1 本願商標
本願商標は、「ザ・ビジョンくん」の文字を横書きしてなり、第9類、第16類、第18類及び第21類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成11年9月28日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)は、下記のAないしDのとおりである。
A 登録第706149号商標 「ビジョン」「VISION」の文字を二 段に書したもの
登録出願日 昭和38年5月14日
設定登録日 昭和41年5月6日
指定商品 第17類「被服、その他本類に属する商品」
B 登録第2124032号商標 「VISION」「ビジョン」の文字を 二段に書したもの
登録出願日 昭和60年6月20日
設定登録日 平成1年3月27日
指定商品 第24類「おもちゃ、その他本類に属する商品(ただし、 運動具を除く)」
C 登録第2549849号商標 「VISION」「ビジョン」の文字を 二段に書したもの
登録出願日 昭和59年4月19日
設定登録日 平成5年6月30日
指定商品 第19類「台所用品」
D 登録第2571306号商標 「VISION」の文字を横書きしたも の
登録出願日 昭和63年12月5日
設定登録日 平成5年8月31日
指定商品 第22類「はき物、その他本類に属する商品」
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「ザ」の文字と「ビジョンくん」の文字の間に中点を介した「ザ・ビジョンくん」の文字よりなるものであるところ、その構成中の「ザ」は、英語の定冠詞「the」に通じるものであり、「the」は、「the」の次にくる名詞を強調する等の働きのある語であって、「the」によって、次にくる語の意味合い等が変化するというようなことはないものといえるから、本願商標においては、「ザ」を省略して称呼される場合があることが少なくないものということができる。
つぎに、構成中の「ビジョンくん」の文字は、人名以外のものに敬称を表す「くん」を結合させて擬人化したものであり、このようなものは、構成文字全体をもって、擬人化された名称で一種の造語として認識され、一連のものとして称呼されるというのが相当である。
そうすると、本願商標は、「ザビジョンクン」の一連の称呼の外に、中点を介し「ザ」と「ビジョンくん」を分離した構成であること及び「ザ」は省略される場合があり得ることから、単に「ビジョンクン」の称呼をも生ずるものということができる。
さらに、本願商標は、一連の「ザ・ビジョンくん」及び「ザ」を省略した「ビジョンくん」ともに、特定の観念を生じない造語として認識されるものというのが相当である。
他方、引用商標は、「ビジョン」の称呼、「想像力、ビジョン」等の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標より生ずる「ザビジョンクン」及び「ビジョンクン」の称呼と引用商標より生ずる「ビジョン」の称呼とは、「ザ」又は「クン」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれはない。
また、本願商標は、特定の観念を生じない造語であること前記のとおりであるから、観念上比較し得ないものであり、さらに、それぞれの構成よりみて、外観上も区別し得るものである。
したがって、本願商標と引用商標は、その称呼、観念及び外観のいずれからしても十分に区別し得る非類似の商標といわなければならないから、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。