Trademark Appeal Case
擬人化図形の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−4295(T2000−4295/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第10類「医療用機械器具,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首、氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,医療用手袋,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品として、平成10年8月5日登録出願、その後、指定商品については、平成12年7月12日付手続補正書により、「避妊用具,耳栓」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2353908号商標、登録第4123998号商標及び登録第4132919号商標の構成及び指定商品は、それぞれ願書及び原簿記載のとおりであるが、本願商標の指定商品が、前記1のとおり補正された結果、これらの引用商標とは、指定商品において抵触しないものとなったので、当審において平成15年6月20日付拒絶理由通知書をもって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4556530号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成10年2月4日登録出願、第10類「避妊用具,耳栓」を指定商品として、平成14年4月5日に設定登録されたものである。
3 請求人の意見の要旨
(1)本願商標と引用商標の図形部分はともに「スマイルマーク」と称される類のもので、平成13年10月25日の大阪地裁判決の判例の考え方に従えば、「スマイルマーク」に係る商標権の禁止権の効力が及ぶ範囲は、当該商標に表された「スマイルマーク」の図形そのものに限定されるべきであり、商標の類似の範囲もその範囲のものと考えるべきある。
そこで、本願商標と引用商標の外観上の違いを列挙すると、
(2)本願商標の目の形状は、縦横の比が約3:1であってかなり縦長であるのに対し、引用商標の目の形状は、縦横の比が2:1であってさ程縦長感はなく、その表現位置は、本願商標の場合よりも上方である。
(3)本願商標の口は、細く微細に表され、また、輪郭に近く且つ輪郭と同心円に描かれ、口の両端は円の中心線辺りに止まっているのに対し引用商標の口は、太く極立つ線で、やや丸みを帯びたV字状に描かれ、また、その表現位置は輪郭から離れた中心寄りで、口の両端は中心線よりも上に位置している。
(4)以上のとおり、本願商標と引用商標は、目の形状及び表現位置、並びに、口の形状及び表現位置が全く異なっていて、相異なったイメージを以て感取されるので、両者は外観において類似せず、全体的にも非類似と認定されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標について
本願商標は、別掲(1)のとおり、図形よりなるものである。
これに対して、引用商標は、別掲(2)のとおり、図形と文字との組み合わせよりなるものであるところ、これらは常に一体不可分のものとして把握されるとは限らず、図形部分と文字部分とは、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められ、その構成中の図形部分は、文字部分が比較的多くの文字により構成されていることもあって、看者の注意を強く引く部分であるといえる。
そこで、本願商標と引用商標の図形部分とについてみるに、いずれの図形部分も、円輪郭内に、目と思しき黒塗りの縦長楕円形の点を上部に2つ並べ、その下に、口と思しき両端上がりの弧とその両端に弧にほぼ直角になるように短い線を描いてなるものであって、全体として擬人化した図形を表したものと認められる。
そして、本願商標と引用商標の図形部分とは、目及び口の位置、大きさ等において多少相違があるとしても、円輪郭内に黒塗りの縦長楕円形の点及び弧を用いて擬人化した点において共通するものであり、この点において看者に強く印象づけられるということができる。
してみると、本願商標と引用商標とは、これを時と所を異にして離隔的に観察した場合は、互いに混同を生じさせるおそれがある外観上類似の商標といわなければならない。
(2)指定商品について
本願商標と引用商標の指定商品は、前記したとおり、ともに第10類の「避妊用具、耳栓」を指定するものであり、同一又は類似の商品と認められる。
(3)したがって、本願商標と引用商標とは、外観において類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、これを登録することができない。
なお、請求人は、前記意見の要旨で(1)のとおり主張しているところ、いわゆる「スマイルマーク」商標に関して、その商標権の禁止権の効力が及ぶ範囲は、当該商標に示された具体的外観(顔、目及び口の位置、描線等)を備えるスマイルマークに限定されると解するのが相当である旨の判断が示されたことは認め得るが、これは登録商標の効力制限を判断したものであって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるかの適否を判断する本件にあっては、標章及び使用商品の相違等、別異の事案というべきであり、これをもって本願商標と引用商標とが類似しないとなるものでもない。
このことは既に、同様に商標法第4条第1項第11号に該当するものであるかの適否が争われた事件(平成14年(行ケ)第536号)で「なお、原告が引用する判例は、本件商標とはその構成等が異なる別の登録商標(登録第2154392号、昭和46年10月8日商標登録出願、平成元年7月31日設定登録、指定商品・旧第25類「紙類、文房具類」)に関するものであり、かつ、原告が引用する上記判例の判旨部分は、商標権の禁止権の効力が及ぶ範囲について判示するものであって、商標登録の要件に関する本件と事案を異にしており、本件商標と引用商標とが類似するとの本件決定の認定、判断に誤りがあると解することはできず、原告の上記判例の判旨に基づく主張も失当である。」との判断が東京高等裁判所により示されているところである。
よって、結論のとおり審決する。
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