、被請求人(商標権者)は、審判請求の登録前3年以内に日本国内においてその請求に係る指定商品「被服(運動用特殊被服を除く)」の範疇に属する商品「サウナスーツ」について、本件商標の使用を証明し得たものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、本件審判の取消請求に係る指定商品について、その登録を取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。