Trademark Appeal Case
産地・原材料表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第18717号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「TAHITIAN NONI」の文字(標準文字による)を書してなり、1996年10月30日付けアメリカ合衆国を第一国出願とする商標登録出願を基礎としたパリ条約に基づく優先権を主張して、願書に記載の指定商品を指定して平成9年4月15日に登録出願、その後、指定商品については、平成11年11月25日付けの手続補正書において、「タヒチ産の果物を原料として含む食餌療法用飲料、タヒチ産の果物を原料として含む食餌療法用食品」と減縮補正されたものである。
2 当審における拒絶の理由
本願商標は、指定商品との関係では、「タヒチなどのポリネシア諸国に育つハーブの一種で、鎮痛・鎮静作用のある成分が含まれておいる植物のノニ(学名:モリンダ・シトリフォリア)」の意味合いを認識させる「TAHITIAN NONI」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその補正後の指定商品中、「タヒチ産のノニを原材料として含む食餌療法用飲料、タヒチ産のノニを原材料として含む食餌療法用食品」に使用するときは、商品の品質(産地、原材料)を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願にかかる商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の「タヒチ産のノニを原材料として含む食餌療法用飲料、タヒチ産のノニを原材料として含む食餌療法用食品」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の意見
「モリンダ・シトリフオリア」は、地域によっては「ノニ」と呼ばれている場合があるが、そのように呼ばれているのはほんの少しの地域に過ぎず、世界各地で独自の呼び名が存在しているのが実情である。我が国においても別な呼び名が存在する。
したがって、本願指定商品に関する我が国の需要者及び取引者が「NONI」という文字を含む商標を見ても、この言葉が商品の原材料を表しているとは認識しないと考えるのが相当である。
以下のように、商標「NONI」に関する登録がされている。
「NONI」(第 3類:登録第4377849号)
「NONI」(第 5類:登録第4191320号)
「NONI」(第32類:登録第4347138号)
これらについて自他商品識別力を得ている一方で、本願商標については、自他商品識別力がないと判断すべき合理的理由がない。
また、本願商標「TAHITIAN NONI」は、本来「タヒチなどのポリネシア諸国に育つハーブの一種で、カヴァと同様に鎮静作用のある成分が含まれており、ストレスや精神安定に効果がある植物のノニ(学名:モリンダ・シトリフォリア)」の意味合いを認識させるとしても、請求人(出願人)の広範かつ継続的な使用により、自他商品識別力を獲得しているため、商標法第3条第2項の適用により登録を認められるべきである。
請求人は、本願商標を使用して、本願指定商品を含むいわゆる健康食品・栄養補助食品の製造販売を、米国及び日本を中心とする世界中で行っている。
その結果、我が国における1999年の販売総額は、約75,000,000米ドル、2000年の販売総額は、約141,000,000米ドルになっている。
我が国についてだけでも本願商標が付された商品がこのように多く販売されているから、本願指定商品に属する需要者及び取引者が本願商標の付された商品を目にするとき、これが商品の産地・原材料を表す表示であるとは認識せず、請求人の製造販売にかかる商品であると認識するものである。
そうであれば、例え本願商標に本来は、自他商品識別力が認められないとしても、商標法第3条第2項の適用により登録が認められるべきである。
以上より、本願商標は、上記拒絶理由通知書で示された拒絶理由には該当しない。
4 当審の判断
本願商標は、「TAHITIAN NONI」の文字を横書きしてなるところ、指定商品との関係では、「タヒチなどのポリネシア諸国に育つハーブの一種で、カヴァと同様に鎮静作用のある成分が含まれており、ストレスや精神安定に効果がある植物のノニ(学名:モリンダ・シトリフォリア)」の意味合いを認識させるものである。
そして、そのことは、「ノニ果汁、パイナップル果汁、梨果汁、葡萄果汁を原料とした473mlと946mlの瓶入りの『ハワイアン アイランド ノニジュース』」が、輸入元 有限会社ノニノニインターナショナル(住所:大阪府八尾市若林町一丁目70−1−103)によって取り引きされている実情があること。
また、インターネットのホームページにおいて、例えば、
1.http//www.net-way.co.jp/category/category04/noni.htmlに
「『ノニ』とは、学名モリンダシトリフォリアという植物で、南太平洋の島々で『奇跡のフルーツ』『驚異の果実』として2000年前より健康維持のために珍重されてきました。」の掲載があること。
2.http//www.imj.ne.jp/green/sizen.html に
「大自然がくれた 驚異のパワーを実感! タヒチの奇跡のフルーツ『ノニ』」の掲載があること。
3.http//www.kenko.com/product/seibun/sei_785002.html に
「天国に一番近い島タヒチから届いた『奇跡のフルーツ』ノニが、現代人の栄養バランスと健康維持をサポートします。」の掲載があること。
4.http//user.parknet.co.jp/miyataya/noni/noni.htmlに
「『ノニ』はアカネ科の植物で、南太平洋の島々で『奇跡のフルーツ』と呼ばれ2000年前より健康維持のために珍重されてきました。」の掲載があること。
5.http//www.curio-city.com/noni/6598/18765.html に
「ノニは、ポリネシア地方に自生するフルーツハーブの一種で、2000年以上も諸島の人々に利用されてきました。」の掲載があること。
6.http//www.syatyu.com/shop/131/top.html に
「ノニは、ポリネシア地方に自生するフルーツハーブの一種で、2000年以上も諸島の人々に薬として利用されてきました。」の掲載があることからも十分に裏付けられるところである。
そうすると、本願商標をその指定商品「タヒチ島産の果実を原料として含む果実飲料」に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「タヒチ産の植物である『ノニ』の果実を原材料として含む果実飲料」の意味合いを理解、認識させるもので、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。
しかして、請求人は、意見書において、「モリンダ・シトリフオリア」は地域によっては「ノニ」と呼ばれている場合があるようだが、そのように呼ばれているのはほんの少しの地域に過ぎず、世界各地で独自の呼び名が存在しているのが実情である。我が国においても別な呼び名が存在する旨主張するが、世界各地における「ノニ」以外の独自の呼び名を何も明らかにしていない。
したがって、請求人の主張は、本願商標が、前記認定のとおりストレスや精神安定に効果がある植物の「ノニ」を認識することを妨げる事由とはなり得ない。
つぎに、商標「NONI」に関する登録がされている旨主張するが、商標「NONI」が登録になった時点と、現審決時とでは自他商品の識別力の判断時点が相違し、取引の実情も同じでないものであるから、前示のように判断するを相当とする。
さらに、請求人は、本願商標を使用して、本願指定商品を含むいわゆる健康食品・栄養補助食品の製造販売を、米国及び日本を中心とする世界中で行っている。
その結果、我が国における1999年の販売総額は、約75,000,000米ドル、2000年の販売総額は、約141,000,000米ドルになっており、我が国についてだけでも本願商標が付された商品がこのように多く販売されているから、商標法第3条第2項の適用により登録を認められるべきであると主張している。
しかし、商標法第3条第2項の適用を受け、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、使用により識別力を有するに至った商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品と同一の商品に関する場合のみである。
また、商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかは、(a) 実際に使用している商標並びに商品、(b) 使用開始時期、(c) 使用期間、(d) 生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域売上高等)、(e) 広告宣伝の方法、回数及び内容に関し、具体的な使用等に関する証拠資料を総合勘案して判断するものである。
ところが、本願については、意見書の提出から相当の期間が経過するも、使用により識別力を有するに至った商標及びその商標を使用していた商品、また、その販売総額を証明する書面等何らの書類の提出もないものであり、本願商標と使用により識別力を有するに至った商標、使用商品の関係が具体的に把握できないものであるから、本願商標がその指定商品について使用された結果、自他商品の識別力を獲得したという請求人の主張は認めることができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものであって、原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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