Trademark Appeal Case
造語の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第14915号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「ProWeb」の欧文字を横書きしてなり、第9類「プロジェクト作業環境支援システム用プログラム、プロジェクト管理システム用プログラムを記録した磁気ディスク、光ディスク、集積回路,通信網を利用して動作するプログラムを記録した磁気ディスク、光ディスク、集積回路,電子計算機用プログラムを記録した記録媒体,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープその他の周辺機器を含む。)」を指定商品として、平成9年1月9日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成10年6月23日付け手続補正書をもって、「プロジェクト作業環境支援システム用プログラム、プロジェクト管理システム用プログラムを記録した磁気ディスク、光ディスク、集積回路,通信網を利用して動作するプログラムを記録した磁気ディスク、光ディスク、集積回路」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由 原査定は、以下の登録商標を引用して、本願商標は、引用登録商標と称呼上類似する商標であって、その指定商品も引用登録商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定して、本願を拒絶したものである。
本願商標の拒絶の理由に引用した登録第2596248号商標(以下「引用商標」という。)は、「プロウェーブ」の片仮名文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成3年2月5日登録出願、同5年11月30日に設定登録されたものである。
第3 当審の判断
1.本願商標と引用商標との対比及び両商標の指定商品の対比
(1)本願商標は、前記のとおり、「ProWeb」の欧文字を書してなるものであるところ、該文字は、語頭の「P」と中間部に位置する「W」の文字部分が大文字よりなり、他の文字が小文字よりなるものであるから、「Pro」と「Web」の2語よりなるものと理解される場合があるとしても、同一の書体をもって一連に書され、「Pro」と「Web」との外観上の不可分一体性は極めて強いものであるばかりでなく、これより生ずると認められる「プロウェブ」の称呼も極めて簡潔なものである。
してみると、本願商標を構成する「ProWeb」は、構成全体をもって、特定の観念を想起させない造語を表したものと理解されるというのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「プロウェブ」の称呼のみを生ずるものであって、造語よりなるものといわなければならない。
(2)引用商標は、前記のとおり、同一の書体よりなる片仮名文字で一連に「プロウェーブ」と書してなるものであるから、外観上の不可分一体性は本願商標以上に強いものであり、また、これより生ずると認められる「プロウェーブ」の称呼も冗長なものではない。
してみれば、引用商標は、本願商標と同様に、構成全体もって、特定の観念を想起させない造語を表したものと理解されるというのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「プロウェーブ」の称呼のみを生ずるものであって、造語よりなるものといわなければならない。
(3)そこで、本願商標より生ずる「プロウェブ」の称呼と引用商標より生ずる「プロウェーブ」の称呼とを比較するに、両称呼は、中間部に位置する「ウェ」に長音を伴うか否かの差異を有するにすぎないものである。
また、両称呼中、語頭部分に位置する「プロ」の音が強く発音され、明瞭に響く音であることを併せると、上記差異音が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、それぞれの称呼を一連に称呼した場合は、その語調、語感が極めて近似したものとなり、称呼上相紛れるおそれがあるものといわなければならない。
そして、本願商標と引用商標とは、前記したとおり、いずれも造語よりなるものと認められるものであるから、観念上明確な差異がなく、したがって、観念上の差異が両称呼を識別する上で大きな影響を及ぼすということもないから、外観において差異があることを考慮しても、両商標の称呼上の類似性を否定するほどのものとはいえない。
また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中の「電子応用機械器具」と同一又は類似の商品と認められる。
2.請求人の主張について
(1)請求人は、両商標の指定商品の需要者は、相当に専門的技術知識を有する者のみであるから、商品の出所の異同についての関心が高く、商標にも相当の注意を払うものであり、両商標の要部である「Web」と「ウェーブ」は、前者より「WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)」を想起し、後者より「波動、電波」等を理解するから、「ウェブ」と「ウェーブ」の称呼を聞き分けることが容易であり、したがって、本願商標と引用商標とは類似しない旨主張する。
しかしながら、コンピューターの急速的普及により、一般企業や病院、学校などの公共的施設をはじめ、一般の家庭にもコンピューターが普及し、インターネット等コンピューター関連の商品に関心を集める需要者は、必ずしも専門的技術知識を有する者のみに限らないことは、今日の情報化社会の実情より明らかである。
のみならず、本願商標と引用商標は、前記したとおり、構成全体もって一つの造語を表したと理解されるものである。したがって、両商標の構成中、「Web」と「ウェーブ」とが、他の構成要素と切り離され、要部と認識されることはなく、まして、該「Web」と「ウェーブ」は、両商標の指定商品との関係からみれば、前者が「WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)」の略語を理解させ、また、後者の「ウェーブ」が「電波」等の意味を理解させるものであるから、その語自体の自他商品の識別機能は極めて弱いものといえるから、その需要者が、両商標よりそれぞれ「Web」、「ウェーブ」の各文字部分を抽出して称呼、観念するものとは考えにくいところである。
そうすると、対比する両商標より、それぞれ「Web」、「ウェーブ」の各文字部分を抽出し、これらの語は観念において相違するものであるから、両商標は称呼上類似しないとする請求人の主張は、その前提において誤りがあるというべきである。
(2)請求人は、「PowerWeb」の文字よるなる商標と「PowerWAVE」の文字よりなる商標が併存している例を挙げ、本願商標と引用商標は、非類似の使用である旨主張する。
しかし、本願商標は、「ProWeb」の文字よりなるものであり、引用商標は、「プロウェーブ」の文字よりなるものであって、「Pro」若しくは「プロ」と組合せた全体の構成文字が特定の観念を想起させることがないのに対し、上記請求人の挙げた登録例における「Power」は、これより直ちに「力」等の意味が想起され、他の語と結合して一種独自の観念を想起させる場合が多いから、本願商標と引用商標との類否判断と同列には論じ得ないばかりでなく、本願商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足りるものであり、審査におけるこれら登録商標の併存事実一例をもって、その類否判断の要素としなければならない理由は存しない。したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。
3.むすび
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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