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Trademark Appeal Case

商品形状の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−11003(T2000−11003/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第16類「粘着テープ」を指定商品とし、平成11年1月28日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係よりすれば、その商品のディスペンサーの一形態を表したものと容易に認識される立体的形状よりなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品のディスペンサーの形状を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。

そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。

また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。

そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。

(2)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲に示すとおり粘着テープ用のディスペンサーそのものを表した立体的形状よりなるものであって、該ディスペンサーの上半部に半円形の空洞があることは、持ち運びの用に供するためであり、また、半円形の円周部は、そこに円形の粘着テープを据え付け、回転して取り易くする機能面の需要に沿ったものであって、該ディスペンサーの用途、機能から予想し得ない程の特徴がある形状とも認められない。

したがって、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、粘着テープ用のディスペンサーの形状、すなわち、商品の包装の形状を表示したものであると理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものといわなければならない。

(3)ところで、請求人は、本願商標の形状に基づく構造について実用新案登録を受けていたものであり、このことは、本願商標の形状が新規性、特異性を有することを意味する旨主張しているが、請求人主張の実用新案登録がされたことと、本願商標が商品の形状を表示したものとして取引者、需要者に認識されるものか否かは直接関係がないといえるから、該主張は採用できない。

(4)また、請求人は、本願商標の立体的形状は、同形状に包装された粘着テープの長期に亘る独占的な使用により、商標として識別性を有しており、商標法第3条第2項の要件を具備している旨主張し、証拠方法として甲第5号証ないし甲第9号証を提出している。

そこで、請求人提出の各証拠について検討するに、商品等の形状に係る立体商標が商標法第3条第2項に該当するものとして登録を認められるのは、原則として使用に係る商標が出願に係る商標と同一の場合であって、かつ、使用に係る商品と出願に係る指定商品も同一のものに限られると解されるところ、本願商標が立体的形状のみからなるものであるのに対し、使用に係る商標(甲第5号証ないし甲第7号証)は、立体的形状と文字、図形等の平面標章より構成されており、両商標の全体的構成は同一でないことから、本願商標については、使用により識別力を有するに至った商標と認めることができない。

そして、甲第8号証及び甲第9号証は、請求人の作成に係る「証明願」若しくは「証明書」を表題とする用紙に証明者が署名捺印したものにすぎず、証明者がいかなる根拠により当該文面の内容を証明したものであるかが全く不明であり、客観性を欠く証明書といわざるを得ず、この証拠によっては、本願商標が使用により識別力を有するに至ったものと認めることはできない。

(5)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同法第3条第2項の要件を具備するものとも認められないから、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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